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2画面ノート「ZenBook Pro Duo」は普通のノートがもの足りなくなる新感覚の快適さ

ZenBook Pro Duo

 ASUSは8月30日、15.6型のメインディスプレイと14.09型のサブディスプレイを搭載したフラグシップノートPC「ZenBook Pro Duo」の国内販売を発表した。今回ASUSより上位モデルの「UX581GV-9980」を借用したので、実機レビューをお届けしよう。

 なお、執筆時点では販売価格が不明だったため、コスト面についての評価はできていないことをご承知いただきたい(※編注 今回レビューしている最上位モデルの税別店頭予想価格は466,500円前後、下位は361,500円前後なった)。

CPUとストレージ容量、OSの種類が異なる2モデルを用意

 ZenBook Pro Duoは日本国内向けに、Core i9-9980HK/メモリ32GB/SSD 1TB/Windows 10 Proを搭載する「UX581GV-9980」、Core i7-9750H/メモリ32GB/SSD 512GB/Windows 10 Homeを搭載する「UX581GV-9980」の2モデルが用意されている。

 両モデルとも、メインディスプレイに15.6型4K有機EL、「ScreenPad Plus」と名づけられたセカンドディスプレイに14.09型UHD液晶を採用し、外部GPUに「GeForce RTX 2060(GDDR6 6GB)」を搭載している。つまりスペックが異なるのはCPUとストレージ容量、OSの種類のみというわけだ。グローバルモデルはメモリが8GB/16GB/32GB、ストレージが256GB/512GB/1TBと細かく用意されているが、日本市場に向けてはハイスペック仕様に絞って投入したことになる。

【表1】ZenBook Pro Duoのスペック
製品名UX581GV-9980UX581GV-9750
OSWindows 10 ProWindows 10 Home
CPUCore i9-9980HK(2.4〜5GHz、8コア16スレッド)Core i7-9750H(2.4〜4.5GHz、6コア12スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 630(350MHz~1.25GHz)Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.15GHz)
メモリDDR4-2666 SDRAM 32GB
ストレージ1TB SSD(PCIe 3.0 x4接続)512GB SSD(PCIe 3.0 x2接続)
メインディスプレイ15.6型4K有機EL(3,840×2,160ドット、282ppi、輝度非公表、DCI-P3カバー率100%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応)
サブディスプレイ14.09型UHD液晶(3,840×1,100ドット、283ppi、輝度350cd/平方m、sRGBカバー率100%、非光沢、タッチ対応、スタイラス対応)
通信IEEE 802.11ax、Bluetooth 5.0
WWAN-
インターフェイスThunderblot 3(最大40Gbps、DisplayPort v1.2)×1、USB 3.1×2、HDMI、ヘッドセット端子
カメラ92万画素
バッテリ容量71Wh
バッテリ駆動時間約5.3時間約5.5時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)359×246×24mm
重量約2.5kg
セキュリティ顔認証センサー
同梱品スタイラスペン、パームレスト
カラーセレスティアルブルー

本体重量は約2.5kg、最大3画面の4Kマルチディスプレイ環境を構築可能

 ZenBook Pro Duoの本体サイズは359×246×24mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.5kg。筐体の天板と底面はアルミニウム合金製で、本体カラーは「セレスティアルブルー(Celestial Blue)」を採用。天板にはASUSロゴを中心にした真円のヘアライン加工が、エッジ部分には鏡面仕上げのダイヤモンドカット加工が施されている。また底面には広範囲にラバークッションが貼られており、テーブルに安定して設置可能だ。

 インターフェイスは、Thunderblot 3(DisplayPort Alternative Mode対応)×1、USB 3.1×2、HDMI、ヘッドセット端子を用意。Thunderbolt 3とHDMI端子に4Kディスプレイをつなげば、本体と合わせて最大3画面の4Kマルチディスプレイ環境を構築可能だ。だが、製品名に「Pro」を冠してクリエイティブ用途も見据えたZenBook Pro Duoには、SDメモリカードスロットと有線LAN端子も搭載してほしかったところだ。

本体天面(下がヒンジ側)。ASUSロゴを中心にした真円のヘアライン加工が施されている
本体底面(上がヒンジ側)。広範囲にラバークッションが貼られている
本体前面。ディスプレイ上部に4つのアレイマイクが内蔵されている
本体背面。ディスプレイを開くとテーブルに接地する樹脂製パーツが装備されている
本体右側面。左からスピーカー、Thunderblot 3(最大40Gbps、DisplayPort v1.2)、ヘッドセット端子、排気口、USB 3.1を用意
本体左側面。左から電源端子、HDMI、USB 3.1、排気口、スピーカーを配置

 ワイヤレス通信機能はIEEE 802.11a/b/g/n/a/ac/ax、Bluetooth 5.0に対応している。現状IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)対応の無線LANルーターや端末はかぎられているが、長期間利用することを考慮すれば最新Wi-Fi規格をサポートしている点は大きな優位点だ。

 同梱品はACアダプタ(230W)、電源ケーブル、スタイラスペン「ASUS Pen」、パームレスト、説明書。このなかでZenBook Pro Duoならではのアクセサリがパームレストだ。キーボード面にScreenPad Plusが搭載されておりキーボードが手前ギリギリまで配置されているため、別にパームレストが標準で同梱されている。パームレストには磁石が内蔵されているが、あくまでも位置決め用として設計されており、装着したままで持ち運べない。基本的にはデスクに常備しておくアクセサリだ。

 ACアダプタのサイズは165.1×76.1×31.5mm(同)、重量は約658.5g。230Wと大容量なだけに、毎日携帯するのは少々辛いサイズと重量だ。また本製品のThunderbolt 3端子はUSB Power Delivery非対応だ。ZenBook Pro Duoを自宅と仕事場の両方で使うのなら、ACアダプタはそれぞれ用意したほうが無難だ。

メインディスプレイは15.6型4K有機EL(3,840×2,160ドット、282ppi、輝度非公表、DCI-P3カバー率100%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応)
ディスプレイ上部に92万画素のWebカメラとWindows Hello対応顔認証センサー(赤外線カメラ)が内蔵されている
サブディスプレイ「ScreenPad Plus」は14.09型UHD液晶(3,840×1,100ドット、283ppi、輝度350cd/平方m、sRGBカバー率100%、非光沢、タッチ対応、スタイラス対応)
エッジ部分には鏡面仕上げのダイヤモンドカット加工が施されている
ディスプレイの最大展開角度は実測約132度。ディスプレイを開くとキーボードに適度な角度がつく「エルゴリフト」機構を採用。また底面後方にすき間を設けることで放熱性能を高めている
パームレスト未装着状態
パームレスト装着状態
パームレストを装着しても、本体前面のLEDが透過して、その色を確認できる。ちなみにファンモードが「Turbo」のときはブルー、「自動」のときはホワイトに点灯する
パームレストには磁石が内蔵されているが、あくまでも位置決め用として設計されているようだ
同梱品一覧。左上からパームレスト、本体、スタイラスペン「ASUS Pen」、ACアダプタ(230W)、電源ケーブル、説明書
ACアダプタのコード長は実測約120cm、電源ケーブルの長さは実測約175cm
ACアダプタ「ADP-230GB」の仕様は、入力100-240V/3.2A、出力19.5V 11.8A、容量230W
本体の実測重量は約2,446g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測約795.5g
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1809適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は910.07GB(1TBモデルの場合)
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは71,008mWh、FULL CHARGE CAPACITYは70,374mWhと表示された

2画面搭載ノートPCというコンセプトを実用的なかたちで実現

 さて、サブディスプレイ「ScreenPad Plus」を搭載したZenBook Pro Duoの使い勝手だが、非常に実用的というのが誇張なしの感想だ。

 従来モデル「ZenBook Pro 14/15」に搭載されていたScreenPadは、ホームポジションに手を置いたさいに画面が隠れてしまったため、ランチャー、ユーティリティ、拡張ディスプレイとしては個人的には使いにくく感じていた。

 しかし、ZenBook Pro DuoのScreenPad Plusはキーボード奥にあるので手で隠れてしまうことはない。また、メインディスプレイのすぐ下に配置されているから、視線の動きが最小限だ。画面サイズも拡張ディスプレイとして十分な広さが確保されている。

 実際、今回の原稿を書くさいにZenBook Pro Duoを使ってみたが、メインディスプレイに2画面、ScreenPad Plusに2画面を配置したPC作業はじつに快適だった。一度この環境に慣れてしまったら、一般的なノートPCが狭苦しく感じられるほどだ。

OS起動時、サブディスプレイにScreenPad Plusのロゴが表示される
メインディスプレイに2画面、ScreenPad Plusに2画面を配置したPC作業はじつに効率的だ
ScreenPad Plusではウィンドウを画面上に移動すると全画面、左右端に移動すると2分の1、画面左/中央/右の上寄りに移動すると3分の1サイズで分割表示される
ウィンドウを3分の1で分割表示するさいにはScreenPad Plusの最上部ではなく、「上寄り」にマウスカーソルを移動させる

 複数のウィンドウを分割配置するさいのユーザーインターフェイスもカスタマイズされており、ScreenPad Plusではウィンドウを画面上に移動すると全画面、左右端に移動すると2分の1、画面左/中央/右の上寄りに移動すると3分の1サイズで分割表示される。各ウィンドウの配置はScreenPad Plus左端の「Quick Launcher」から「コントロールセンター」を開き、そのなかの「タスクグループ」に登録しておけば、いつでも元通りに再表示可能だ。

 このほかにもメインディスプレイとScreenPad Plusに表示されているウィンドウを入れ替える「タスクスワップ」機能を用意。またウィンドウをつかむと、ウィンドウをそれぞれの画面に移動させたり、両方の画面にまたがって全画面表示させたり、ランチャーにピン留めするためのアイコンが表示される。これら独自ユーザーインターフェイスを活用すれば、2つのディスプレイにウィンドウを自由自在に配置できるはずだ。

各ウィンドウの配置はScreenPad Plusの左端に表示されている透明アイコン「Quick Launcher」から「コントロールセンター」を開き、そのなかの「タスクグループ」を選択すると登録できる
タスクグループ右下の丸いアイコンをクリックすれば、現在表示されているアプリとウィンドウの位置が「グループ」として登録される
ウィンドウをつかむと、ウィンドウをそれぞれの画面に移動させたり、両方の画面にまたがって全画面表示させたり、ランチャーにピン留めするアイコンが表示される
これはメインディスプレイで全画面表示させた状態
これはメインディスプレイとScreenPad Plusにまたがって全画面表示させた状態

 ScreenPad Plusを活用するための独自アプリとして、ショートカットキーをワンタップで入力する「Quick Key」、手書き入力ソフト「Handwriting」、電卓「Number Key」などが用意されている。しかし、通常のWindowsソフトウェアが動作するScreenPad Plusでこれらアプリをあえて使う理由はないように思う。使い慣れたアプリをランチャーに登録して利用することをオススメする。

ScreenPad Plusの左端には半透明のボタン「Quick Launcher」が表示されている。このボタンをクリックすると「コントロールセンター」が起動する
コントロールセンターには独自アプリのアイコンが一覧表示されている。ここには任意のアプリを登録可能。左端にあるのは、ScreenPad Plusの輝度調整、タスクグループの呼び出しと登録、メインディスプレイとScreenPad Plusのウィンドウを入れ替えるタスクスワップ、ScreenPad Plus側のアプリを個別に終了できるアプリナビゲーター、キーボードロック、設定用のアイコンだ
設定アイコンをクリックすると各種項目が現われる。ScreenPad Plusだけに壁紙を設定することも可能だ
ショートカットキーをワンタップで入力する「Quick Key」
手書き入力ソフト「Handwriting」
電卓「Number Key」

テンキー代わりにもなるタッチパッド

 日本語キーボードはキーとキーの間にすき間のあるアイソレーションタイプで、キーピッチ19.05mm、キーストローク1.4mmが確保されている。英語キーボードモデルは用意されていない。本体サイズから考えるとややキーストロークが浅く感じられるが、打鍵感は良好だ。ただキーを底打ちすると、静音タイプと比べるとやや打鍵音が大きく聞こえる。

 少々慣れが必要なのがタッチパッド。ダイビングボード構造のタッチパッドとしてはしっかりとしたクリック感が与えられているが、配置が特殊だ。またこのタッチパッドには、テンキーとしても使用可能な「NumberPad 2.0」が採用されており、右上のアイコンをタップするとテンキーのオン/オフを切り替えられる。

 テンキーモードでもマウスカーソル操作は可能だが、数字などを入力するさいにはタップ、クリックするさいにはタッチパッドが物理的に沈むまでプッシュとやや変則的だ。テンキーモードでタッチパッドの表示を見ないで入力するのは至難の業なので、数字を大量に入力するさいには素直に外付けのテンキーキーボードを用意しよう。

 ほかの入力デバイスとしてはスタイラスペン「ASUS Pen」が同梱されている。ASUS Penは筆圧感知1,024段階で、傾き検知には非対応だ。メインディスプレイとScreenPad Plusで利用可能なのでメモ書きや簡単なイラストを描くのには重宝するが、繊細なタッチでイラストを描きたいのであれば別途ペンタブレットや液晶タブレットを用意するべきだ。

キーピッチ19.05mm、キーストローク1.4mmを確保
長時間タイピングするときにはやはりパームレストがほしくなる
タッチパッド右上のアイコンをタップするとテンキーが表示される。左上のアイコンではテンキーの明るさを2段階で調整可能
キーボードバックライトはもちろん内蔵。明るさも調整可能だ
同梱されているスタイラスペン「ASUS Pen」は筆圧感知1,024段階で、傾き検知には非対応。キーボードを無効化すれば、ScreenPad Plusにイラストなどを描きやすくなる

有機ELディスプレイはスペックどおりの高画質

 前述のとおり、ZenBook Pro Duoは15.6型4K有機EL(3,840×2,160ドット、282ppi、輝度非公表、DCI-P3カバー率100%、光沢、タッチ対応、スタイラス対応)と、14.09型UHD液晶(3,840×1,100ドット、283ppi、輝度350cd/平方m、sRGBカバー率100%、非光沢、タッチ対応、スタイラス対応)の2つのディスプレイを搭載している。

 実際の色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたところ、4K有機ELはDCI-P3カバー率100.0%とスペックどおりの色域を確認できた。UHD液晶はsRGBカバー率96.9%とややスペックに満たなかったが、表面処理が非光沢(ノングレア)なのが不利に働いた可能性がある。

メインディスプレイには15.6型4K有機ELを採用。色彩の階調が非常に豊かだ
ScreenPad Plusには14.09型UHD液晶が採用されている。輝度は350cd/平方mと十分明るいが、有機ELと比べるとどうしても暗く見えてしまう
実測したメインディスプレイのsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は148.0%
実測したメインディスプレイのAdobe RGBカバー率は94.5%、Adobe RGB比は109.7%
実測したメインディスプレイのDCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は109.1%
実測したScreenPad PlusのsRGBカバー率は96.9%、sRGB比は103.5%
実測したScreenPad PlusのAdobe RGBカバー率は76.2%、Adobe RGB比は76.7%

 今回の記事に掲載した写真を見て、メインディスプレイとScreenPad Plusで輝度と発色がかなり異なるのが心配な方がいるかもしれない。しかし実際に使ってみるとそれほど気にならなかった。同じ画像を表示していればその差は歴然としているが、一般的な用途では異なるアプリで異なる画面を表示しているはずだ。

 できるだけ見え方をそろえたいのなら、ディスプレイキャリブレーション機器などで色域を合わせた上で、メインディスプレイの輝度を暗くすればいい。それでもコントラスト比は、メインディスプレイが100,000:1、ScreenPad Plusが1,200:1と大きく異なるのでまったく同じ見え方にはならないが、ある程度は近づけられる。

 サウンドについては、オーディオブランド「Harman/Kardon」と共同開発しているだけに、音質自体は好ましかったが、音量が物足りなかった。YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大77.7dB(50cmの距離で測定)にとどまっている。メインディスプレイの画質が高いだけに、それに釣り合うだけのサウンド性能を実現してほしかったと思う。

YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大77.7dB(50cmの距離で測定)

4KゲーミングPCに迫る性能を実現

 最後に性能をチェックしてみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.0.2115」
  • 3Dグラフィックベンチマーク「3DMark v2.9.6631」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPUベンチマーク「CINEBENCH R20.060」
  • 3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」
  • 「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像
  • 「Adobe Premiere Pro CC」で実時間5分の4K動画を書き出し
  • バッテリベンチマーク「PCMark 10 Modern Office Battery Life」
  • バッテリベンチマーク「BBench」

 ZenBook Pro Duoでベンチマークを実施するにあたっては、「電源モード」を「最も高いパフォーマンス」、ユーティリティ「MyASUS」の「ファンモード」を「Turbo」に設定している。

 比較対象機種としては、「Core i9-8950HK」を搭載する「ZenBook Pro 15 UX580GE-8950」(以下UX580GE)、「Core i7-8750H」を搭載する「ZenBook Pro 15 UX580GD-8750」(以下UX580GD)を使用した。下記が検証機の仕様とベンチマークの結果だ。

【表2】検証機の仕様
ZenBook Pro Duo(UX581GV-9980)ZenBook Pro 15(UX580GE-8950)ZenBook Pro 15(UX580GD-8750)
CPUCore i9-9980HK(2.4〜5GHz、8コア16スレッド)Core i9-8950HK(2.9~4.8GHz、6コア12スレッド)Core i7-8750H(2.2~4.1GHz、6コア12スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 630(350MHz~1.25GHz)、GeForce RTX 2060Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.2GHz)、GeForce GTX1050 Ti(4GB)Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.1GHz)、GeForce GTX1050(4GB)
メモリDDR4-2666 SDRAM 32GBDDR4-2400 SDRAM 16GB
ストレ-ジ1TB PCIe NVMe SSD1TB PCIe NVMe SSD512GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ15.6型、3,840×2,160ドット(282ppi)
14.09型、3,840×1,100ドット(283ppi)
15.6型、3,840×2,160ドット(282ppi)
TDP45W
OSWindows 10 Pro
サイズ359×246×24mm365×242×18.9mm365×242×18.9mm
重量(幅×奥行き×高さ)約2.5kg約2.01kg約1.86kg
【表3】ベンチマ-ク結果
ZenBook Pro Duo(UX581GV-9980)ZenBook Pro 15(UX580GE-8950)ZenBook Pro 15(UX580GD-8
PCMark 10 v2.0.2115
PCMark 10 Score5,5194,8034,549
Essentials9,0278,1868,211
App Start-up Score12,3419,95511,946
Video Conferencing Score7,9847,8706,820
Web Browsing Score7,4677,0026,795
Productivity7,5856,6956,147
Spreadsheets Score9,6078,3467,684
Writing Score5,9905,3714,918
Digital Content Creation6,6635,4865,061
Photo Editing Score10,0006,2024,766
Rendering and Visualization Score7,9915,9685,566
Video Editting Score3,7024,4634,889
PCMark 10 Modern Office Battery Life4時間46分-
3DMark v2.9.6631
Time Spy5,6542,3441,826
Fire Strike Ultra3,4211,7641,197
Fire Strike Extreme6,7533,4022,627
Fire Strike13,2356,5375,449
Night Raid23,989-
Sky Diver27,93018,58717,386
Cloud Gate29,45821,21520,188
Ice Storm Extreme55,42850,79850,233
Ice Storm40,06235,82435,418
CINEBENCH R15.0
OpenGL122.22 fps126.31 fps111.55 fps
CPU1,440 cb1,197 cb1,146 cb
CPU(Single Core)199 cb195 cb173 cb
CINEBENCH R20.060
CPU3,148 pts-
CPU(Single Core)474 pts-
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリ-ン11,591(とても快適)-
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリ-ン7,946(快適)-
3,840×2,160ドット、標準品質、フルスクリ-ン2,875(やや重い)-
SSDをCrystalDiskMark 6.0.2で計測
Q32T1 シ-ケンシャルリ-ド2,976.901 MB/s2,913.947 MB/s2,442.160 MB/s
Q32T1 シ-ケンシャルライト2,380.006 MB/s1,761.945 MB/s1,407.910 MB/s
4K Q8T8 ランダムリ-ド1,294.471 MB/s1,366.252 MB/s1,100.982 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト432.197 MB/s1,393.730 MB/s722.767 MB/s
4K Q32T1 ランダムリ-ド366.594 MB/s341.668 MB/s315.398 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト507.290 MB/s283.137 MB/s261.793 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド42.293 MB/s39.900 MB/s36.251 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト103.758 MB/s91.700 MB/s84.536 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然4分45秒52-
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps3分57秒92-
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モ-ド:高パフォ-マンス)
バッテリ残量5%まで3時間55分50秒4時間35分34秒4時間40分38秒
BBenchにより充電時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モ-ド:最も高いパフォ-マンス)
バッテリ残量5%から50%まで32分49秒-
バッテリ残量5%から80%まで57分58秒-
バッテリ残量5%から100%まで1時間54分15秒-

 まずCPU性能から見ていこう。CINEBENCH R15.0のCPUで比較すると、Core i9-9980HKを搭載するZenBook Pro Duoは、Core i9-8950HKを搭載するUX580GEの約120%に相当する「1440 cb」を記録している。Core i9-9980HKは2.40〜5.00GHz、8コア16スレッド、Core i9-8950HKは2.90~4.80GHz、6コア12スレッドというスペックだ。コア数スレッド数の違いほど差は開かなかったが、格上の性能を発揮した。

 大差がついたのは3DMark。「Time Spy」でZenBook Pro DuoはUX580GEの約241%に相当する「5654」というスコアを叩き出している。外部グラフィックスに「NVIDIA GeForce RTX 2060」を搭載したことにより、4KゲーミングPCに迫る性能を実現している。

 実際、FINAL FANTASY XV BENCHMARKで1,920×1,080ドット、標準品質の設定で「7,946(快適)」という好スコアを記録している。Adobe Premiere Pro CCで5分の4K動画を書き出す所要時間も、実時間を約1分下回る「3分57秒92」だ。多くの3Dゲーム、クリエイティブ系アプリを快適に動作させられる性能を備えていると言える。

 ZenBook Pro Duoの弱点はバッテリ駆動時間。ディスプレイ輝度0%で実施したPCMark 10 Modern Office Battery Lifeでは4時間46分、ディスプレイ輝度40%でバッテリ残量5%までという条件で実施したBBenchでは3時間55分50秒という駆動時間にとどまった。ZenBook Pro Duoは71Whのバッテリを内蔵している。個人的にはもっと重くなってもよいので、90Wh超えのバッテリを搭載し、せめて5時間以上のバッテリ駆動時間を確保してほしいと思う。

 8コア16スレッドのCore i9-9980HKを搭載しているだけに発熱は相当高いだろうと予想していたが、室温28.3℃の部屋でCINEBENCH R20.060を3回実行したあとの表面温度は、キーボード面が最大40.1℃、底面が最大40.9度に収まった。

 ZenBook Pro Duoは、71枚の羽根を持つ12Vのファンを2基搭載し、エルゴリフトヒンジを採用することで底面のエアフローを向上し、5本のヒートパイプと熱伝導率をUX580GEより6%向上させた冷却プレートにより、高い冷却性能を実現しているという。

 もちろん外部グラフィックスがフル稼働するような処理では今回より表面温度が向上するだろう。しかし、おもにCPUに依存する処理であれば表面温度が不快なほど高くなることはなさそうだ。

CINEBENCH R20.060を3回実行したあとのキーボード面の最大温度は40.1℃
底面の最大温度は40.9℃
ACアダプタの最大温度は37.6℃

斬新すぎる2画面搭載高性能ノートPCにライバルなし!

 ZenBook Pro Duoは、2画面搭載ノートPCという斬新なコンセプトを、実用的なスタイルで完成させたモデルだ。ソフトウェアは2画面に特化して作り込まれており、マルチウィンドウでの操作性はじつに快適。性能は4KゲーミングPCには少々およばないが、フルHD解像度なら多くの3Dゲームを快適にプレイできるほどだ。

 かぎられた設置スペースでも、2画面ディスプレイの広々としたデスクトップで作業したいという方には、本製品以外に現時点で選択肢はない。バッテリ駆動時間はモバイル用途に心許ないが、ZenBook Pro Duoを使えるなら少々重たいACアダプタも喜んで携帯するし、外出先ではなにがなんでも電源を確保する!……と思わせるほどの唯一無二の魅力的なモデルだ。