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■■【秋葉原マップ】Akiba PC Hotline!ヘッドライン(1月30日号)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/990130/etc.html#slotket
●Socket 370
ソケットさんななまる
Intelが366、400MHzのCeleron(セレロン)から採用した、370ピンのCPUソケット。
Pentium IIでは、それまでのPGA(Pin Grid Array)パッケージに代わり、基板上にCPU本体とSRAMを実装してケースで密封したSECC(Single Edge Contact Cartridge)と呼ばれるパッケージを採用(※1)。これにともない、装着用のコネクタは従来のソケットタイプから、シングルエッジコネクタを差し込むためのスロットタイプに変更された。ケースこそ省略されたものの、後発のCeleronもこれにならったSEPP(Single Edge Processor Package)というパッケージを採用。Pentium IIと同じ242ピンの「Slot 1」を使用するデザインになっていたが、366、400MHz版からは、省スペース化とコストの削減を目的に、従来のPGAスタイルのパッケージ(※2)を追加。一時は廃止したソケットが、再び復活した。
486時代から、Intelは歴代のソケットに「Socket x」という名を付けて来た。このソケットに関しては、Intelは「370-Pin Socket」あるいは「PGA370」と表記しているだけで、「Socket x」という名は特に付けていないが、一般にはこれを「Socket370」と呼んでいる。
このソケットは、MMX PentiumやAMD、Cyrixなどの互換CPUに使われているSocket 7と同サイズのZIFソケット(※3)だが、ピン数はSocket 7の321ピンに対し370ピン(1ないし2列追加され6列のピンが千鳥状に配置されている)と、物理的にも互換性はない。
(※1)Intelでは、2次キャッシュ用に大量のSRAMを実装し、高速なバスで接続するためにフレキシブルなパッケージデザインに変更したとしているが、Intelが特許を持つデザインに変更することによって、互換プロセッサの追従を阻止する目的が多分にある。
(※2)MMX Pentiumと同様のプラスチックボディのパッケージで、PPGA(Plastic PGA)と呼んでいる。
(※3)ZIF(Zero Insertion Force)は、CPUを装着してレバーでロックするスタイルのソケット。
□Celeronのホームページ(デベロッパー向け)
http://developer.intel.com/design/celeron/ (米国)
http://www.intel.co.jp/jp/developer/design/Celeron/(日本)
【参考】
□Socket 7
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#Socket7
□Slot 1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#Slot1
□Slot 2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980930/key48.htm#Slot2
■■飯山電機、縦横回転する15インチTFT液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990201/iiyama.htm
●MVA(Multi-domain Vertical Alignment)方式
富士通が'97年に開発した、液晶ディスプレイパネルの方式。応答速度が速く視野角も広いうえ、4方向に対して均一で高いコントラストが得られるため、縦横を90度回転して使える液晶ディスプレイが作られている。
従来の一般的なTFT液晶ディスプレイには、TN(Twisted Nematic~ねじれネマティック)と呼ばれるタイプの液晶が使用されている。TN液晶は、2枚のパネルの間に、細長い棒状の分子構造を持つネマティック液晶を水平に並べ、一方のパネルからもう一方のパネルに対し、90度ねじれるように配列させた構造になっている。ここに、偏光板によって偏光された光を通すと、光は分子配列に沿って90度回転し、もう一方の面に90度の角度を付けて配置された偏光板を通過する。パネルに電圧をかけていくと、分子は電界に沿ってパネル方向に垂直に整列しだす。そのため、ねじれが次第にほどけ、直進する光の成分は偏光板によって遮られる形になる。TN液晶は、このような仕組みで光量を制御しているのだが、傾いた結晶は、見る角度によって見え方が異なる--すなわち通過する光の量が変わるため、広い視野角がとれない。
MVA液晶に用いられているVA(Vertical Aligned~垂直配向)方式は、TN液晶とは逆に液晶分子をパネル面に垂直に配列しておき、これを水平に傾けていくスタイルをとる。このとき、結晶をひとつの方向に傾けてしまうと、見る方向によって見え方が変わり視野角が狭くなってしまうので、MVA液晶では、セルを4つの領域(domain)に分割し、4方向に傾ける様に工夫。上下左右ともに、均等の広い視野角を実現している。
□雑誌富士通 1998-5月号「超高画質MVA-TFT液晶ディスプレイ」(PDF形式)
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/Develop/magazine/vol49-3/paper03.pdf
□ディスプレイ・テクノロジー(IBM)
http://www.trl.ibm.co.jp/projects/s7000/pgindex/disp_j.htm
□液晶25周年(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/sc/excite/lcd25/index.html
□技術ライブラリ(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/sc/library/top1.htm
【参考】
□TFT液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971216/key11.htm#TFT
□ポリシリコンTFT液晶
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#polysilicon_TFT
□HR-TFT(High Reflective-Thin Film Transistor)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/key24.htm#HRTFT
□DSTN(Dual-scan SuperTwisted Nematic)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981126/key56.htm#DSTN
■■米Intel、Pentium IIIの出荷は2月26日と公表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990202/intel.htm
●プロセッサ・シリアル・ナンバ (PSN~Processor Serial Number)
Pentium IIIに組み込まれている、チップ固有のシリアル番号。
製造工程でCPUに焼き付けられる固有のIDで(読み出しは可能だが改変することはできない)、これを利用することによってシステムが識別でき、ユーザー認証の確度向上やシステム管理に役立つといわれている。がその一方では、ソフトウェア側でシリアル番号を偽造するこはいくらでも可能であるため、セキュリティ機能としてはほとんど役に立たないという意見もある。また、ユーザーサイドで善意的に使用した場合には有効なシステム管理も、盗品や偽造品のチェック、果てはユーザーの追跡などに利用される可能性があり、物議をかもしている。
プロセッサ・シリアル・ナンバは、全部で96bitあり、上位32bitに従来からあるCPUID(※1)、下位64bitに各チップ固有のIDを記録。CPUID命令を使ってソフトウェア上から読み出すことができるようになっている。ただし、チップ内のレジスタをセットする(MSR~Model Specific Register~のdisable bitを1にする)ことによって、機能そのものが無効となり、従来からのCPUIDだけしか返さないようになる。
このレジスタは、起動時にはクリアされた状態なので、PSNを無効にしたい場合には、用意されている専用命令を使ってソフトウェア的にセットする。リセット命令は用意されていないので、いったんセットされたレジスタは、CPUそのものをリセットしない限りクリアすることはできない(ソフトウェア上から無効にできるが有効にはできない)。実際の操作は、対応マザーボードのBIOSセットアップやユーティリティ(※2)を使って行なうが、BIOSレベルで機能を無効にした場合には、常に起動プロセスの中でレジスタがセットされるので、ユーティリティ等を使った制御も無効にできる。
(※1)Type、Family、Model、Stepping(ソフトウェアのバージョン番号に相当)等から成る、CPUの種類を識別するためのID。
(※2) Intelが提供するコントロールユーティリティ「Processor Serial Number Control Utility」は、同社のWebサイトから無料でダウンロード可能。
□Processor Serial Number Overview (英文)
http://support.intel.com/support/processors/pentiumiii/psu.htm
□Processor Serial Number Technical Notes (英文)
http://support.intel.com/support/processors/pentiumiii/tech.htm
□Questions & Answers(英文)
http://support.intel.com/support/processors/pentiumiii/psqa.htm
□Control Utility Overview(英文)
http://support.intel.com/support/processors/pentiumiii/psover.htm
□Developer Relations Group(DRG) - Processor Serial Number (英文)
http://developer.intel.com/drg/pentiumiii/psnum/index.htm
●TagRAM
タグラム
キャッシュメモリを構成する要素のひとつで、キャッシュに保持されているデータを示すアドレス情報(タグ)を格納しておくためのメモリ。
CPUのスピードに比べると、メインメモリに使われているDRAMの速度はかなり低速であるため、そのままでは、メモリアクセスがシステム全体のパフォーマンスを著しく低下させてしまう。そこで、CPUとメインメモリ間に少量の高速なRAMとインテリジェントなメモリの管理・制御機構(キャッシュコントローラ)を置き、メインメモリへのアクセスをまとまった単位で行なう、読み出したデータへの再アクセスできるようにデータを保持しておく、といった方法で効率良いメモリアクセスを実現している。
キャッシュメモリは、データそのものを格納しておくデータRAMと、データRAMで保持しているデータのアドレス情報や履歴を格納しておくタグRAMから構成されている。CPUがメモリにアクセスする際には、CPUが要求するアドレスとタグRAMが記憶しているアドレスを比較し、一致すれば「ヒット(hit)」が確定し、目的のデータはデータRAMから取り出される。一致しない場合には「ミス(miss)」となり、目的のデータをメインメモリから取り出す仕組みになっている。
【参考】
□L2キャッシュ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971209/key10.htm#L2cache
□FSB(FrontSide Bus)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981105/key53.htm#FSB
□DIBアーキテクチャ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980407/key25.htm#DIB
[Text by 鈴木直美]