■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード
■■松下、DoPa対応デジタル携帯通信カード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990217/pana.htm
●DoPa(DoCoMo Packet)
ドゥーパ
NTT移動通信網株式会社(NTT DoCoMo[Do Communications Over The Mobile Network])が'97年に始めた、デジタル携帯電話を使用したパケット通信サービス。
パケット通信は、データを一定の長さに区切り宛先を付けたパケット(小包)に分割し、このパケット単位でやり取りする通信方法である。通常の電話回線のように通信経路を占有する通信方式と異なり、通信経路を多重化して効率よく利用できるため、一般には、通信時間ではなくデータ量に対して課金されるシステムになっている。これまでも、公衆回線から利用できるNTTのDDX-TPや、インテックのTri-P、KDDのVenus-Pなどが、長距離のデータ通信などでよく用いられていた。
DoPaは、このパケット通信を使用した携帯電話用のデータ通信サービスで、LANやインターネットで用いられているTCP/IPをサポートしているため、DoPa網に接続しているISP(Internet Service Provider)やオフィスのネットワークに、そのまま接続できる。サービスには、DoPa対応ISPに接続する「インターネット接続サービス」と、専用線やISDN回線を使ってLANをDoPa網に接続し、DoPa経由でリモートアクセスできるようにする(携帯側は接続相手に複数のLANやISPを選択可)「LAN接続サービス」がある。いずれも、携帯側に一定パケット分の通信料を含む基本使用料と超過分のパケット数に応じた通信料が課金されるだけで、接続時間に対する料金は派生しない(接続先のISPやLAN接続サービスに関る専用線やISDNの使用料は別途必要)。
なお、DoPaの1パケットは、128バイト。最高速度28.8kbpsとなっている。
□DoPa Top Page(NTT DoCoMo)
http://www.nttdocomo.co.jp/products/dopa/mobile/index.html
■■ヤマハ、Pentium III対応のソフトVA音源「Poly-VL」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990219/yamaha.htm
●VA音源 (VA~Virtual Acoustic~ Synthesis/Synthesizer/Tone Generator)
ブイエーおんげん、バーチャルアコースティックおんげん
スタンフォード大学が開発した物理モデル音源(physical model tone generator)技術をもとに、ヤマハが'93年に商品化した音源方式。
現在もっとも広く使われている音源には、楽器等の音をサンプリングしたデータが記録されており、これを使って発音するタイプで、WaveTable音源あるいはPCM音源と呼ばれている。記録した音を再生するテープレコーダのような仕組みなので、リアルな音色が再現できるのが特徴だが、音色の加工や音そのものの生成にはあまり向いていない。
VA音源は、WaveTable方式以前のアナログシンセやFMシンセと同じように、音そのものを生成するタイプの音源で、楽器の構造や発音の仕組みをモデル化し、演算によって音を合成している。例えば、同社のVLモデルやソフトシンセに搭載されているS/VA方式(Self oscillation type /VA Synthesis system)は、管楽器と擦弦楽器の物理モデルで構成され、この仮想的な楽器を使い、楽器や奏法に合わせたリアルな音をシミュレートする。仮想楽器は、マウスピースやリードに息を吹き込んだり、弓で弦を擦ったりすることによって振動を発生する発音部と、それが共鳴して楽器特有の音となる管や胴にあたる共鳴部とに別れており、これらを任意に組み合わせたり、関るパラメータを変えることによって、実在しない楽器をシミュレートすることも可能である。
□CCRMA(Center for Computer Research in Music and Acoustics)
~スタンフォード大学の音響技術の研究機関(英文)
http://cm.stanford.edu/
□Sondius-XG(音源技術等のライセンシングに関するヤマハとスタンフォード大学の共同プロジェクト)(英文)
http://www.sondius-xg.com/
【参考】
□WaveTable音源 (WaveTable Synthesizer)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980317/key22.htm#WaveTable
特別なハードウェアを使わずに、PC上でソフトウェアだけで実現するシンセサイザ。なお、ソフトシンセサイザー(SoftSynthesizer)は、ヤマハの登録商標となっている。
現在使われているシンセサイザは、デジタル記録された波形データを読み出して再生したり、それを変調/加工/合成することによって発音するデジタルシンセサイザが大半を占めている。PC向けのサウンドカードもこれに準じており、最近は特に、音色データを格納しておくためのメモリを搭載した、WaveTableタイプのものが主流となってきており、以前に比べると音質は格段に向上している(安価な製品では、機能や搭載されている音色メモリが貧弱なものがまだ多いのも否定できないが)。
こようなシンセサイザが内部で行なっている処理は、その大半がデジタル信号処理であり、通常は音源やサウンドカードに組み込まれている専用のチップ等を使って、ハードウェア的に行なっている。が、昨今の高速なマシンでは、専用のハードウェアを使わなくても、CPUだけで高速に処理することができるようになり(音色データはファイルからメモリにロード)、ローランドやヤマハをはじめ、各社が次々にソフトウェアベースのシンセサイザをリリース。システムのパフォーマンスにもよるが、汎用のもの(Windows標準のMIDIデバイスとして見えるタイプ)は、比較的高い音質の演奏を安価に実現する手段として人気が高いほか、MIDIを使ったアプリケーションにバンドルされているものも多い。
ちなみに、Windowsのマルチメディア向け技術であるMicrosoftのDirectXにも、このソフトウェアシンセサイザを含んだDirectMusicが用意されている。
【参考】
□MIDI(Musical Instrument Digital Interface)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980224/key19.htm#MIDI
□GM(General MIDI)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980224/key19.htm#GM
□GS
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#GS
□XG
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#XG
Intelが開発しPentium IIIに搭載した、浮動小数点演算の処理能力向上を主体としたマルチメディア向けのプロセッサ技術。MMX2あるいは、KNI(Katmai New Instructions)と呼ばれていたものの正式名称。
複数のデータに対し、一度にまとめて同じ命令を実行して処理することをSIMD(Single Instruction Multiple Data~シムド)という。CeleronやPentium IIに組み込まれているMMXでは、64bitのレジスタを使い、8bit×8、16bit×4、32bit×2のデータをひとまとめにパック化して処理する命令(SIMD-Int[Integer]という)が用意され、これを利用することによって、グラフィックス処理などの整数演算を高速化できるようになっている。
SSEでは、新たに128bit(double quadword)のレジスタが追加され、4個(または1個)の単精度浮動小数点(※1)データをパック化し、一度に処理する命令(SIMD-FP[Floating Point]という)を用意。浮動小数点演算を多用する3Dグラフィックス処理などにも、MMXに準ずる高速化が期待できるとされている。新しく追加された70個のインストラクションセットは、この浮動小数点演算向けのSIMD-FP命令が大半を占めるが、その他にもパック化した整数データ処理向けに新たに追加された命令と、キャッシング処理用の命令も含まれている。
(※1)浮動小数点数は、コンピュータで実数を扱う方法のひとつで、数値を「仮数×基数の指数乗」という形にした仮数部と指数部で表す。単精度は、32bit幅の浮動小数点数で、通常は仮数部に24bit、指数部に7bit(基数は16)、符号に1bitというフォーマットで扱う。ちなみに64bit幅のものを倍精度という。
□Pentium III Processorのホームページ(英文)
http://developer.intel.com/design/pentiumiii/index.htm
□Instruction Set Reference Manual (英文)
(ストリーミングSIMD拡張命令が追加されたマニュアル)
http://developer.intel.com/design/pentiumiii/manuals/index.htm
□Development and Creation Tools (英文)
http://developer.intel.com/drg/pentiumiii/tools/
□IAL Pentium III (英文)
http://developer.intel.com/ial/pentiumiii/
【参考】
□MMX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980120/key14.htm#mmx
□3DNow!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980603/key32.htm#3DNow!
[Text by 鈴木直美]