Hothotレビュー

軽さと堅牢性を高レベルで両立したdynabook 30周年記念モデル「dynabook G7/J」

Dynabook 「dynabook G7/J」

 1989年に登場した世界初のノートPC「Dynabook J-3100 SS001」登場から、2019年でちょうど30周年を迎える。それを記念しDynabook株式会社は、dynabook 30周年記念モデルとなる「dynabook G」シリーズを2019年1月より発売した。

 dynabookシリーズで長年培ってきたノウハウを結集することで、軽さと圧倒的な堅牢性を両立する、魅力的なモバイルノートPCに仕上がっている。今回は、dynabook Gシリーズから「dynabook G7/J」を取り上げ、ハード面を中心に紹介する。すでに発売中で、実売価格は19万円前後。

約859gの軽さながらMILスペックをクリアする優れた堅牢性を実現

 ここ数年で、重量が1kgを大きく下回る軽量13.3型モバイルノートPCが多く登場している。dynabook G7/J(以下、G7/J)もそれらと同様に、13.3型液晶搭載ながら、1kgを大きく下回る約859gという軽さを実現した、圧倒的な軽さが特徴のモバイルノートPCとなっている。

 G7/Jでは、内部の部品やコネクタの配置見直しや、長年培われた高密度実装技術を駆使した内部基板の小型化を実現。たとえば、従来までディスプレイ上部に配置していた無線ANのアンテナを、本体後方ヒンジ部に移動させることで、ディスプレイ側面の狭額縁化や奥行きの低減を実現している。

 実際に、13.3型液晶搭載の「dynabook R63」と比べて、幅を7.2mm、奥行きを15.4mm削減した、308.8×211.6mm(幅×奥行き)という大幅なフットプリントの小型化を実現している。高さは17.9mmと特別薄いわけではないが、モバイルノートPCとして十分な薄さとなっている。

 加えて、筐体素材に軽量なマグネシウムアルミニウム合金を採用するとともに、キーボードやスピーカー、新たに開発し顔認証カメラなど内部パーツも徹底的な軽量化を追求。こういった筐体の小型化や内部パーツの軽量化などによって、約859gという軽さを実現している。なお、実測では831.5gと公称よりも27g以上軽かった。

 実際にG7/Jを手にすると、その軽さが実感できる。競合製品の中には、800gを切る軽さの13.3型モバイルノートPCも存在しているため、驚くほどの軽さという印象ではない。それでも800g台前半という軽さは、13.3型モバイルノートPCとしてトップクラスの軽さで、毎日持ち歩くことを考えると非常にありがたいと感じる。

 そして、G7/Jは単純に軽さを追求しただけではなく、モバイルノートPCとして必要なもう1つの条件もしっかりと満たしている。それは堅牢性だ。

 毎日持ち歩くことを前提とするモバイルノートPCでは、軽いことが求められるのはもちろん、安心して持ち歩けるよう、外からの圧力や衝撃に耐える堅牢性も重要な要素となる。G7/Jでは、筐体素材は天板、底面、キーボード面にマグネシウムリチウム合金を採用しているが、そのうち天板と底面はプレス加工によって外部からの衝撃に強い強度を実現。

 また、キーボード面はダイカスト加工を採用。側面付近を厚肉化するとともに、さまざまな部分にリブ補強を持たせることによって、優れた剛性を確保。これによって、米国国防総省が制定する米軍調達基準「MIL規格(MIL-STD-810G)」に準拠する10項目もの耐久テストをクリアする優れた堅牢性が確認されている。たとえば、落下に関しては26方向、高さ76cmからの落下による試験をクリア。このほか、粉塵、高度、高温、低温、温度変化、湿度、振動、衝撃、太陽光照射といった試験にクリアしている。

 さらに、ドイツの第三者認証機関「TÜV Rheinland Japan」による76cm落下試験および200kgf面加圧試験もクリア。過去のdynabookシリーズでも実施されている高加速寿命試験「HALT(Highly Accelerated Life Test)」も行ない、長期間の堅牢性も確認されている。

 実際にG7/Jのボディを強い力でひねったりしてみても、ほとんどたわむことがない、とくにディスプレイを閉じた状態では、びくともしないといった印象で、非常に高い安心感がある。申し分ない軽さと優れた堅牢性を両立することで、G7/Jは安心して毎日持ち歩けると言っていいだろう。

ディスプレイを開いて正面から見た様子。従来モデルからディスプレイの上下左右ベゼルが狭められ、小型化が追求されている
天板。dynabookシリーズらしいシンプルなデザインとなっている。天板にはプレス加工のマグネシウムアルミニウム合金を採用し、軽さと強度を両立
本体正面。高さは17.9mmと十分な薄さとなっている
左スーク面
背面
右側面
底面。フットプリントは308.8×211.6mm(幅×奥行き)。こちらも天板同様にプレス加工のマグネシウムアルミニウム合金で、軽さと強度を両立
キーボード面にはダイカスト加工のマグネシウムアルミニウム合金を採用。側面付近を厚肉化し、リブ構造も多く用意することで、MIL規格準拠の10種類のテストをクリアする優れた堅牢性を確保している
従来はディスプレイ上部にあった無線LANアンテナをヒンジ部に配置するなど、内部パーツの配置を見なおしたり小型化を追求することで、小型・軽量化を実現
実測の重量は831.5gと、公称よりもかなり軽かった

フルHD表示対応の13.3型IGZO液晶を採用

 Dynabook株式会社は2018年10月にシャープ傘下となり、2019年1月より現在の社名として新たなスタートを切った。そのシャープ傘下第1弾モデルとして登場したG7/Jには、シャープとの協業による成果も盛り込まれている。

 その1つが液晶パネルで、G7/Jではシャープ製のIGZO液晶を採用している。表示解像度は1,920×1,080ドット。パネルの種類は非公開だが、視野角は上下左右とも170度と十分に広く、視点を大きく移動させても明るさや色合いの変化はほとんど感じられない。

 パネル表面は非光沢処理で、外光の映り込みが少なく、G7/Jがメインターゲットとしている文字入力が中心のビジネスモバイル分野でも快適な利用が可能だ。発色の鮮やかさについても、IGZO液晶らしく、このクラスのモバイルノートPCとして標準以上のクオリティを確保しており、写真のレタッチや動画編集などもしっかり色合いを確認しながら行なえるだろう。

 個人的には、タッチパネルを搭載しない点が少々残念だが、ビジネスモバイルPCでタッチ操作が求められるシーンが少ないことを考えると、大きな問題はないだろう。

1,920×1,080ドット表示対応の13.3型IGZO液晶を搭載
IGZO液晶らしい鮮やかな発色で、表示品質は十分に優れる印象。表面が非光沢処理で外光の映り込みが少ない点も嬉しい
ディスプレイは140度ほどまで開く

キーボードは縦のピッチがやや狭い点が気になる

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプのものを搭載している。主要キーのキーピッチは19mmフルピッチを確保するとともに、ストロークも1.5mmと、近年の薄型モバイルノートPCとしてはまずまずの深さのストロークを確保。

 キータッチは標準的な堅さで、しっかりとしたクリック感もあり、打鍵感は良好だ。キートップには約0.2mmの凹みが設けられているとのことで、キーの指への馴染みも良い。また、配列も標準的で、無理な配置となっている部分は皆無だ。

 ただし、縦のピッチが約17mmと横よりも狭くなっている点はやや気になる。普段、縦横のピッチが均等なキーボードを使っていると、G7/Jのキーボードを初めて使った場合には、この縦のピッチの狭さが気になるかもしれない。このあたりは、本体の奥行きが狭められた影響もあると思う。また、慣れればタッチタイプも問題なく行なえるとは思うが、できれば縦横ともに均等なピッチのキーボードを採用してもらいたかったように思う。

 ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッドを採用。面積は十分に広く確保されており、安定した操作が可能だ。もちろん、ジェスチャー操作にも対応しているので、ウィンドウ操作なども軽快に行なえる。

キーボードはアイソレーションタイプ。標準的な日本語配列となっている
主要キーのキーピッチは19mmフルピッチを確保。ただし縦のピッチは約17mmと狭い点は気になる
ストロークは1.5mmとまずまずの深さを確保。しっかりとしたクリック感で打鍵感も良好だ
Enterキー付近の一部キーはピッチが狭くなっている
ポインティングデバイスはクリックボタン一体型のタッチパッドを採用。面積が広くジェスチャー操作も対応しており、使い勝手も良好だ

Windows Hello対応の顔認証機能を搭載

 G7/Jのスペックは、最新モバイルノートPCとしてまずまずのものとなっている。CPUはCore i7-8550Uを採用。Whiskey Lakeこと最新の第8世代Coreプロセッサではないものの、性能差はそれほど大きなものではなく、処理能力に不満を感じる場面はないだろう。

 メモリは標準でDDR4-2400を8GBと必要十分な容量を搭載。内蔵ストレージは容量256GBのPCIe SSDを採用しており、こちらも必要十分な容量となっている。無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠無線LAN(2×2)とBluetooth 4.2を標準搭載する。

 生体認証機能としてはディスプレイ上部にWindows Hello対応の顔認証機能を搭載している。この顔認証機能用のカメラには、可視光と赤外線光の双方を捉えられる、RGB-IR CMOSセンサーを採用。これによって、別途赤外線カメラを搭載することなく顔認証を実現しており、顔認証センサーの小型軽量化にも繋がっている。

 側面のポート類は、左側面に電源コネクタ、USB 3.1 Gen 1準拠USB Type-C、HDMI、オーディオジャック、microSDカードスロットを、右側面にUSB 3.0×2、Gigabit Ethernetの各ポートを用意。標準サイズのSDカードスロットがない点は少々残念だが、Gigabit Ethernetをはじめとしたそのほかの豊富なポートはアダプタ不要で利用でき、高い利便性を実現している。

 使っていて感じたのが内蔵スピーカーの音の良さだ。一般的にモバイルノートPCのスピーカーは、とりあえず音が鳴っているといった程度で、あまり音質は重視されないことが多い。しかしG7/Jのスピーカーは、クリアな中音域と伸びのある高音域に加えて、低音も十分に感じられ、なかなかのいい音となっている。G7/Jにはオンキヨーと共同開発したステレオスピーカーを搭載するとともに、DTSと共同でチューニングした「dynabook Sound Engine by DTS」を採用。これによって、軽量モバイルノートPCながらクリアーなサウンド再生を実現している。これも、G7/Jの魅力の1つと言えるだろう。

 付属のACアダプタはかなり小型のものとなっている。重量は付属電源ケーブル込みで実測175.9gと軽さも十分だ。また、30分で約8時間分の容量を充電できる急速充電機能「お急ぎ30分チャージ」も搭載しており、充電忘れにも短時間で対応できる。

 合わせて、USB Type-CポートはUSB PDに対応し、USB PD対応ACアダプタを接続して給電およびバッテリの充電が行なえる。出力が45W未満のUSB PD対応ACアダプタでは、付属ACアダプタよりも充電時間が長くなるものの、7.5W以上の出力があれば充電が行なえるため、ACアダプタを一緒に持ち出さなかった場合でも安心だ。

左側面には、電源コネクタ、USB 3.1 Gen 1準拠USB Type-C、HDMI、オーディオジャック、microSDカードスロットを用意
USB Type-CはUSB PD対応。出力7.5W以上のUSB PD対応ACアダプタを接続することで、内蔵バッテリの充電が行なえる
右側面にはUSB 3.0×2、Gigabit Ethernetの各ポートを用意
ディスプレイ上部には顔認証カメラを搭載。可視光と赤外線光の双方を捉えられるRGB-IR CMOSセンサーの採用で、顔認証センサーの小型軽量化を実現している
オンキヨーと共同開発したステレオスピーカーを搭載。「dynabook Sound Engine by DTS」によって高音質な音が再生される
ACアダプタは小型のものが付属。30分で約8時間分の容量を充電できる「お急ぎ30分チャージ」機能に対応
ACアダプタの重量は、付属電源ケーブル込みで実測175.9gとなかなかの軽さだ

性能は必要十分

 では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 vv1.1.1739」、「PCMark 8 v2.8.704」、「3DMark Professional Edition v2.7.6296」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」の4種類。比較用として、LGエレクトロニクス・ジャパンの「gram 17Z990-VA76J」の結果も加えてある。

dynabook G7/JLG gram 17Z990-VA76J
CPUCore i7-8550U(1.80/4.00GHz)Core i7-8565U(1.80/4.60GHz)
チップセット
ビデオチップIntel UHD Graphics 620Intel UHD Graphics 620
メモリDDR4-2400 SDRAM 8GBDDR4-2400 SDRAM 8GB
ストレージ256GB SSD(PCIe)512GB SSD(SATA)
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bit
PCMark 10v1.1.1739
PCMark 10 Score--
Essentials80917549
App Start-up Score117709208
Video Conferencing Score65546571
Web Browsing Score68677111
Productivity61086348
Spreadsheets Score71127795
Writing Score52465171
Digital Content Creation--
Photo Editing Score33323982
Rendering and Visualization Score--
Video Editting Score32573522
PCMark 8v2.8.704
Home Accelarated 3.030783241
Creative accelarated 3.033753550
Work accelarated 2.043784530
Storage49944938
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)42.4245.31
CPU495557
CPU (Single Core)162174
3DMark Professional Editionv2.8.6536v2.8.6427
Cloud Gate73667466
Graphics Score83858191
Physics Score51705702
Night Raid42304104
Graphics Score42333858
CPU Score42176518
Sky Diver37313816
Graphics Score34694648
Physics Score64124652
Combined score35244878

 結果を見ると、Core i7-8565U搭載のgram 17Z990-VA76Jと比べても、大きく変わらないスコアが得られていることがわかる。確かに、CPU性能地力は劣る部分もあるが、実際に使う場面でその差を如実に感じられる場面はおそらくほとんどない。もちろん、どうせならCPUも最新世代のCore i7-8565Uを搭載してもらいたかったが、それが大きくマイナスに作用することはないと言える。

 続いてバッテリ駆動時間だ。G7/J公称の駆動時間は約19時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver2.0での数字)と、軽量モバイルノートPCとしてかなりの長時間駆動が可能となっている。それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「(バッテリ)より良いバッテリ」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約11時間30分の駆動を確認した。

 公称よりはやや短めではあったが、これだけの駆動時間が確保されていれば、実際に利用する場面でも、1日の外出でバッテリが足りなくなるといったことはまずないだろう。おそらく、駆動時間を犠牲にしてバッテリ容量を減らせば、さらなる軽量化も可能だったと思うが、申し分ない軽さと優れた堅牢性に加えて長時間駆動も可能となっている点は、モバイルノートPCとして大きな魅力となるはずだ。

質実剛健なビジネスモバイルを探している人にお勧め

 G7/Jは、外観デザインはこれまでのdynabookシリーズから大きく変わっておらす、オーソドックスなモバイルノートPCという印象だ。しかしその中身は、申し分ない軽さと優れた堅牢性を両立するとともに、1日の外出でも安心の長時間駆動、不満のない性能を実現しており、完成度はかなり高い。

 たしかに派手さはないかもしれないが、ビジネスモバイルユーザーが求めるさまざまな性能を愚直に実現した、質実剛健なビジネスモバイルノートPCに仕上がっている。軽さ、堅牢性、長時間駆動、性能と、いずれも高いレベルのビジネスモバイルノートPCを探している人が、確実に満足できる製品と言っていいだろう。