鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第26回:4月6日~4月10日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


4月7日

■■マイクロ総研、既存のTA・モデムを活用できる低価格ルータ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980407/mrl.htm

カスケードポート(Cascade Port)
 ハブ(HUB)等に用意されている、カスケード接続を行なうためのコネクタ。

 入出力をつないでデータの受け渡しが行なえるようにすることをカスケード接続という。EthernetのHUBの場合には、単に一方の送信がもう一方の受信に接続されるよう、配線が内部でクロスしているだけのポートで(クロスケーブルで代用可)、通常のケーブルを使って、他のHUBのポートに接続することができる。


■■COMDEX Japan '98 ジョン・スカリー基調講演
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980407/comdex3.htm

QuickTime VR(略称はQTVR)
クイックタイムブイアール
 Apple Computer社が開発した、バーチャルリアリティ技術。

 QuickTimeは、同社が'91年に発表した、時系列処理を伴うさまざまなメディアを扱うためのマルチメディア技術で、主に動画を再生するためのビデオフォーマットとして知られている。QuickTime VRは、このQuickTimeにパノラマ写真のオブジェクトを追加する拡張規格で、通常は、視点から水平方向に360度見渡した画像をつなぎ合わせたものをソースとして使用。これを再生すると、画面上で左右に自由にスクロールできるパノラマ写真として見せることができるようになる。逆に、3Dグラフィックスのオブジェクトのように、自由な方向から眺められる立体を見せることも可能だ。

□Apple QuickTime
http://www.apple.com/quicktime/
□International QuickTime VR Association
http://www.iqtvra.org/



PDFファイル(PDF:Portable Document Format)
ピーディーエフ
 Adobe Systems社が開発した、閲覧用の書式付きドキュメントのファイルフォーマット。

 PDFは、同社が開発したプリンタ用のページ記述言語であるPostScriptをベースにしており、基本的にはこのPostScriptを使って、テキストや画像を含んだドキュメントがレイアウトされる(PostScriptファイルをPDFに変換するツールや、プリンタドライバとしてアプリケーションのデータを受け取り、PDFを吐き出すツールなどが用意されている)。レイアウトされた各オブジェクトには、番号付けが行なわれ、そのクロスリファレンステーブルをファイル内に格納することによって、PostScriptにはない、ページ間をランダムに閲覧する機能を実現(ほかにも、文章の階層構造やサムネイルを付加する機能、インタラクテビティを向上するリンク機能、データ圧縮機能などもある)。閲覧用のビュワーであるAcrobat Reader(各プラットホーム用のものが無料で配布)には、いくつかの基本的なフォントが含まれており(PDF自体にPostScriptフォントを埋め込むことも可能)、異なるプラットホーム間でも、表示の違いを最小限に押さえることが可能である。

□アドビシステムズのAcrobat製品情報ページ
(Acrobat Readerダウンロード可能)
http://www.adobe.co.jp/product/acrobat/readstep.html


4月8日

■■スタパトロニクス 第6回
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980408/stapa6.htm

TA方式(Thermo-Autochrome)
ティーエー方式、サーモオートクローム方式、直接感熱記録方式
 富士写真フイルム社が開発した、感熱紙を使った熱転写印刷方式。

 TA方式は、加熱によって発色する感熱紙を使用する印刷方式で、機構自体は、家庭用のFAXとよく似ている。ただし、感熱紙には、CMY(Cyan Magenta Yellow)3色の熱発色層から成る専用の用紙(TAペーパー)を使用。サーマルヘッドによる加熱と、紫外線による定着を繰り返し、カラーの印刷が行なえる。各熱発色層は、それぞれが濃度の階調を表現することができ、全体の色はこの発色層の重ねあわせによって表現されるため、昇華型熱転写や銀塩印刷と同様、1ドットが濃度階調を持つフルカラー印刷が可能である。

 紙自体が発色するので、インクリボンやインクカートリッジなどは不要。ランニングコストは昇華型と比べて安上がり。TAペーパーの表面は特殊なコーティングがほどこされているため、転写や傷に強い。などの特徴があり、同社をはじめ、松下電器産業や三洋電機からも同方式のプリンタが発売されている。


■■ソニーとMicrosoftが技術提携
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980408/sonyms.htm

ATSC(Advanced Television Systems Committee)
エーティーエスシー
 '82年に設立された、次世代テレビジョン方式(ATV:Advanced Television)の標準化を行なう、民間企業や関連団体から成る米国の委員会。現行のテレビ放送でいうところの、NTSC(National Television System Committee)に相当する。

 ATVは、FCC(Federal Communications Commission~米国連邦通信委員会)が打ち出した、いわゆる高画質テレビの総称で、これには、EDTV(Extended DefinitionTelevision~日本での愛称はクリアビジョン)やHDTV(High Definition Television~日本での愛称はハイビジョン)などが含まれている。
 カラーテレビ以来のテレビ革命として、いまもっとも注目されているデジタルテレビ(DTV:Digital Television)には、高解像度のHDTVと現行テレビ並みの品質で同時に複数のチャンネルが送信できるSDTV(Standard Definition Television)の2種類があり、ATSCの規格では、解像度やピクチャレート、走査方式の異なる、以下の様な18種類もの規格が規定されている。

走査線水平解像度画面比ピクチャーレート
1,080192016:960I,30P,24P
7201,28016:960P,30P,24P
48070416:9
4:3
60P,60I,30P,24P
4806404:360P,60I,30P,24P
I=Interlaced(インタレース~飛び越し走査)
P=Progressive(プログレッシブ~順次走査)

□FCC(Federal Communications Commission)
http://www.fcc.gov/
□ATSC(Advanced Television Systems Committee)
http://www.atsc.org/


■■アイ・オー、PC/100メモリ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980408/iodata.htm

PC/100(またはPC100)
ピーシーヒャク
 Intel社がPentium IIに採用する、ベースクロック100MHzの仕様。

 メモリアクセスやバスの入出力をはじめとする、PCのあらゆる内部処理は、一定のタイミング信号に同期して行なわれている。このタイミング信号をクロックといい、1秒あたりの周期「Hz(ヘルツ)」で表わしている。初期のIBM PCでは、CPUも拡張バスも全て5MHz(14.31818MHzの基準クロックを3分周(1/3)するので、実際は4.77MHz)のクロックに合せて動作していた。CPUはその後、6、8、10MHzとスピードアップし、386以降は、16、20、25、33、50、60、66と一気に加速(メモリは基本的に同クロックで動作。拡張バスはISAが8MHz、PCIが33MHzで動作)。DX2以降は、外部クロックを内部で逓倍しているので、CPUの表記はさらに大幅にアップしているが、現行のマザーボードのほとんどは、66MHzのベースクロックで動作しており(200MHz未満のPentiumには50MHzや60MHzで動かすタイプもある)、これをPC/66と呼んでいる。例えば300MHz版は66MHz×4.5、333MHzは66MHz×5となる。これは、'93年にリリースした初代Pentium(60MHzと66MHz)以来のデザインだが、Intel社は昨年から、次世代のベースクロックとして100MHzへの移行をアナウンスしており、間もなく正式にリリースされるPentium II(350MHzと400MHz)からこれが適用される。

□PC/100 Memory Specification
http://developer.intel.com/design/pcisets/memory/index.htm

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp