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20cm四方サイズにXeon E/Quadroを詰め込んだ小型WS「HP Z2 Mini G4 Workstation」実機レビュー

「HP Z2 Mini G4 Workstation」143,000円~

 株式会社日本HPは、容積2.7Lのコンパクト筐体にXeon EプロセッサとQuadroグラフィックスを搭載した小型ワークステーション「HP Z2 Mini G4 Workstation」を10月より販売開始した。工具なしに天板を開けられるなどメンテナンス性も考慮された小型筐体を採用。省スペースに設置可能だ。

 今回日本HPより以下の構成のカスタマイズモデル(税別368,820円)を借用した。構成としてはミドルクラスに相当する借用機で、使い勝手、性能などについてレビューしていこう。

  • Xeon E-2124G
  • 32GBメモリ
  • 256GB SSD
  • 1TB HDD
  • Quadro P600
  • AC 9560+Bluetooth 5.0
  • シリアルポートアダプタ

CPUはXeon E-2176G、GPUはQuadro P1000までアップグレード可能

 「HP Z2 Mini G4 Workstation」は、Coffee Lake世代のXeon Eプロセッサを採用した小型ワークステーション。最小構成はOSなし、CPUはXeon E-2104G、メモリは8GB(DDR4-2666 SDRAM)、ストレージは1TB HDD(SATA 6Gbps)、ディスクリートGPU、キーボードなし、マウスなしで税別143,000円となる。

 これだけ聞くとやや割高な印象を受けるが、ワークステーションとして位置づけられている本製品は「3年翌日オンサイト休日修理付き」と保証が手厚くなっている。

【表1】HP Z2 Mini G4 Workstationのスペック ※10月24日調べ
OSWindows 10 Pro for Workstations(64bit)
CPUXeonプロセッサE-2104G、2124G、2126G、2136、2144G、2174G、2176G
チップセットインテルC246チップセット
GPUIntel HD Graphics P630/NVIDIA Quadro P600、NVIDIA Quadro P1000
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GB(8GB×1)、16GB(16GB×1)、32GB(16GB×2)
ストレージ1TB HDD(SATA 6Gbps、7,200rpm)、256GB SSD(SATA 6Gbps)、256GB SSD(M.2 PCIe)、512GB SSD(M.2 PCIe)、1TB SSD(M.2 PCIe)、Intel 16GB Optane メモリー(M.2 PCIe)
通信Intel I219LM Gigabit Ethernet(オンボード、Alert On LAN対応)×1、Intel 9560 Wireless LAN(IEEE 802.11ac) + Bluetooth 5モジュール(内部M.2 2230スロットを使用) ×1
インターフェイスUSB 3.1 Type-C×2、USB 3.0 Type-A×4、Thunderbolt 3×1(フレックスIOオプション)、DisplayPort 1.2×3、HDMI×1(フレックスIOオプション)、RJ-45×1、シリアルポート×1(オプション)、ヘッドセット/マイクコンボジャック×1
拡張ベイ2.5インチシャドー×1、80mm M.2スロット(PCI Express 3.0 x4)×1
拡張スロットPCI Express 3.0 x16×1(MXMスロット)
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)216×216×58mm
重量2.18kg

 ダイレクトモデルは、「おすすめ構成モデル」、「おすすめ構成モデル(OSなし)」、「フルカスタマイズモデル」、「フルカスタマイズモデル(OSなし)」が用意されているが、CPU、メモリ、GPU、ストレージは同一で、全モデルともOSありは税別200,500円、なしのほうは171,500円で変わらない。

 異なるのはカスタマイズの自由度。フルカスタマイズモデルはOS、CPU、ストレージ、フレックスI/Oポート、シリアルポートで選択できる項目が多くなっている。ただしフルカスタマイズモデルは記事執筆時点で納期が5~6週間と長くなっている点に留意しよう。

【表2】HP Z2 Mini G4 Workstationダイレクトモデルのラインナップ ※10月24日調べ
HP Z2 Mini G4 Workstation おすすめ構成モデルHP Z2 Mini G4 Workstation おすすめ構成モデル(OSなし)HP Z2 Mini G4 Workstation フルカスタマイズモデルHP Z2 Mini G4 Workstation フルカスタマイズモデル(OSなし)
OSWindows 10 Pro for Workstations(64bit)FreeDOS(HP Linuxインストーラキットは付属しない)Windows 10 Pro for Workstations(64bit)FreeDOS(HP Linuxインストーラキットは付属しない)
CPUXeon プロセッサー E-2104G
メモリDDR4-2666 SDRAM 8GB(8GB×1)
GPUIntel HD Graphics P630/NVIDIA Quadro P600
ストレージ1TB HDD
保証本体標準保証(3年翌日オンサイト休日修理付き、日本語版向け)
価格200,500円171,500円200,500円171,500円

主要パーツのカスタマイズ項目(※印はフルカスタマイズモデルのみ)

OS

Windows 10 Pro for Workstations(64bit、日本語版) /標準
Windows 10 Pro for Workstations(64bit、英語版) /プラス0円
Windows 10 Pro for Workstations Plus(64bit、日本語版) /プラス16,000円※
Windows 10 Pro for Workstations Plus(64bit、英語版) /プラス16,000円※

CPU

・Xeon E-2104G(3.2GHz、4コア)/標準
・Xeon E-2124G(3.4GHz、4コア) /プラス15,000円
・Xeon E-2126G(3.3GHz、6コア) /プラス23,000円※
・Xeon E-2136(3.3GHz、6コア) /プラス30,000円※
・Xeon E-2144G(3.6GHz、4コア) /プラス30,000円
・Xeon E-2174G(3.8GHz、4コア) /プラス43,000円
・Xeon E-2176G(3.7GHz、6コア) /プラス50,000円※

メモリ

・DDR4-2666 SDRAM 8GB(8GB×1)/標準
・DDR4-2666 SDRAM 16GB(16GB×1)/プラス30,000円
・DDR4-2666 SDRAM 32GB(16GB×2)/プラス90,000円

M.2ストレージ

・なし/標準
・256GB SSD(M.2 PCIe)/プラス25,000円
・512GB SSD(M.2 PCIe)/プラス50,000円
・1TB SSD(M.2 PCIe)/プラス100,000円※

SATAストレージ

・なし/マイナス12,000円※※M.2ストレージを選択した場合のみ
・1TB HDD/標準
・256GB SSD/プラス13,000円

グラフィックス

・Intel HD Graphics P630/マイナス25,000円※
・NVIDIA Quadro P600 2GB+Intel HD Graphics P630/標準
・NVIDIA Quadro P1000 4GB+Intel HD Graphics P630/プラス25,000円

フレックスI/Oポート

・フレックスI/Oポートなし/標準
・HDMIポート/プラス3,000円※
・ThunderBolt3ポート/プラス3,000円※

四隅を落とした八角形筐体は独特なフォルム

 本製品のサイズは216×216×58mm(幅×奥行き×高さ)、重量は2.18kg。ディスクリートGPUを搭載するワークステーションとしては非常にコンパクトだ。従来モデル「HP Z2 Mini G3 Workstation」と外観は変わらないが、四隅を落とした八角形筐体は独特なフォルムで、クリエイターのデスクにふさわしいデザインに仕上がっている。

 縦置き、横置きのどちらにも対応するが、別売りの「スリーブキット」を用意すれば机の下に、「マウントブラケット」を用意すればディスプレイの裏に取りつけられる。HP製ディスプレイ向けには、「ダイレクトマウントブラケット(2DW53AA)」、「HP B500 モニターマウントキット(2DW52AA)」、「EliteDisplay用ダイレクトマウントブラケット(N6N00AA)」の3製品がアクセサリとして用意されている。

 標準搭載されるインターフェイスは、USB 3.1 Type-C×2、USB 3.0 Type-A×4、DisplayPort 1.2×3、RJ-45×1、ヘッドセット/マイクコンボジャック×1。またフルカスタマイズモデルの場合は、Thunderbolt 3×1(フレックスIOオプション)、HDMI×1(フレックスIOオプション)、シリアルポート×1(オプション)も搭載できる。ただし「フレックスIOオプション」として装着できる端子は1つだけだ。

 システムBIOSは自社開発されており、貸出機には「Q50 VER.01.00.04 05/31/2018」がインストールされていた。BIOSのカテゴリは「Main」、「Security」、「Advanced」、「UEFI Drivers」と分けられており、コンシューマ向けのBIOSと構成が異なるが、日本語を含む14言語に対応しているので、基本的な設定項目はすぐに見つけられるはずだ。

 OSは前述のとおり「Windows 10 Pro for Workstations」がプリインストールされている。これは大型アップデート「Fall Creators Update」で追加されたワークステーション向けのエディションだが、コンシューマ向けのWindows 10用アプリケーションも動作する。「Windows 10 Pro for Workstations」の詳細については過去記事(4基の物理CPUやNVDIMMに対応する「Windows 10 Pro for Workstationsが今秋登場)を参照してほしい。

本体天面。天板は後述の方法で工具なしに開けられる
本体底面。シリアル番号や認証情報はすべて底面に記載されている
本体前面。右にあるのが電源ボタン。そのなかには電源ランプも内蔵されている
本体背面。左上からアクセスランプ、電源端子、ケンジントンケールロック用スロット、DisplayPort 1.2×3、アクセスパネルのリリースラッチ、USB 3.1 Type-C、シリアルポート、RJ-45、USB 3.0×2が配置。シリアルポートはオプションで、その下にあるのがフレックスIOオプションを増設するためのスペース。リリースラッチを右にスライドさせるとアクセスパネル(天板)が開かれる
本体右側面にはシールが貼られてるだけ
本体左側面にはUSB 3.0×2、USB 3.1 Type-C、ヘッドセット/マイクコンボジャックを用意。アクセスしやすい左側面の端子はひんぱんに抜き差しする周辺機器のために設けられている
BIOSの「メイン」画面
BIOSの「セキュリティ」画面
BIOSの「詳細設定」画面
BIOSの「UEFIドライバー」画面
初回起動時のシステム情報。Windows Updateを実行するとバージョンは1803、OSビルドは17134.345が適用された
主要なデバイス
初回起動時のCドライブの空き容量は199.98GB、Dドライブの空き容量は931.18GB

密集しているがメンテナンス性は良好、メモリ換装なら工具不要

 「HP Z2 Mini G4 Workstation」はアクセスパネル(天板)を工具なしに開けられ、また「プロセッサファン」を持ち上げればメモリにすぐアクセスできる。ここまではいっさい工具は不要だ。カスタマイズ時に上限の32GBを搭載すると税別90,000円とかなり割高なので、最低容量の8GBを購入しておいて、あとから自分で増設してもよいだろう。ちなみに貸出機にはSK Hynix製「HMA82GS7CJR8N-VK」が2枚装着されていた。

 SATAストレージのドライブケージは中央のネジで取り外せ、その後側面のネジを抜けば、ストレージを取り外せる。ドライブケージの下にはビデオカード用ヒートシンク/ファンがあり、M.2ストレージはさらにその下にある。なお貸出機にはM.2ストレージとしてNVMe接続の256GB SSD「MZVLW256HEHP」が、SATAストレージとして1TB HDD「HTS721010A9E630」が搭載されていた。

 以上、搭載されていたパーツは2018年10月時点の貸出機のもの。出荷時期によって部品が異なる可能性がある点には注意してほしい。

 コンパクトなワークステーションだけにパーツ自体は入り組んでいるが、メモリ、ストレージの換装は比較的容易。また今回はメーカーから許可を得ていないので試していないが、CPUも交換できる構造となっているようだ。

背面(上側)のリリースラッチをスライドさせると、アクセスパネル(天板)が跳ね上がり、簡単に取り外せる。工具は必要ない
SATAストレージのドライブケージは中央のマイナスネジで取り外せる。プロセッサファンは固定されておらず、前面側(下側)を持ち上げれば、メモリソケットにアクセスできる

キーボード、マウスの操作感は良好だが……

 ダイレクトモデルには、本体以外にACアダプタ、電源コード、「USBスリムスタンダードキーボード(日本語版109Aキーボード)」、「USBプレミアムレーザースクロールマウス」が付属している。キーボード、マウスともに操作感は良好だが、比較的高価格帯の「HP Z2 Mini G4 Workstation」と質感は決して釣り合っていない。

 カスタマイズ時に省略すればキーボードは1,500円、マウスは2,000円割り引かれるので、特段の理由がないかぎりは納得のいく品質の使い慣れた入力デバイスを選んだほうがよいと思う。

 Xeon EプロセッサとQuadroを動かすだけにACアダプタは230Wと大容量で、サイズは200×100×25.4mm(同)、重量は約820g(電源コード含まず)と大きく、そして重い。ACアダプタと本体をつなぐケーブルは実測約180cmと長めなので、床に直置きするとよいだろう。

製品パッケージ
本体以外にACアダプタ、電源コード、「USBスリムスタンダードキーボード(日本語版109Aキーボード)」、「USBプレミアムレーザースクロールマウス」が付属
ACアダプタのサイズは200×100×25.4mm、重量は約820g
ACアダプタの仕様は入力100-240V~3.5A、出力19.5V/11.8A、容量230W
標準で付属する「USBスリムスタンダードキーボード(日本語版109Aキーボード)」。剛性感は高いが、打鍵感はやや柔らかめ
写真のマウスは実物とは異なるが、標準で「USBプレミアムレーザースクロールマウス」が付属している
PC本体の実測重量は約2,185g
ACアダプタと電源コードの合計重量は実測961.5g。ちょっとしたノートPC並みだ
縦置き時は右側面を下にして設置する。58mmと薄型設計なのでやや不安定に感じる。筆者が本製品を縦置きで常用するならブックスタンドなどで支える
フットプリントは216×216mmとコンパクトなので、地震などで倒れないようにできれば横置きしたい。なお縦置き、横置きどちらの場合でも、前面と背面に15cm以上の空間を確保するようにとユーザーガイドに記載されている
21型ディスプレイと組み合わせた場合にはこのようなサイズ感となる。ディスプレイ台の下に入れるとスマートに設置できそうだ
DisplayPortのないディスプレイと接続する場合には、HDMI – DisplayPort変換アダプタが必要となる

絶対的な性能は決して高くない

 最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark v2.5.5029」、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」、ゲーミングPC向けベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.1」を実施した。

 下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表3】検証機の仕様
CPUXeon E-2124G(3.4~4.5GHz、4コア4スレッド)
GPUIntel UHD Graphics P630(350MHz~1.15GHz)、NVIDIA Quadro P600
メモリDDR4-2666 SDRAM 32GB(16GB×2)
ストレージ256GB SSD「MZVLW256HEHP」(PCIe NVMe M.2)、1TB HDD「HTS721010A9E630」(SATA 6Gbps、7,200rpm)
OSWindows 10 Pro for Workstations
【表4】ベンチマーク結果
PCMark 10 v1.1.1739
PCMark 10 Score4,446
Essentials7,841
App Start-up Score9,607
Video Conferencing Score5,721
Web Browsing Score8,772
Productivity6,950
Spreadsheets Score7,346
Writing Score6,576
Digital Content Creation4,378
Photo Editing Score4,242
Rendering and Visualization Score4,037
Video Editting Score4,903
3DMark v2.5.5029
Time Spy665
Fire Strike Ultra990
Fire Strike Extreme1,932
Fire Strike3,791
Sky Diver12,332
Night Raid8,204
Cloud Gate16,260
Ice Storm Extreme111,574
Ice Storm142,193
CINEBENCH R15.0
OpenGL142.78 fps
CPU674 cb
CPU(Single Core)193 cb
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット6,307
1,920×1,080ドット3,300
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン1,761(動作困難)
SSDをCrystalDiskMark 6.0.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード3,411.541 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1,220.817 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード1,061.174 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト732.250 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード396.220 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト310.955 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード41.549 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト121.650 MB/s
HDDをCrystalDiskMark 6.0.1で計測
Q32T1 シーケンシャルリード143.793 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト124.976 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード0.994 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト1.074 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード1.043 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト0.710 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード0.500 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト0.596 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラー - 自然5分29秒16
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps11分25秒36

 率直に言って、Core系CPUやGeForce系GPUを搭載しているデスクトップPCと比較するとベンチマークスコアは決して高くない。今回の借用機はXeon E-2124G/32GBメモリ/256GB SSD/1TB HDD/Quadro P600/AC 9560+Bluetooth 5.0/シリアルポートアダプタという構成で税別368,820円だ。価格を考えると処理能力的には満足度が低い。

 ただし、3.7GHz/6コアのXeon E-2176Gにアップグレードしてもプラス50,000円、Quadro P1000にアップグレードしてもプラス25,000円だ。実際にはさらに6コア以上のXeonを搭載するために「Windows 10 Pro for Workstations Plus」(プラス16,000円)を選ぶ必要があるが、それを含めても合計プラス91,000円で処理能力的には最高スペックとなる。ワークステーションの安定性に加えて、さらなる性能が必要なのであれば、CPU、GPUは最上位を選択するべきだ。

「CINEBENCH R15.0」の「CPU」を5回連続で実行後にサーモグラフィーカメラ「FLIR ONE」で表面温度も計測してみた。下が前面だ。「HP Z2 Mini G4 Workstation」は前面から給気して、背面から排気する冷却構造を採用しているので、発熱は背面側に集中している
これは背面から撮影した写真。プロセッサが配置されている、向かって左側のほうが発熱量は高かった
ACアダプタの表面温度は38.7℃と低め。ホコリやケーブルの取り回しには注意するべきだが、設置場所はそれほど神経質にならなくてもよさそうだ
同じく、「CINEBENCH R15.0」の「CPU」を5回連続で実行後に簡易騒音計で動作音を計測してみた。一時的に40dBAを超えることはあったが、平均すると36dBA前後で推移していた

性能以上に安定性を重視するユーザー向きのワークステーション

 HPはより高性能を必要とするユーザー向けには最大10コアのXeonプロセッサ、256GBのメモリ、外部グラフィックス「NVIDIA Quadro P6000」を搭載可能なタワー型ワークステーション「HP Z4 G4 Workstation」をラインナップしている。つまり「HP Z2 Mini G4 Workstation」は性能よりも省スペース性を優先するユーザー向けのワークステーションという位置づけなのだ。

 ハイエンドゲームには不向きとは言え、軸足はコンシューマユーザーの筆者にも「HP Z2 Mini G4 Workstation」のパッケージングは非常に魅力的。この筐体にCore系プロセッサ、GeForce系グラフィックスを搭載したコンシューマ向け製品の登場にもおおいに期待したい。