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■■ソニー、MD DATA2メディアのムービーカメラ「MD DISCAM」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991101/sony.htm
●ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)
ソニーが開発した、音声圧縮符号化技術。
'92年に発売されたMD(Mini Disc)に採用された圧縮符号化方式で、CDフォーマット(44.1kHz/16bit)に準じたオーディオ信号を約1/5に圧縮することにより、140MBのMDでCDと同等の記録時間を実現した。'94年には、MD DATA用に圧縮率を2倍に高めたATRAC 2をリリース。'99年には、これをメモリースティックを用いたポータブルプレーヤーや、PC用のソフトウェアデコーダに応用した、ATRAC 3がリリースされている。
ATRACの符号化のプロセスは、まず、入力信号を帯域分割フィルタで4つの周波数帯域に分割。MDCT(Modified Discrete Cosine Transform~変形離散コサイン変換)という数学的な手法を使って、時間対レベルのPCM信号から、周波数成分に分解されたスペクトル信号へと変換する。このあたりは、MP3をはじめとする他の高音質/高圧縮のCODECと同様で、スペクトル化することにより、最小可聴レベル(*1)やマスキング効果(*2)といった私たちの聴覚特性を利用した、細かなデータ量の調整が行なえるようになる。符号化に際しては、このスペクトル信号の中からトーン成分(楽器のピッチ等に起因するピーク)を抽出し、残りの非トーン成分とは個別に行なう。こうすることによって、比較的少ない周波数成分にエネルギーが集中する場合には、効率的な圧縮が行なえる。
なお、ATRAC 3 に関しては、ステレオ信号の左右の相関性を利用して圧縮効率を高める、Joint Stereoもサポートしている。
*1 聴覚特性は、3~4kHzをピークに高域と低域の感度が急激に落ち込んだ特性なので、高域や低域の小さな音はあまり重要ではない。
*2 大きな音があるとその周辺の周波数の小さな音が聞こえにくくなる現象。
□ATRAC3 紹介ページ
http://www.sony.co.jp/soj/TechnoGarage/ATRAC3/index.html
【参考】
□MD DATA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981203/key57.htm#MD_DATA
□メモリースティック(Memory Stick)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990218/key65.htm#Memory_Stick
【参考:その他の音声符号化技術】
□MP3(MPEG 1 Audio Layer 3)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#mp3
□TwinVQ(Transform-domain Weighted Interleave Vector Quantization
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990520/key76.htm#TwinVQ
□EVRC(Enhanced Variable Rate Codec)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990428/key75.htm#evrc
□Dolby Digital(AC-3)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980303/key20.htm#AC-3
□ADPCM(Adaptive Differential PCM [Pulse Code Modulation])
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990617/key80.htm#ADPCM
□PCM(Pulse Code Modulation)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980917/key46.htm#PCM
□WebAudio
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991104/key97.htm#WebAudio
■■MDとFMチューナー搭載の「VAIO MX」発売2月に延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991109/sony.htm
FM放送の電波に、文字や図形等のデジタル信号を多重化して送信する放送で、'94年にFM東京が「見えるラジオ」という愛称で初の放送を開始。現在は、NHKや民放各局が、番組と連動した、あるいは独立した文字情報サービスを提供しているほか、道路交通情報通信システムVICSの情報配信にも利用されている。
FM放送は、もともとが左右の和(L+R=モノラル)と差(L-R)という2つの音声信号(50~15kHz)を多重化し、ひとつの搬送波(carrier)に乗せたもので、送信時の変調方式に文字通りのFM(Frequency Modulation~周波数変調[*1])が使われている。音声信号の多重化は、差信号を38kHzで変調し(この搬送波は副搬送波[subcarrier]という)、和信号の上の帯域に移動させる(*2)。デジタル信号も同様の方法で多重化しており、こちらは76kHzの副搬送波を使い、差信号のさらに上に重畳する。
デジタル信号の多重化は、NHKが開発したDARC(ダーク:DAta Radio Channel)と呼ばれる方式が用いられている。このDARCでは、デジタル変調にLMSK(Level control MSK[*3])という新しく開発した変調方式を採用。音声信号の大きさに合わせて、デジタル信号側のレベルをダイナミックに調整することにより、音声信号との干渉を最小限に押さえるのが大きな特徴である。伝送速度は16kbps。エラー訂正用のパリティを除いた実データ(*4)は約8kbps。通常の文字多重放送では、15文字×2列のディスプレイに、様々な文字情報が表示される様になっている。
*1 ある信号を別の信号に乗せることを変調といい、この時使用する搬送用の電波のことを搬送波という。AM放送で用いているAM(Amplitude Modulation~振幅変調)が、信号波の振幅に応じて搬送波の振幅を変化させるタイプであるのに対し、FMは搬送波の周波数を変化させる方式で、混信や雑音が少なく、忠実度が高いのが特徴。ちなみに、位相を変化させるタイプもあり、こちらはPM(Phase Modulation~位相変調)という。
*2 和信号の50~15kHzに対し、差信号は38kHz±15kHzに移動。ひとつの帯域が2チャンネルに分割されたことになる。
*3 AM、FM、PMのデジタル変調版を、ASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)という。MSK(Minimum Shift Keying)は、0と1の状態に異なる周波数を割り当てるFSKの一種で、ビットの変わり目に、位相が必ず±90度になるような最小の周波数差を割り当てたもの。
*4 FM文字多重の符号化方式は、BEST(Burst and random Error correction System for Teletext)と呼ばれるもので、テレビの文字多重放送や衛星デジタルにもこの方式が用いられている。エラー訂正は「(272,190)差集合巡回符号」といい、272bitに対し8bitまでのエラーが修復できる。
【参考】
□VICS(Vehicle Information and Communication System)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990819/key88.htm#VICS
□VBI(Vertical Blanking Interval)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980331/key24.htm#VBI
■■本田雅一の「週刊モバイル通信」
第28回 : Windows 2000を見据えたノートPC
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991109/mobile28.htm
●イネーブラ(enabler)
PC Cardが利用できるように、必要な設定を行なうソフトウェア。
PC Cardでは、ハードウェアに依存することなくその機能が利用できるように、階層化されたソフトウェアインターフェイスが用意されている。
ソケットサービス(socket service)は、もっともハードウェアに近い最下層のサービス(デバイスドライバ)で、PC Cardコントローラの違いを吸収し、コントローラを制御するための統一されたファンクションを提供する。カードサービス(card service)は、ソケットサービスの上位のサービスで、PC Cardが使用するリソース管理等の、カードを利用するために必要なファンクションを提供する。このカードサービスのファンクションを利用して(*1)、ソケットに装着されたPC Cardから情報を読み出し、必要な諸設定を行なうのがイネーブラである。
*1 サービスを使わず直接コントローラをドライブするイネーブラもあり、この様なタイプを特にポイントイネーブラ、サービスを使うタイプをカードサービスイネーブラという。
【参考】
□PC Card
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980120/key14.htm#pcmcia
■■元麻布春男の週刊PCホットライン
「Sound Blaster Live! PLATINUM」~ハイエンドサウンドカードの意味~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991110/hot67.htm
●バイノーラル(binaural)
「両耳の」と言う意味から来た言葉で、私達の両耳効果を利用して、立体音場を再現する方式。
左右の目の視差によって視覚的な立体感が得られているのと同様、左右の耳に到達する僅かな時間差や音量差を感知して、私達は聴覚的な立体感を得ている。例えば、耳の間隔程度に2本のマイクをセットしたり、両耳の位置にマイクを配置、あるいは、頭部を模したダミーヘッド(dummy head)の耳にマイクを取り付ける等の方法を用い、実際に聞いている状態に近い「両耳信号」を収録(もちろん信号処理によって両耳信号を作り出す技術もあり、こちらが最近のトレンド)。これを、ヘッドホンを使って左右の耳に個別に振り分けて聞かせることによって、非常にリアルな立体感が得られる。このヘッドホンで再生するタイプが、一般いわれているオーソドックスなバイノーラル方式である。
両耳信号をヘッドホンで再生するのと同様の効果を、スピーカーを使って再現するタイプもあり、こちらはトランスオーラル(transaural)方式と呼ばれている。
■■メルコ、RIMMを11月16日から出荷
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991112/melco.htm
●Continuity RIMM(C-RIMM)
コンティニューイティリム、シーリム
未使用のRIMMソケットに挿すブランクモジュール。
Rambus社のDirect Rambus技術をメモリインターフェイスに使用したDRAMをDirect RDRAM(Rambus DRAM)といい、RDRAMを使ったメモリモジュールをRIMM(Rambus In-line Memory Module)という。
Direct Rambusでは、Rambusチャンネル(メモリバス)は必ず終端まで接続されていなければならない。メモリモジュールを取り付けていない状態では、メモリスロットの所でチャンネルが分断されてしまうので、チャンネルが連続(Continuity)する様にパターンだけをプリントした基板を取り付けておく必要がある。メモリチップなどのパーツが何も載っていないこのモジュールを、Continuity RIMMという。
□RIMM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980805/key41.htm#RIMM
□Direct RDRAM(Rambus DRAM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#Direct_RDRAM
[Text by 鈴木直美]