大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」
顔認識が可能になった富士通の「ふくまろ」。家族とより情緒的に接するAIへ
~FCCL齋藤社長インタビュー。コロナ禍の2020年度で目指すものとは
2020年4月27日 11:00
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)4月27日、FMVシリーズ向けのAIアシスタント「いつもアシスト ふくまろ」の機能強化を発表した。
新たに搭載した顔認識技術を活用することで、家族の顔と名前を覚え、ふくまろを「もう1人の家族」と位置づけた利用が可能になるという。FCCLの齋藤邦彰社長は、「ふくまろは、新生FCCLが目指した進化や成果を示すものになる」とする。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてリモートワークが拡大。同社のPCに対する需要が増加しているようだ。ふくまろを中心としたFCCLのAI戦略と、新型コロナウイルス環境下で突入した2020年度のPC事業戦略について聞いた。
これまでのふくまろ
FCCLの「ふくまろ」は、“暮らしと笑顔をアシストする新しい家族”をコンセプトに、AI技術を活用して開発されたFCCLオリジナルのAIアシスタントだ。
2018年に誕生したふくまろは、FCCLの個人向けPCに搭載されており、ふくまろに音声で話しかけるだけで、音楽や写真などのコンテンツをPCで再生したり、PCの内蔵カメラを活用して外出先のスマートフォンから室内を見守ることができる「お留守番機能」、IRコマンダーを通じた家電や照明の操作などができる「ふくまろリモコン」機能などを提供してきた。
その後も、タイマーや時報の機能を追加したほか、ふくまろとやりとりするだけで頼みごとを設定できる「お手伝いチケット」などの機能も追加している。
もともとふくまろは、スマートフォンが個人のデジタルデバイスの主役になったり、家庭内にAIスピーカーが広がるなか、家庭のなかで、もっとPCを利用してもらうにはどうするかをテーマに同社が開発したサービスだ。
50以上のキャラクター案から検討を重ね、そのなかから、愛らしいフォルムと癒し系のキャラクターを選定。難しい操作を簡単にするためのUIの工夫だけでなく、「音声ユーザーインターフェイス (Voice User Interface)」にも工夫を凝らし、できるだけ短い言葉で伝えるようにしたり、語尾には「~まろ」をつけたりして、ふくまろのキャラクター性を演出している。
ふくまろのキャラクターデザインには、7人のイラストレーターが参加。2,000人規模の顧客調査をして、ふくまろのキャラクターを完成させていったという。
「シニア層のユーザーが、孫をかわいがるように、毎日、ふくまろと話をしているといった使い方も見られている」(FCCL プロダクトマネジメント本部商品企画統括部チーフデザインプロデューサーの藤田博之氏)という。
現在は、ゲーム感覚で英単語が学べる「ふくまろレッスン」も提供し、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、家庭で過ごす時間が増えた子供の学習にも役立つ機能の1つとして提案しているところだ。
さらに、「アマゾンでマスクを調べて」といったように問いかけると、Amazon.co.jpのマスクの購入ページを表示するといった使い方もできる。「今後は、ネットショッピングでの購入の仕方がわからないというシニア層に使い方を教えたり、音声だけでネットで商品購入ができるように進化させたい」(FCCL コンシューマ事業本部コンシューマ事業部第三技術部の山岸大介シニアマネージャー)とする。
ふくまろに2つの新機能
今回、FCCLが発表した「ふくまろ」の機能強化は、大きく2つのポイントがある。1つは、顔認識への対応だ。
今回搭載した顔認識機能を利用することで、「ふくまろ」が家族の顔と名前を覚えることができる。
「これまでは、PCの特徴の1つである大きな画面を活かして、かわいい仕草をすることでコミュニケーションを図ることに力を注いできたが、今回は、もう1つのPCの特徴であるカメラ機能を利用して、家族ひとりひとりを認識して、家族それぞれに対して、ふくまろから働きかけができる新たなコミュニケーションを開始する。家族により愛着を持ってもらえることを目指す」(FCCL コンシューマ事業本部コンシューマ事業部の青山裕司事業部長)とする。
そして、「これまでにもカメラを使ったサービスとしては、お留守番機能があったが、今回のカメラ機能の活用は、ふくまろが、家族の一員になることを目指すための機能になる」とも語る。
家族の登録方法は簡単だ。PCに搭載されたカメラを使って、表示される白い線に沿って、顔をゆっくり動かして登録。ふくまろに呼んでもらいたい名前や誕生日を入力すればいい。
「ふくまろ」の案内に沿って、顔データと名前を登録すると、利用者を判別して、名前を呼び掛けてくれるようになる。
朝起きて、ふくまろに「おはよう」と呼びかけると、顔を認識して「〇〇さん、おはよ~、まろは火星に上陸する夢をみたまろ~」などと、挨拶をしてくれる。
家族のそれぞれを学習するふくまろ
もう1つの機能は、会話を通じて、ふくまろが家族ひとりひとりのことを、より理解する学習機能の進化だ。日常的なふくまろとの会話を通じて、家族の好きな食べ物や趣味などを記憶できる。
たとえば、ふくまろが利用者の好物を事前に理解していると、「私の好きな食べ物は?」と質問すると、「とんかつまろね」などと回答する。
「ユーザーアンケートでは、ふくまろの素性を知るための質問が数多く投げかけられていることがわかった。それをきっかけに会話のようなかたちで質問をすることで、利用者のことを自然と理解するようになる」(FCCLの山岸シニアマネージャー)という。
これも、顔認証機能との組み合わせによって個人を特定することで実現できるサービスだと言える。また、毎日続けて「ふくまろ」と会話することで親密度が上昇。それにあわせて、特別なメッセージや、アニメーションが現れるという。
同社では、特別なメッセージやアニメーションの具体的な内容や頻度などについては明らかにしていない。「どんなメッセージやアニメーションが現れるかは、ぜひ楽しみにしてほしい」(FCCLの青山事業部長)とする。
ふくまろの最新版は、バージョン2.6となり、Microsoftストアで提供する。利用できるのは、Windows 10 version 1709以降を搭載したFMVシリーズユーザーとなる。また、すでに利用中のユーザーは、アプリをアップデートすることで、最新機能を利用できる。
FMVシリーズのユーザーに限定して提供しているのは、顔認識機能をより効果的に利用できるようにするために、カメラのチューニングなどを行なっているからだと説明している。将来的には、市場ニーズやユーザーからの反応を見て、他社のPCに展開していくことも検討していく可能性がある。
FMVまなびナビを期間限定で無料化
さらに、同社では、ふくまろの新機能の発表とともに、オンライン学習サービス「FMVまなびナビ」の一部サービスを、2020年5月および6月分の利用料金を無料とするキャンペーンを実施することも発表した。
「FMVまなびナビ」は、学校教科、英会話、プログラミング、タイピングなどをオンラインで学べる学習サービスだ。たとえば、月額300円で提供していたタイピングコースの場合は、「ふくまろ」がタイピング学習を基礎からアシストし、達成度をグラフで確認したり、全国の参加者とランキングを競ったりすることで、PCの利用に必要なタイピングスキルを、楽しみながら身につけることができる。
「昨今の自宅学習の高まりを受け、FMVまなびナビのなかから、タイピングコース、学校教科・デキタスコース、プログラミング・マイクラッチコースの3つのコースを対象に、期間を限定して無料で提供することにした」(FCCLの青山事業部長)という。
申し込み対象期間は、4月27日午前11時から5月31日午後11時59分まで。
ふくまろのパーソナライズ化
「ふくまろ」の今回の進化は、サービスの「パーソナライズ化」という意味で、新たな一歩を踏み出したものになると言えよう。
FCCLの山岸シニアマネージャーは、「これまでのふくまろは、PCの利用をサポートしたり、新たな機能を簡単に使えるようにしたりといった『機能的価値』においての役割が中心となっていた。だが、ふくまろを利用しているユーザーからは、キャラクター性に対する評価が高く、日常生活やパソコン利用をサポートする機能に加えて、ほかのAIスピーカーにはない愛着や、癒しがあるという声が出ていた。ここに注目し、『情緒的価値』からの訴求ができると考えた」とする。
それが、今回の顔認証技術を活用した「パーソナライズ化」ということになる。
「PCには、ローカルに高性能なCPUがあったり、大きな画面があったりといった特徴がある。これを活用して、AIスピーカーにはない新たな価値を提供したり、家族のことを理解して、使えば使うほど成長させるといったことができるようにした。ふくまろを成長させたい、かわいがりたいという情緒的価値を提供できる」(FCCLの山岸シニアマネージャー)とする。
そして、今回の新機能の提供とともに、「もう1人の家族」というメッセージを強調しはじめたように、ふくまろを「家族」に位置づけようとする取り組みも見逃せない。
「家族になるとはどういうことなのか、ということを社内で議論した結果、最初のステップは、まずは家族の名前で呼ぶことだと考えた。顔や好みを憶えて、名前を呼んで会話ができるようにした。今後は、声を聞き分けるといったことにもつなげたい」とする。
今回の機能進化によって、家族に特化した話題が増えることになると予測する。
たとえば、家族を見分けながら、「来週は、ママさんの誕生日まろよ」と教えてくれたり、好きな芸能人のTV番組が放送されることや、趣味に関する情報を、ふくまろが教えてくれたりといった具合だ。
「次のステップとして、音声や表情を読み取って、それにあわせた反応をするようにしたい」(FCCLの山岸シニアマネージャー)といった進化も想定している。
「ふくまろが目指す当面のゴールは、もう1人の家族になること。機能的価値の向上と、情緒的価値の両方を高めることで、家族の1人として認められる存在になりたい」と語る。
今回の「パーソナライズ化」はそれに向けた大きな一歩となる。
AIで強化されクライアントPCから飛び出すふくまろ
FCCLは、2021年2月に、レノボ傘下となった新生FCCLをスタートしてから、1,000日目を迎える。FCCLの齋藤邦彰社長は、これを「Day1000」と呼び、「新生FCCLの成果を見せる時期」と位置づけている。
そして、齋藤社長は、「ふくまろを、Day1000におけるFCCLの進化や成果の1つにしたい」と語る
「機能的価値と表現している『役に立つ』という使い方は、これまでのPCの機能を受け継ぐものになる。だが、かわいいという要素が入ると、PCの機能の延長線上とは違う要素が含まれるようになる。PCがふくまろというサービスに代わるだけでなく、ふくまろにしかできない感情という要素を取り込むことができる。これは大きな進化である」とする。
さらに、ふくまろは、さらに大きな進化を遂げる構想があることを、齋藤社長は、今回、はじめて明かしてくれた。それは、個人向けPC向けのサービスという点にとどまらないという考え方だ。
たとえば、ふくまろで培ったノウハウを蓄積し、エッジAIコンピュータのInfini-Brainで利用したり、法人向けPCを利用しているさいに、在宅勤務のさいにはどんな使い方が便利なのかといったノウハウを教えてくれたり、あるいはデジタルサイネージといったPCとは異なる用途においても、そのノウハウが活用することを想定している。
これをFCCLの齋藤社長は、ユニークな比喩で表現する。
「2018年からサービスを開始したふくまろは、まだ3歳児ぐらいのサポート能力しかないかもしれない。しかし、これから学習を積み重ねると、理系の大学生に育つかもしれない。理系の大学生になったふくまろは、エッジAIコンピュータのInfini-Brainを使って、自由にプログラミングをして、新たなサービスを生み出すことができるだろう。
あるいは、ネクタイをしたふくまろは、社会人としての知識を身に着けて、働き方改革を支援したり、リモートワークをしっかりとサポートしてくれる存在になる。さまざまな場面で、いつも人のそばにいて、サポートしてくれる役割を果たすことになる」。
現時点では、ふくまろが、FMVシリーズを購入するきっかけになっているとは言いにくい。だが、個人向けPCでの利用の進化に加えて、人の生活をあらゆるかたちでサポートする存在に進化を遂げることで、FMVシリーズにとって、ふくまろは、なくてはならない存在になり、FMVシリーズを購入する理由の1つになってくるはずだ。
また、その延長線上として、他社のPC上でも動いたり、サービスとして独立したりといったことにもつながる可能性も生まれる。
大学生や社会人になったふくまろのキャラクターのイメージは、いまのふくまろとは異なるかもしれないが、それも進化の姿の1つだろう。
こうしてみると、「ふくまろ」は、単にPCを利用するためのアシスタントという役割を担うために開発されたものではなく、FCCLがAIを活用して、「人と寄り添う」という同社のビジョンを実現するための役割を担っていることがわかる。
FCCLは、2018年5月の「Day1」にあわせて配布したニュースリリースのなかで、「製品の開発においては、Made in Japanを念頭に、ものづくりにこだわった日本品質をグローバルに提供し続けるとともに、エッジコンピューティングの概念やAIなどの先端技術を実装していくことで、人に寄り添ったコンピューティング社会をリードしていきます」と記している。
このAIという部分に、ふくまろが当てはまる。齋藤社長が「3歳児」と表現する、いまのふくまろの姿だけを見ていると、頼りなさを感じるのは確かだが、これからの成長や進化により、むしろFCCLが目指す「人の寄り添うコンピューティング社会」を実現する切り札ともなるサービスに位置づけているのだ。
だからこそ、齋藤社長は、「Day1000」の成果の1つに、ふくまろを掲げようとしている。
その将来の姿の片鱗を見せる最初の一歩が、「パーソナライズ化」を実現した今回のふくまろの機能強化ということになる。
コロナ禍でリモートワーク向けPCの需要が拡大
一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響あり、経済環境の不透明感が広がっている。そのため、各社は、2020年度の事業計画の策定が難しくなっている。
だが、FCCLの齋藤社長は、「いまは、PC業界にとって『カンブリア紀』とも言える、大変革が起こる時期に入ってきた」と前置きし、「ビジネスとしての不透明感はあるが、いままでにはない変化が見られる1年になるのは明らかだ。いかにスピード感を持って、市場の変化についていけるかどうかが鍵になる」とする。
政府の外出自粛要請を背景に、企業におけるリモートワークが浸透する一方で、教育分野においては、GIGAスクール構想がスタート。同時に在宅学習という新たな教育手法を模索する段階に突入している。
こうした動きを捉えながら、新型コロナウイルスの感染が拡大している「いま」と「その後」という2つの観点で、FCCLは新たな挑戦をはじめていることを示す。
では、「いま」という点ではどういう状況では、どんなことに取り組んでいるのか。
齋藤社長は、「3月~4月にかけては、Windows 7のサポート終了(EOS)に間に合わなかった企業のPC導入があると想定していたが、これにリモートワーク用のPCが欲しいというニーズが加わっている。とくに、PCの整備が遅れていた大手企業のグループ会社、中小企業などから在宅勤務用のPCを導入したいという引き合いが多い」と語る。いわば「新型コロナ需要」とも言える動きがあることを示して見せる。
「リモートワークの用途に、世界最軽量の698gを実現したモデルを含む軽量ノートPCのUHシリーズや、家のなかでマルチに使えるモバイルノートPCとして開発した、360度回転のコンバーチブルPCのMHシリーズの売れ行きがいい。在宅勤務では持ち運ぶことはあまり想定されないが、それでも、より軽量なモデルや、タブレットとしても利用できるコンパチ―ブルモデルの人気が高い。コロナ終息後の利用も想定して購入しているようだ」とする。
また、「17.3型の大画面ノートPCのNHシリーズでは、搭載しているHDMI入力端子を利用して、リモートワーク用のモバイルPCと接続して、大画面のセカンドディスプレイとして利用する使い方も受けている」(FCCL 執行役員 コンシューマ事業本部の吉田慎二副本部長)という。
これまでは、テレワークを行なっている人以外は、内蔵されているカメラやマイクの性能はあまり気にしていなかったが、FCCLは、以前からその部分にも細かいチューニングを施しており、「音声が聞き取りやすい」、「画面がきれいに映る」といった点が、改めて評価されているという。
さらに、23.8型の大画面オールトインワンデスクトップPCの「FHシリーズ」も、空間と調和したデザインが好評で、デスクトップPCの購入者に受けているという。量販店での販売台数を集計している「BCNランキング」で、FCCLは、デスクトップPC分野において、3年連続でナンバーワンシェアとなっており、家庭内で利用するPCに対する需要が増えるなかでも引き続き高い人気を誇っている。
「FCCLでは、ノートPCからデスクトップPCにいたるまでフルラインナップを行ない、さらにさまざまな機種を取りそろえている。多様化するお客様の生活シーンにベストフィットするPCを取りそろえており、必ずフィットした製品が見つかるという品揃えがここにきて生きている」(齋藤社長)と自信を見せる。
さらに、こんな声もある。
「富士通ブランドには壊れにくいというイメージがある。会社で使っているさいには壊れてもすぐに修理が可能だが、在宅勤務で壊れてしまうと、仕事ができなくなってしまうため、とにかく壊れないPCが欲しいという声も多い。そこにもFCCLが選ばれている理由がある」(齋藤社長)という。
だが、気になるのは、製品の供給体制だと言える。現在、国内生産拠点の島根富士通はフル稼働状態になっているという。
「島根富士通では、手洗いやうがいなどを徹底して、操業を続けている。だが、海外で生産している部品の調達が今後厳しくなりそうだ」とする。
当初懸念されていた中国から調達している部品については、中国国内の生産拠点の再稼働により回復しはじめているというが、マレーシアやフィリピンの生産拠点が閉鎖しており、この影響が今後懸念される。
「UHシリーズのキーボードは、マレーシアで生産している。いまは、在庫があるため生産が可能だが、先行きが不安なのは確か」とする。
UHシリーズのキーボードを生産しているのは、富士通コンポーネントのマレーシア工場。同社では、4月22日から、マレーシア工場の操業を、限定操業ながらも再開しており、今後は、調達面における不安もじょじょに払拭されることになりそうだが、「状況は慎重に見ていく必要がある」との姿勢は崩さない。
コロナ終息後はPC市場のニーズが変化
一方で、新型コロナウイルス終息後の「その後」に向けてはどう見ているのか。
齋藤社長は、「多くの企業がリモートワークを実践することになり、家庭にもおいても教育に遠隔授業を取り入れるといった動きがある。実際にリモートワークをやってみて、この仕組みで行けると考える人がいる一方で、これではだめだと思う人もいる。では、これではだめだと思う人にとっては何が課題なのか。多くの人がリモートワークや遠隔教育を実践しているいまこそ、その課題を炙り出し、その解決策を製品に反映させたり、まだ家庭における環境が整っていない人に対しては、これまで以上にベストフィットする製品を提案する必要がある」と語る。
そして齋藤社長は、「コンピューティングを、オフィスや学校以外で利用するということが広がる時代に入っていくことになる。マーケティングで働きかけて、市場からフィードバックをもらうという緩やかな関係ではなく、市場から煽られることが多い1年になるだろう。これは、機能やビジネスを進化させるという点では、むしろ、いい機会でもある」と語りながら、「FCCLの強みは、自前の開発体制を餅粉と、国内に自前の工場を持っており、どこよりも顧客の要望に対応できる点にあると言ってきた。本当にそうなのかということが試されることになると思っている」と自らにも問いかける。
新型コロナウイルスの終息後には、これまでとは異なるニーズをもとにしたPC市場が確立されることになるというのが、齋藤社長の見方だ。
そこに向けて、FCCLは、いまなにができるのか。その取り組みをすでに開始しはじめている。