Hothotレビュー

Steam VRに対応しコンテンツが大幅増加! セットアップが容易なVRデバイス「Dell Visor with Controllers」

デル「Dell Visor with Controllers」直販価格63,180円

 デル株式会社は12月9日、Windows Mixed Realityに対応した「Dell Visor with Controllers」を発売した。

 Windows Mixed Realityヘッドセットは、これまでにAcer、HP、富士通から発売されており、国内向けに販売される4番目の製品となる。直販価格は63,180円と高めだが、Amazonでは5万円を切る48,595円で販売されており(12月7日時点)、安価に入手できるPC向けVRヘッドセットとして注目を集めている。

 今回デルより、Dell Visorと、Windows Mixed Reality対応ノートPCとしてセットで販売されている「New Inspiron 15 7000 ゲーミングノート」を借用した。そこで本製品の詳細スペック、使い勝手などについてレビューしよう。

 なお、マイクロソフトは11月15日に「Windows Mixed Reality for SteamVR」をリリースし、Windows Mixed Realityヘッドセットで、Staemで配信されているVRコンテンツがプレイ可能になっているため、「Oculus Rift」や「HTC Vive」とのVR体験の違いについてもお伝えしたい。

Windows Mixed Realityとはなにか?

 Windows Mixed Realityは、Microsoftが開発したMixed Reality(複合現実)のプラットフォーム。AR(拡張現実)とVR(仮想現実)をカバーするプラットフォームで、ARデバイスとしては「Microsoft HoloLens」が開発者向け・企業向けに販売されており、「Windows Mixed Reality ヘッドセット」とした場合には、VRデバイスを指している。

Windows Dev Centerより転載。ここでは「Microsoft HoloLens」をホログラフィックデバイス、Windows Mixed Reality ヘッドセットを没入型デバイスと表現している

 前述のとおり、現在Windows Mixed Realityヘッドセットは、日本エイサー、HP、デル、富士通が発売しており、またレノボが日本市場参入を表明しているが、機能的なスペックは変わらない。とくにコントローラは、ロゴが違うだけでまったく同じものだ。

 ただし、ヘッドセットのデザイン、着け心地、ヘッドバンドの調整機構、オーディオケーブルの取り回しなど、細かな個所は異なっている。またSamsungは、有機ELディスプレイを採用し、ステレオヘッドフォンが一体化した「HMD Odyssey」を海外で販売しているが、現時点で日本に投入される予定はアナウンスされていない。

日本エイサー/HP/デル/富士通/レノボのWindows Mixed Realityヘッドセットの普通仕様
解像度2,880×1,440ドット
ディスプレイ液晶
リフレッシュレート最大90Hz
認識範囲最大105度
オーディオ端子3.5mmオーディオジャック
コントローラモーションコントローラ
Samsungが海外で販売している「HMD Odyssey - Windows Mixed Reality Headset」。米国での標準価格は499.99ドル

 マイクロソフトは、Windows Mixed Realityヘッドセットを動作させるPCとして、「Windows Mixed Reality」と「Windows Mixed Reality Ultra」の2つのガイドラインを規定している。

 PCの性能に合わせて負荷が調整されており、Windows Mixed Realityでは、リフレッシュレート60Hz/視野角90度、Windows Mixed Reality Ultraでは、リフレッシュレート90Hz/視野角100度で動作する。

 CPU内蔵GPUでも動作できるWindows Mixed Realityヘッドセットは、外部グラフィックスを必須とするOculus RiftやHTC Viveより、導入のハードルは低い。

Windows Mixed Reality PC ハードウェア ガイドライン
規格Windows Mixed RealityWindows Mixed Reality Ultra
OSWindows 10 Fall Creators Update
プロセッサCore i5-7200U、Intelハイパースレッディングテクノロジ対応のデュアルコアプロセッサ以上Core i5-4590、クアッドコアプロセッサ以上、AMD Ryzen 5 1400 3.4GHz、クアッドコアプロセッサ以上
RAM8GB DDR3 デュアルチャネル以上8GB DDR3以上
ストレージ領域10GB
ビデオカード統合型Intel HD Graphics 620以上のDirectX 12に対応した統合型GPU、GeForce MX150、GeForce 965M
※以前のIntel iGPU(HD Graphics 4xx/5xx/2xxx/3xxx/4xxx/5xxx/6xxx)はサポートされていない
GeForce GTX 960/1050以上のDirectX 12に対応したGPU、Radeon RX 460/560以上のDirectX 12に対応したGPU
グラフィックドライバWindows Display Driver Model (WDDM) 2.2
グラフィックスディスプレイポートHDMI 1.4またはDisplayPort 1.2HDMI 2.0またはDisplayPort 1.2
ディスプレイ外部または統合型VGA(800×600ドット)ディスプレイ
USBの種類USB 3.0 Type-AまたはType-C
Bluetoothの種類(コントローラ用)Bluetooth 4.0

仮想世界と現実世界を素早く行き来できる跳ね上げ式バイザーが便利!

 共通スペックは前に記載したが、改めてDell Visorの詳細スペックをお伝えしよう。Dell Visorの本体サイズは170.5×270×130.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は0.59kg。

 そのほかのメーカーのヘッドセットは暗い色を基調にしたカラーリングだが、Dell Visorのみホワイトカラーが採用されており、異彩を放っている。

 ディスプレイは2.89インチのLCD(RGBサブピクセル)が採用されており、解像度は2,880×1,440ドット(1,440×1,440ドット×2、706ppi)。視野角は110度、リフレッシュレートは90Hzとされている。

 レンズ調整機能はソフトウェアIPD(瞳孔間距離)方式を採用。「設定→Mixed Reality→ヘッドセット ディスプレイ→調整」と設定メニューの深い階層で変更しなければならず、つまみでいつでも調整可能なOculus RiftやHTC Viveに比べて不便だ。

 PCとはHDMIケーブルとUSB 3.0ケーブルで接続する。本体前面には位置情報を取得するためのマッピング用デュアルB+W VGAカメラが搭載されており、またジャイロスコープ、加速度センサー、磁気計も内蔵されている。

 外部にセンサーを設置するアウトサイドイン方式ではなく、2つのカメラで外界を捉えるインサイドアウト方式を採用しているため、セットアップは容易だ。

 Dell Visorの装着感は良好。額、後頭部に当たるクッションは適度な硬さで、頭周りが62cmと大きな筆者でもぎりぎり被れる。ヘッドバンドは後頭部側のサムホイールで調整可能なので、脱着も容易だ。

 便利な装備が「跳ね上げ式バイザー」で、VRコンテンツ体験中にスマートフォンにメールが届いても、ゴーグル部分を90度跳ね上げて、素早く確認できる。ゴーグルをズラさなければならないOculus RiftやHTC Viveより、断然スムーズだ。

 個人差を感じたのがノーズパッド。Dell Visorは、鼻が当たる部分に、切れ込みの入ったゴム製フラップが装備されている。筆者にはピッタリとフィットしたが、顔が2回り小さい家人が試した際には、光が入って気が散ると不満を漏らしていた。鼻の高さだけでなく、顔の大きさなど、さまざまな条件によりフィット感が変化するようだ。

 もし、筆者の家人と同様に外光が気になった際は、ティッシュペーパーなどを挟むか、スポンジなどを両面テープで貼り付けるなどの対策が必要だ。

 モーションコントローラはBluetooth 4.0対応。サイズは152.7×119×119mm(同)、重量は0.34kg。電源は単3電池を左右合わせて4本使用する。

 後発だけに、洗練されたボタン構成になっており、サムスティック、タッチパッド、トリガーボタン、グラブボタン、Windowsボタン、メニューボタンと多くのボタンがあるが、どれも操作しやすい位置に配置されている。数時間使えば位置関係、操作方法をマスターできるはずだ。

クッション以外は白一色のボディ。前面は光沢、それ以外は非光沢加工が施されており、質感が高い。前面左右にあるのはマッピング用デュアルB+W VGAカメラ
PCと接続するケーブルは、ヘッドバンド左側を沿って背面に回されている
跳ね上げ式バイザーが採用されており、ゴーグル部分を90度上方で固定できる
クッションの厚みは1cm強。滑り止め加工が施されており、頭にしっかりとフィットして、激しい動きでもズレることはない
ノーズパッドは、切れ込みの入ったゴム製フラップ。筆者にはピッタリとフィットしたが、家人からは外光洩れが指摘された
サムホイールは回転させた位置で無段階に固定される。クリック感はない
左からHDMIケーブル、USB3.0ケーブル、3.5mmオーディオジャック。3.5mmジャックはマイク付きイヤフォン、ヘッドフォンに対応している
レンズはフレネルレンズを採用。IPD(瞳孔間距離)は設定メニューから変更する
ケーブル込みのヘッドセットの実測重量は約760g
ヘッドセットのみの実測重量は約591g
筆者の頭周りは62cmとかなり大きめ(バイクのヘルメットサイズは64cm)だが、ぎりぎり装着できた
モーションコントローラはBluetooth 4.0対応。サムスティックは内側に配置されている
これは右手用のモーションコントローラ。丸いガイドの外側の点は白色LED。Windowsボタン長押しで電源を投入すると、白く点灯する
表面にはサムスティック、メニューボタン、タッチパッド、Windowsボタンが配置されている
裏面にはトリガーボタン、グラブボタンが用意されている
コントローラ1本につき単3電池2本を使用。電池カバーを開けるとペアリングボタンが現われる
筆者の手の長さは約20cmと大きめだ。それでちょうど良いサイズなので、手の小さな方はサムスティックに指が届きづらいかもしれない
コントローラの実測重量は電池込みで約182g

Windows Mixed Reality対応ノートPC「New Inspiron 15 7000 ゲーミングノート」

 セットアップ方法を解説する前に、今回デルから借用したWindows Mixed Reality対応ノートPC「New Inspiron 15 7000 ゲーミングノート」(以下Inspiron)についても触れておこう。

 Inspiron 15 7000は、第7世代のCoreプロセッサと外部グラフィックスを搭載したゲーミングノートPC。

 Core i7-7700HQ/8GBメモリ/128GB SSD+1TB HDD/GTX 1050 Ti搭載モデル(144,980円)、Core i5-7300HQ/8GBメモリ/256GB SSD/GTX1060搭載モデル(164,980円)、Core i7-7700HQ/16GBメモリ/256GB SSD+1TB HDD/GTX1060搭載モデル(209,980円)の3モデルがラインアップされており、それぞれにDell Visorを同梱したセットが用意されている。

 今回デルから届いた貸し出し機は、Core i7-7700HQ/8GBメモリ/256GB SSD/GTX 1050 Tiというラインナップに存在しない構成だったが、性能的にはローエンドの「New Inspiron 15 7000 ゲーミングプラチナ・GTX 1050 Ti搭載」に相当するはずだ。定番ベンチマーク「3DMark v2.4.3819」、「CINEBENCH R15」のスコアを計測したので、性能の参考にしていただきたい。

New Inspiron 15 7000 ゲーミングノートのラインナップ
製品名New Inspiron 15 7000 ゲーミングプラチナ・GTX 1050 Ti搭載New Inspiron 15 7000 ゲーミングプレミアム・GTX 1060搭載 VRNew Inspiron 15 7000 ゲーミングプラチナ・GTX 1060搭載 VRNew Inspiron 15 7000 ゲーミングプラチナ・GTX 1050 Ti搭載・Dell Visor付きNew Inspiron 15 7000 ゲーミングプレミアム・GTX 1060 搭載 VR・Dell Visor付きNew Inspiron 15 7000 ゲーミングプラチナ・GTX 1060搭載 VR・Dell Visor付き
CPUCore i7-7700HQCore i5-7300HQCore i7-7700HQCore i5-7300HQCore i7-7700HQ
メモリ8GB16GB8GB16GB
ストレージ128GB SSD+1TB HDD256GB SSD256GB SSD+1TB HDD128GB SSD+1TB HDD256GB SSD256GB SSD+1TB HDD
GPUGTX 1050 TiGTX 1060GTX 1050 TiGTX 1060
Dell Visorなしあり
標準価格144,980円164,980円209,980円203,480円223,480円268,480円
割引価格5,000円15,000円10,000円15,500円25,500円20,500円
販売価格(税抜、配送料込み)139,980円149,980円199,980円187,980円197,980円247,980円
キャンペーン価格118,983円127,483円169,983円168,558円177,058円219,558円

※キャンペーン価格は記事執筆時(2017年12月8日)

ベンチマーク結果
3DMark v2.4.3819
Time Spy2,491
Fire Strike6,850
CINEBENCH R15
OpenGL97.00 fps
CPU707 cb
CPU(Single Core)158 cb
デル「New Inspiron 15 7000 ゲーミングノート」直販価格144,980円~
本体右側面に、ヘッドフォン/マイク端子、USB 3.0 Type-A×2、USB 3.1 Type-C×1、HDMI端子が用意されている。Dell Visorのケーブルは右側面に接続することになる

インサイドアウト方式のDell Visorはセットアップが簡単

 Dell Visorのセットアップはじつにカンタンだ。

 ヘッドセットから伸びるHDMIケーブルとUSBケーブルをPCに接続すれば、自動的にセットアップがスタート。あとは画面の指示に従い、モーションコントローラをペアリングし、ルームスケールの境界を設定すれば、セットアップは完了だ。

 インサイドアウト方式のDell Visorは、外部センサーを必要としないので、ケーブルを這わせたり、外部センサー用の電源を確保する手間はかからない。Oculus Rift、HTC Viveのセットアップを経験している人ほど、あっけなく感じる。

 前後、上下、左右の6自由度(6DoF)で動き回れるDell Visorは、1.5×2mのスペースを確保する必要があるが、多少はズルしても構わない。

 たとえば、筆者の部屋は壁沿いに低い本棚やテーブルが置かれているが、境界はその上の壁の位置で設定して、なんら問題なかった。壁に近づいても、先にコントローラが当たるので、足元は十分に余裕がある。もしスペースを確保できない場合は、壊れやすいものを片付けたうえで、自己責任で試していただきたい。

Dell Visorから伸びるHDMIケーブルとUSBケーブルを、「Windows 10 Fall Creators Update」を適用したPCに接続すれば、セットアップが自動的にスタートする
セットアップ開始時に、Windows Mixed Realityヘッドセットが動作可能かシステムチェックが実施される。購入前にチェックしたい場合には、Microsoft Storeから「Windows Mixed Reality PC Check」を入手して、互換性をチェックしよう
最初に行なうのはコントローラのペアリング。Windowsボタン長押しで電源を入れたあと、電池カバーを開けてペアリングボタンを長押しすると、PCとのBluetooth接続が実行される
つぎに、ルームスケールでVRコンテンツを楽しむために、部屋の境界線を設定する。最低必要なのは、1.5×2mのスペース。ヘッドセットをPCに向けたまま、部屋の外周に沿って歩くと「境界」が作成される
最後に設定するのが音声認識機能。キーボード音声入力、コルタナ、音声コマンドを使用する際には「はい」を選択する
これでWindows Mixed Realityヘッドセットのセットアップはすべて完了
ヘッドセットを初めて装着した際には、チュートリアルが始まる。ここではコントローラの使い方と、境界の役割が解説される。縦の白い線が境界だ
これは「Mixed Realityポータル」と呼ばれるVR空間内の家。壁には「ホログラム」、「Microsoft Edge」、「Skype」、「Microsoft Store」、「フォト」、「Grooveミュージック」、「映画&テレビ」などのアプリケーションがあらかじめ貼られている

Steam VR対応によりVRコンテンツが大幅に増加!

 Windows Mixed Realityヘッドセットでは、VRコンテンツを入手するのに2つの方法がある。1つはMicrosoft Store、もう1つはSteamを利用する方法だ。

 手間がかからないのは、間違いなくMicrosoft Store。Microsoft StoreはWindowsにプリインストールされているので、ほかの一般的なアプリケーションと同様に、アプリをインストールすれば、VR空間内のスタートメニューに登録され、そこからすぐにVRコンテンツを楽しめる。

 ただし、数は充実しているとは言えない。12月8日時点で「Windows Mixed Reality」で検索した際に表示される「対応アプリとゲームはこちら」に登録されているのは、61本のみ。ほかのVRプラットフォームと比べると、かなり寂しいと言わざるを得ない状況だ。

Microsoft StoreのWindows Mixed Reality特設ページには、厳選された18本のVRコンテンツが並んでいる
「Windows Mixed Reality」で検索した際に先頭に表示される「対応アプリとゲームはこちら」をクリックすると61本のVRコンテンツがリストアップされた(12月8日時点)

 しかし、前述の通り、マイクロソフトは11月15日に「Windows Mixed Reality for SteamVR」を早期アクセス版としてリリースした。これにより、Windows Mixed Realityヘッドセットで、Staemから配信されているVRコンテンツがプレイ可能になった。

 SteamでWindows Mixed Reality対応が謳われているVRコンテンツは、12月8日時点で115本に留まっているが、Oculus Rift、HTC Viveに対応したほかのコンテンツの多くが、Windows Mixed Realityヘッドセットで動作する。

 マイクロソフトは、Steam VRライブラリの2,000タイトル以上が動作すると掲載している。

まずは「Steam」をインストール
つぎにSteamから「Steam VR」をインストール。すでにWindows Mixed Realityヘッドセットを接続している場合は、自動的にSteam VRのインストールが促される
最後にSteamから「Windows Mixed Reality for SteamVR」をインストールする。必要なディスク領域は1MB。一瞬でインストールが完了する
ヘッドセットをPCに接続して、Mixed Realityポータルを起動する。この時点では、ヘッドセットはまだ被らない
SteamからプレイしたいVRコンテンツをインストールする。Windows Mixed Realityヘッドセットに対応しているVRコンテンツにはタグが付与されているが、非対応コンテンツでもインストール、起動は可能。ちなみにこの「TITAN SLAYER」はWindows Mixed Realityヘッドセットのタグはないが、プレイ可能だ
Microsoft Storeから入手したVRコンテンツは、Mixed Realityポータルから起動するが、Steamから入手したVRコンテンツは、デスクトップ上のSteamアプリから起動する
これは、飛来する光の球を音楽に合わせて両手のシールドで防ぐリズムゲーム「Audioshield」。球をシールドで連続に弾いた時の振動の感触が心地いい人気作だが、12月8日時点でモーションコントローラのバイブ機能は動作しない。爽快感が激減だ
SteamのVRコンテンツを「Windows Mixed Reality」で絞り込むと、115本のタイトルが表示される。ちなみにSteam全体のVRコンテンツは12月8日時点で1,725本。すべてがDell Visorで動くわけではないが、コンテンツ数はMicrosoft Storeとは比較にならない

 ただし、いくつか注意事項がある。まず「Windows Mixed Reality for SteamVR」のシステム要件が高いこと。Windows Mixed Realityヘッドセットは、外部グラフィックスがなくても動作するが、「Windows Mixed Reality for SteamVR」は、下記のとおりGeForce GTX 970以上の外部グラフィックスが必須だ。

Windows Mixed Reality for SteamVRのシステム要件
要件最低推奨
OSWindows 10 Fall Creators Update
プロセッサCore i5-4590、クアッドコアプロセッサ(またはそれ以上)、AMD Ryzen 5 1400 3.4GHz、クアッドコアプロセッサ(またはそれ以上)Core i7
RAM8GB
ストレージ領域10GB
ビデオカードGeForce GTX 970(またはそれ以上)GeForce GTX 1070(またはそれ以上)
DirectXVersion 11

 また、SteamのすべてのVRコンテンツが動作するわけではない。今回、Windows Mixed Reality対応が謳われていないVRコンテンツをいくつか体験してみたが、「Tilt Brush」と「TITAN SLAYER」は正常に動作したが、「Raw Data」は起動すらしなかった。

 さらに、Windows Mixed Reality対応が謳われている「The Lab」や「Audioshield」は、プレイは可能だが、コントローラのバイブ機能が作動しなかった。VRコンテンツで振動フィードバックがないと、没入感が激減してしまう。早期対応に期待したい。

Windows Mixed RealityヘッドセットのVR体験は?

 最後に、Dell VisorのVR体験の質について言及しておこう。

 筆者は、アウトサイドイン方式を採用するOculus RiftとHTC Viveを所有しているが、外部センサーのないインサイドアウト方式のDell Visorでも、体験にほとんど差はないと思う。動きはスムーズで、遅延やトラッキングの狂いに起因するVR酔いも、まったく感じなかった。

 唯一気になったのが、たまにモーションコントローラの位置情報が失われること。

 具体的には、モーションコントローラを下に向けてだらりと下げると、ヘッドセットのカメラの死角に入るためか、いきなり変な位置にワープしてしまう。少し持ち上げれば正しい位置に復帰するが、何らかの改善を期待したい。

 Oculus Riftが5万円で購入できる現在、価格的なアドバンテージはないが、セットアップが容易で、Steam VR対応により多くのコンテンツをプレイ可能になったDell Visorは、PC接続型VRデバイスとして魅力的な選択肢となった。

 だからこそ、一刻も早くSteam VRのコンテンツでモーションコントローラの振動機能を利用できるようにしてほしい。また、Microsoft StoreのVRコンテンツ拡充にも期待したいところだ。

外部センサーを必要としないDell VisorとゲーミングノートPCの組み合わせはセットアップの容易さが魅力。体験するVRコンテンツに合わせて、プレイする場所もすぐに変更できる