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■■日立、18.1GBなどの2.5インチHDD4機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990823/hitachi.htm
●ロード/アンロード方式(Load/Unload)
ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ヘッドを、待避させる方式の1つ。
HDDの磁気ヘッドは、ディスクの高速回転によって生ずる空気の流れを利用し、盤面からわずかに浮上して読み書きを行なっている。ディスクが停止すると、ヘッドは浮力を失い盤面に着地することになるのだが、この時、ディスクのデータ領域を保護するために、ヘッドを安全な場所に待避する仕組みが設けられている。
CSS(Contact Start Stop)方式は、一般のHDDに使われているオーソドックスな方式で、ディスクの最内周(あるいは最外周)にランディングゾーン(Landing Zone~あるいはCSSゾーン)と呼ばれるヘッドの離着陸専用の領域を用意。ドライブ停止時には、この領域にヘッドを移動するようになっている(※1)。
ロード/アンロード方式では、ディスクの外側にランプ(Ramp)という傾斜のついた部品を用意。停止時には、ヘッドをこのランプに乗り上げるようなかたちで、ディスク外に待避する。起動時には、ディスクが十分な回転に達してからヘッドをディスク上に戻すので、CSSのようにヘッドと盤面が接触することは一切なく、特に高耐衝撃性が求められるノートPC用のHDDを中心に、この方式を採用するドライブが増えている。
(※1)現在のHDDは、停止時にヘッドが専用の領域に自動的に待避するようになっている。しかし、古いHDDでは、コマンドを送ってヘッドを移動させなければならなかったり、シリンダーの1つをランディングゾーンとするために、BIOS設定で指定しなければならない時代もあった。
■■アドビ、Webグラフィック機能を強化したPhotoshop 5.5日本語版ほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990825/adobe.htm
●GIF(Graphics Interchange Format)
ジフ、ギフ
CompuServeが開発した、画像データ用のファイルフォーマット。
CompuServe(現在はAOL[America Online, Inc.]の一部門)は、かつては世界最大といわれたパソコン通信サービスで、そこで使用する標準の画像フォーマットとして'87年にGIFの最初のバージョン「87a」がリリースされた。
異機種間のオンライン転送を前提に設計されたGIFでは、画像データのサポートを8bitのインデックスカラー(※1)に限定。コンパクトなデータを生成するためのLZW圧縮(別項参照)や、転送完了を待たずに画像の概要を表示できるようにするために、画像を数行置きに複数回に分けて描画するインタレース表示をサポート。
'89年にリリースされた「89a」では、複数の画像を格納して順番に表示したり、画像やテキストをオーバーレイ(重ね合わせ)表示するための制御機能が備わり、同社のネットワークサービスはもとより、WWW(World-Wide Web)の標準画像ファイルの1つとして広く普及していく。背景を透過したり、簡単なアニメーション効果を持つ画像は、たいていこのGIFである。
すっかりポピュラーな画像ファイルとなったGIFだが、データ圧縮に使用したLZWが米Unisysの特許だったという、大きな落とし穴が待っていた。Unisysは、'94年にCompuServeとの間でライセンス契約を締結。以後、LZWの使用に際して同社と契約を交わす必要があることを積極的にアピールするようになり、個人が無料で配布するソフトウェアでは、GIFの読み書き(LZWの圧縮伸長)をサポートするのが難しくなっている(※2)。
(※1)一般のフルカラー画像が、各画素を構成する色要素(例えばRGB各8bitの24bit)を直接データ値として持つのに対し、CLUT(Color Look Up Table~単にカラーテーブルとも)あるいはパレット(pallet)と呼ばれる色の配合テーブルを用意し(必ずテーブルがあるとは限らないが)、データにはこの配合テーブルのインデックス値を格納するタイプをインデックスカラーという。8bitのインデックスカラーは、一般には、CULTをRGB各8bitで構成した24bitカラーの中から、任意の256色を使用することができる。
(※2)使用形態によってロイヤリティなどは様々なので、具体的な情報は米Unisys(LZW_INFO@UNISYS.COM)に直接問い合わせていただきたいが、'97年夏の時点では、GIFをサポートするフリーウェアにロイヤリティはかからないが、登録料としての1,000ドルが必要となっていた。
【参考】
□インターレースGIF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990826/key89.htm#i_GIF
□アニメーションGIF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#AnimationGIF
□Bluetooth SIG
http://www.bluetooth.com/
Abraham LempelとJacob Zivの研究をもとにTerry Welchが改良した圧縮技術。
LempelとZivのアイデアは、データの中に頻繁に出現するパターン(バイト列)を符号化していく、いわゆる辞書ベース圧縮の起源となるもので、両者の頭文字から「LZ法」あるいは「LZ圧縮」と呼ばれている。2人の論文は、先行する(既に処理した)データを辞書として使用し、その中の同じパターンを参照させる方式が'77年に(※1)、パターンを辞書に登録していく方式が'78年に発表されている。前者は「LZ77」後者は「LZ78」と呼ばれ、現在使われている可逆的(※2)な圧縮技術の多くに、これらを発展させたアルゴリズムが用いられている。
'84年、SperryのTerry Welchは、辞書の構築や管理方法を工夫し、効率よく符号化していくアルゴリズムを開発し特許を取得(P/N4,558,302)。Welchの頭文字を加えた「LZW」の名で呼ばれるこの圧縮技術は、ITU-T勧告のV.42bis(モデムの圧縮プロトコル)をはじめ、画像ファイルのGIF(Graphics Interchange Format)やTIFF(Tagged Image File Format)、ドキュメントファイルのPDF(Portable Document Format)、ページ記述言語のPostScript Level2等々、身近なところで広く用いられるようになっている。
Sperryは、'86年にBurroughsと合併してUnisysとなり、現在は同社がLZWの特許を保有。日本国内でも特許を取得しており(※3)、LZWの使用(もちろん特許権の効力の及ばない範囲は除く)に際しては、同社とライセンス契約を結ぶ必要がある。
(※1)お馴染みのアーカイバソフト「LHA」は、このLZ77系のアルゴリズムと、出現頻度の高い文字(1バイト)に短い(ビット数の少ない)符号を、低い文字に長い符号を割り当てる「Huffman符号」を使って圧縮を行なっている。
(※2)可逆圧縮は、圧縮-伸長で完全に元のデータが復元できる損失の無い圧縮のことで、一般的なデータ圧縮は全てこのタイプである(でないと困る)。一方、画像や映像、音声などでは、JPEGやMPEGのように、多少の損失を容認する代わりに高圧縮を実現するタイプがよく使われており、こちらを不可逆圧縮という。
(※3)現在は、「ディジタル信号ストリーム圧縮方法及び圧縮装置(第2,123,602号)」と、「データ伸長方法および装置ならびにデータ圧縮伸長方法および装置(第2,610,084号)」の2つの特許が成立しており、存続期間満了日(出願日から20年)は2004年6月20日となっている。
□LZWライセンス情報
http://corp2.unisys.com/LeadStory/lzwfaq_j.html
【特許情報の検索】
□USPTO Web Patent Databases(US Patent and Trademark Office)
http://www.uspto.gov/patft/
□特許電子図書館(特許庁)
http://www.ipdl.jpo-miti.go.jp/homepg.ipdl
【参考】
□PDF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980415/key26.htm#PDF
□PostScript
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980120/key14.htm#postscript
■■Athlon対応マザーボードの一部に不具合、交換へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990826/athlon.htm
●Slot A
スロットエー
AMD(Advanced Micro Devices, Inc.)のAthlonで使われている、CPUを装着するためのコネクタ。
AMDが'99年にリリースしたAthlon(コード名K7)は、初期のPentium IIに採用されていたSECCと同じように、CPUを実装した基板をケースで密封したカートリッジスタイルのパッケージを採用。装着用のコネクタも、Slot 1と同じシングルエッジコネクタを差し込むスロットタイプのものが使用されており、これを「Slot A」と呼んでいる。
Athlonのカートリッジは、見た目だけでなく物理的にもPentium IIと同じデザインになっており、それを装着するスロットも、Slot 1と同じ242接点のコネクタを使用。フォームファクタはPentium II互換なのだが、システムバスに、DEC(Digital Equipment Corporation~現在はCompaq)が開発したAlpha EV6プロトコルを使用しており、電気的な互換性は無い。
□AMD Athlon Processor
http://www.amd.com/products/cpg/athlon/index.html
【参考】
□SECC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980624/key35.htm#SECC
□Slot 1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#Slot1
□Socket 7
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#Socket7
□Socket 370
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990210/key64.htm#Socket_370
■■AKIBA PC Hotline! HotHotレビュー by Ubiq Computing
AMDから史上最強のx86プロセッサ「Athlon」がデビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990827/hotrev24.htm
●浮動小数点(FP[Floating Point])
コンピュータで実数を扱う方法のひとつで、数値を指数形式で表現する。
指数形式とは、例えば「12345」を「1.2345×10の4乗(1.2345E4)」「0.012345」を「1.2345×10の-2乗(1.2345E-2)」というように表す形式のことである。「整数部○桁/小数部△桁」というように、あらかじめ整数部と小数点以下の有効桁数を固定して表現する「固定小数点」に対し、小数点が有効桁数の間で浮動することからこう呼ばれており、少ないビット数で小さな値や大きな値を効率よく扱えるため、コンピュータの実数演算で広く用いられている。
「1.2345×10の4乗」の「1.2345」を「仮数部」、「4」を「指数部」、「10」を「基数」という。浮動小数点形式の標準規格である「IEEE 754」の単精度浮動小数点数では、仮数部に23bit、指数部に8bit(基数は2)、符号に1bitの計32bitで、1.40129846E-45~3.40282347E38(正の値)の値を表すことができる(※1)。ちなみにビット数を2倍の64ビット(仮数部52、指数部11ビット)にしたものが倍精度浮動小数点数である。
i386までのIntelのCPUには、この浮動小数点演算を行なうための演算ユニットは実装されておらず、浮動小数点ユニット(FPU[Floating point Processing Unit]~あるいは浮動小数点コプロセッサ)と呼ばれる専用のチップを追加してその機能を使うか、ソフトウェアで処理するしかなかった。486以降はCPUに組み込まれたものが用意されるようになり、Pentium IIIに搭載されたSSE(Streaming SIMD Extensions~ストリーミングSIMD拡張命令)では、複数の浮動小数点データを一度に処理する機能が追加されている。
(※1)指数であるために、大小幅広い値をとれるが、精度はあくまで仮数部のビット数止まりであり、その性質上、演算には丸め誤差がつきものとなる。また、10進数ではないために、10進の有限小数(例えば0.1など)が正確に表現できない点なども、この概念に慣れていないと理解に苦しむもしれない。
【参考】
□SSE(Streaming SIMD Extensions)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990225/key66.htm#SSE
■■ソニー、平面ブラウン管FDトリニトロン搭載15/17/19インチディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990901/sony.htm
●ARコーティング(Anti-Reflective Coating)
エーアールコーティング、エーアールコート
ディスプレイやレンズなどに施す、反射防止用の表面加工処理(ノングレア[non-glare]処理)。
ディスプレイなどに用いられる反射防止用のコーティングには、細かな粒子を吹き付けて表面を粗くし、入射光を拡散させる方法と(シリカコート)、光の干渉を利用して打ち消す方法がある。現在主流のARコートは後者のスタイルで、フッ化マグネシウムなどを真空蒸着させ、表面に可視光線の1/4波長の薄い透明な膜を作る。膜の表面で反射した光と、透過して奥で反射した光は、1/2波長ずれた逆相となるため、打ち消しあって反射光が目立たなくなるという仕組みである。
●プリントサーバー(print server)
ネットワーク上で、プリントサービスを提供するサーバー。
ネットワーク上で様々なサービスを提供する側(ハードウェアやソフトウェア)をサーバー(server)、サービスを利用する側をクライアント(client)という。プリントサーバーは、いわゆるプリンタの共有機能を提供するサーバーで、クライアントから送られてきた印刷ジョブを管理し、順次プリンタに出力していく。ちなみに、受け取ったデータを一時的に保管しておく(バッファリング)ことをスプール(SPOOL~Simultaneous Peripheral Operations On-Line)、プリントジョブをスプールし、スケジューリングを行なうハードやソフトをプリントスプーラ(print spooler)、スプールされているプリントジョブをプリントキュー(print queue)という。
プリンタサーバーは、プリンタを接続したマシンにサーバー機能を持たせる(サーバーソフトをインストールして共有のための設定を行なう)ケースもあれば、単体でプリントサーバーとして機能する専用デバイスを使用することもある。製品リリースなどに登場するプリントサーバーは、この後者の専用装置のことを指す。大きさは石鹸箱から弁当箱大のデバイスで、プリンタを接続するためのパラレルポートやシリアルポートと、Ethernetに接続するためのモジュラージャックやBNCコネクタを装備。通常のプリンタをそのままLANに接続し、共有プリンタとして利用できるようになる(※1)。複数のプリンタをサポートする製品や、マルチプロトコル/マルチNOS(Network OS)対応の製品も多い。
(※1)双方向通信を必要とするプリンタなどは、利用できないことも多い。
●光学式マウス(optical mouse)
移動を光学的に検出するマウス。
GUIに欠かすことのできないデバイスである「マウス」は、'68年に、スタンフォード大学付属研究所(SRI~Stanford Research Institute~現在のSRI International)のDouglaas Engelbertによって開発された。この世界最初のマウスは、尻尾のようなコードの付いた木製の箱の底に、縦方向と横方向に回る2枚の車輪が取り付けられており、この車輪の回転でXY軸の移動を検出する仕組みになっていた。現在一般に使われている機械式マウス(mechanical mouse)は、底のボールが縦横一対のシャフト(あるいはローラー)を回す仕組みになっているが、メカニカルな機構は、Engelbertのマウスそのままである。
オーソドックスな機械式は、シャフトの先に接点が放射状に並んだ円盤が取り付けられており、シャフトの回転をスイッチのON/OFFで検出していた。その後に登場したオプトメカニカル式マウス(opto-mechanical mouse)と呼ばれるタイプでは、スリットの入った円盤を回し、LEDとセンサを使って光学的に回転を検出。現在は、このタイプが主流となっている。
光学式マウスでは、回転するボールの代わりにセンサ機構を使用する。機械式マウスのような稼動部が無いため、故障知らずでメンテナンスフリーなのが売りである。オーソドックスな製品では、反射光の変化を検出する仕組みになっており、グリッドパターンなどの模様が付いた、その製品専用のマウスパッド上で動かすことが前提となっている。Microsoftの「IntelliMouse Explorer」の場合には、接地面を連続的にキャプチャし、画像の変化から動きを読み取る「Image Correlation Processing」という技術が用いられており、変化が読み取れる素材であれば接地面を選ばない。
□Engelbert氏のオリジナルマウス
(SRI International Computer Science Laboratory)
http://www.csl.sri.com/history/augment.shtml
■■鹿山雅志の オンラインソフト“つっこみ”レビュー
ちょっと便利なユーティリティ3つ
席替え実行委員会 & Task CD Player 2000 & MasterVC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990902/ols16.htm
●ID3タグ
アイディースリータグ
MP3ファイルに、タイトルやアーティスト名などの付加情報を記録するための規格。
アプリケーションのデータファイルの多くが、様々な付加情報を記録できるように作られているのに対し、一般に使われているMP3ファイルは、MPEGオーディオのビットストリームをそのままファイルに記録しただけのものである。すなわち、生データが剥き出しの状態であり、オーディオデータ以外には、ビットレートやサンプリング周波数などの再生に必要な情報と、デジタルストリームに必要な著作権情報だけしか記録されていない。そこで、曲のタイトルなどを盛り込むためのいくつかのアプローチが行なわれた。
'96年、Eric Kempは、曲名やアーティスト名、アルバム名などを格納した128バイトのタグを、MP3ファイルの後ろに付け加えた。ファイルエンドをチェックすれば、拡張情報の有無が簡単に確認でき、タグをサポートしていないプレーヤーにとっては、ファイルエンドに僅かなゴミが付着したに過ぎない仕様である。Michael Mutschlerは、このタグにCDのトラック番号を入れられるように少し手を加え、これをID3と命名した。互換性を損なうことなく付加情報を盛り込めるようにしたこのアイデイアは、やがて多くのユーザーやデベロッパーの支持を受け、MP3関連のソフトウェアが次々にこのID3タグをサポートするようになる。
現在は、バージョン2にあたる「ID3v2」がリリースされ、Martin Nilssonらの手によって、詳細なドキュメントやライブラリが公開されている。ID3v2では、文字数の制限を撤廃しUnicodeにも対応、画像や歌詞などの様々な情報が盛り込めるように大幅な拡張が行なわれている。内容的には、もはやファイルエンドにこっそりタグを付け加えるような仕様ではなく、ファイル全体を、WAVEやAIFFなどと同じようなタグベース(チャンクスタイル)のファイルフォーマットとして定義したものである。残念ながら、もはやID3とは全くの別物となってしまったため、ID3v2対応のプレーヤーでなければ、拡張情報にアクセスすることはもちろん、オーディオストリームを再生することすらできない。
□ID3v2
http://www.id3.org/
【参考】
□MP3 (MPEG 1 Audio Layer 3)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#mp3
[Text by 鈴木直美]