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富士通、第4世代Coreプロセッサ搭載スリムや初の1Uラックマウントなど法人向けPC
~コンパクトPCを固定できる液晶アームも発売
(2013/6/12 14:28)
富士通株式会社は12日、法人向けPC/ワークステーションの新製品を発表。第4世代Coreプロセッサを搭載したスリムPCや、同社初の1UラックマウントPCワークステーションをラインナップした。6月中旬より順次発売する。
「ESPRIMO D583/G」は、CPUに第4世代Coreプロセッサを搭載するスリム型PC。標準構成モデルのほか、HDDやファンに高寿命品を用いた24時間稼働モデル、国際エネルギースタープログラム対応モデル、標準構成および24時間稼働のヘルスケアモデルをラインナップ。それぞれ、CPUにCore i5-4570(3.2GHz)、Core i5-4670(3.4GHz)、Core i7-4770(3.4GHz)を搭載可能。GPUはCPU内蔵グラフィックスのほか、Radeon HD 7570を選択することもできる(24時間稼働モデルは不可)。
性能面では、Core i7-4770搭載製品と、Core 2 Duo E8400を搭載した旧世代モデル「FMV-D5260」との比較で、SYSmark2007でスコアが約195%向上、アイドル時消費電力が約38%減少といったデータを示している。
レガシーポートの充実を謳っており、背面にシリアル、パラレル、PS/2×2を備えるほか、PCIスロット×2(空き×2)を装備。ただし、GPUにRadeon HD 7570を選択した場合は、PCI Express x16×1とPCI×1の構成となり、空きスロットはPCI×1となる。GPUの有無でスロットが変わる点については、マザーボード上のPCI Expressスロットに装着したライザーカードを変更することで対応。ライザーカード上にPCI Express→PCIの変換チップを搭載しているという。
標準構成モデルのそのほかの仕様は、Intel B85 Expressチップセット、メモリ2GB/最大16GB、HDD 250GB/500GB、光学ドライブなし/DVD-ROMドライブ/DVDスーパーマルチドライブ、Windows 8 Pro(64bit)/Windows 7 Professional(64bit)など。
インターフェイスは先述のシリアル、パラレル、PS/2×2のほか、Gigabit Ethernet、USB 3.0×4、USB 2.0×4、音声入出力、DVI-D、ミニD-Sub15ピン。Radeon HD 7570搭載時はディスプレイ出力が、DVI-D、ミニD-Sub15ピン、DisplayPortとなる。
本体サイズは89×338×344mm(幅×奥行き×高さ、縦置き/フット使用時)。重量は約6.4kg。横置きも可能で、縦置きに利用するフットを横置き用に取り付けられるほか、両面テープを用いたゴム足も付属する。価格は161,910円から。
このほか上位モデルとして、Intel Q87 Expressチップセットを採用した、vPro対応モデル「ESPRIMO D753/G」も発表。ほかのハードウェア仕様はほぼ同じだが、24時間稼働モデルは提供されない。価格は164,115円から。
「CELSIUS C620」は、富士通の法人向けPC/ワークステーションとしては初めての1Uラックマウント型製品。本製品はドイツの子会社である 富士通テクノロジー・ソリューションズと共同開発したものとなる。
1Uラックマウント製品投入の狙いについて、CADやデザインなどの現場を想定し、本製品をリモート技術を用いて利用することで、1人1台のワークステーションを割り当てるよりも稼働効率を高めることができるとしている。また、ワークステーションを集約することで管理性を高めることも狙いの1つに挙げており、リモート管理コントローラも搭載している。
ハードウェアはIvy Bridge世代のプラットフォームを用いたもの。Haswell世代でない理由は、2012年から同社が提供しているリモートソリューションの「エンジニアリングクラウド」のベースとして一部顧客には提供していたものをカタログ製品として今回発表したためだという。
ラインナップは標準の8時間可動モデルと、エンタープライズ向けHDDなどを採用した24時間稼働モデル。CPUはXeon E3-1225v2(3.1GHz)/E3-1245v2(3.4GHz)/E3-1275v2(3.5GHz)/E3-1280v2(3.6GHz)。チップセットはIntel C216で、vProにも対応する。
GPUはCPU内蔵グラフィックスのほか、Quadro K600(1GB)、Quadro K2000(2GB)、Quadro K4000(3GB)を搭載することもでき、CPUにE3-1280v2を選択した場合はQuadroの搭載が必須となる。製品の設計においては、ビデオカードの選択肢を柔軟にするために、標準のファン付きビデオカードを搭載できる点にこだわったという。
そのほかの仕様は、メモリ4GB(最大32GB)、HDD 500GB(8時間稼働モデル)/250GB(24時間稼働モデル)、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 8 Pro(64bit)/Windows 7 Professional(64bit)。インターフェイスはGigabit Ethernet×2、シリアル、USB 3.0×4、USB 2.0×2、DVI-I。ディスプレイ出力は、Quadro K600搭載時はDVI-I、DisplayPort×1、Quadro K2000/K4000搭載時はDVI-I、DisplayPort×2となる。
本体サイズは431×663×43mm(同)。重量は8時間稼働モデルが約10.6kg、24時間稼働モデルが約7.9kg。価格は8時間稼働モデルが318,675円から、24時間稼働モデルが423,675円から。
このほか「コールセンター業務特化型パソコン」と呼ぶ製品も発表。これは、既存のコンパクトPC「ESPRIMO B532/G」と液晶ディスプレイに、液晶アーム「FM-MKAM」を組み合わせた製品。
コールセンターでは1人当たりのスペースが限られるほか、日ごとに異なるスタッフが席を共有することもあるため、机上スペースを広く取れることや液晶ディスプレイの位置を自由に動かせることが求められるという。
液晶アームはVESA 75/100mmマウンタに対応したもので、ESPRIMO B532/Gを載せる専用のスタンドを付属。スタンドは液晶ディスプレイの裏もしくは液晶アームの付け根部分に取り付けできる。
アームの最大可動範囲は、机に最も近い関節が左右170度、中央の関節が左右320度、液晶取り付けの関節が左右180度、上下120度。昇降範囲は170~450mm。回転などのトルク調節が可能なほか、角度拘束ネジを用いることで可動範囲を制限することもできる。
価格はESPRIMO B532/Gと17型液晶ディスプレイのセット構成で185,955円から。液晶アーム単体は31,500円。