鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第196回:1月28日~2月1日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


1月28日

■■ 後藤弘茂のWeekly海外ニュース
   DDR IIはいよいよ拡張仕様(DDR IIa)の策定が最終ステージへ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0128/kaigai01.htm

●On-Die Termination
  オンダイターミネーション

 チップ内蔵の終端抵抗。

 高い周波数の信号を末端が開放された伝送路に流すと、行き場の無いエネルギーが切断面で反射して、元の信号に悪影響を与えてしまう。そこで、適切なインピーダンスを持った抵抗などを伝送路の末端に取り付け、不要な反射が起こらないようにエネルギーを吸収してやる。このような抵抗を終端抵抗(terminator)という。

 高周波を扱うPCのシステムバスやメモリバスにもこの終端抵抗が必要であり、チップに内蔵しているタイプをOn-Die Terminationと呼んでいる。

【参考】
□ターミネーション電源(terminator power[TERMPWR])
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000921/key136.htm#TERMPWR
□アクティブターミネータ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990128/key62.htm#active_terminator


■■ Platform Conferenceレポート
   μPGAパッケージのThoroughbredでモバイルPentium 4-Mに対抗するAMD
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0128/pfc02.htm

●OPGA(Organic Pin Grid Array))
 オーピージーエー

 CPU本体を実装する配線基板(サブストレート)に樹脂製のプリント基板を使用したPGAパッケージ。

 PGA(Pin Grid Array)は、チップの裏面に入出力用のピンが剣山のように並んでいるパッケージの総称で、側面よりも多くのピンが配置できるため、CPUをはじめとするピン数の多いチップに広く採用されている。古くは、ピンの付いたセラミックの筐体にCPU本体を埋め込み、ワイヤーで配線するスタイルが採られていたが、現在は、製造コストや電気特性的に優れたフリップチップが主流になっており、配線基板にベアチップが直接接合されたスタイルになっている。この配線基板(あるいは筐体)がセラミックで作られているタイプをCPGA(Ceramic PGA)といい、よりローコストな普通のプリント基板を使用したタイプをOPGAという。

【参考】
□色々なCPUパッケージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980113/key13.htm#SPGA
□FC-PGA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991216/key102.htm#FC-PGA
□μFC-PGA2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010906/key180.htm#FCPGA2
□PPGA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980924/key47.htm#PPGA


1月30日

■■ 富士フイルム、光学6倍ズーム搭載機とレンズ交換式一眼レフデジカメ
   ~第3世代スーパーCCDハニカムを搭載、microdriveに対応
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0130/fuji2.htm

●フォーカルプレーン(focal plain shutter)

 カメラのシャッター機構の1つで、カメラボディのフィルムやCCDの直前にシャッター幕を設けたタイプ。

 露光時間を調節するシャッターには、大きく分けるとレンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターとがある。レンズシャッターは、完全に閉じるレンズ絞りのような機構(絞りを兼ねている場合もある)をレンズ内に設け、これを開閉して光を通過させる。ほとんどのコンパクトカメラと一部の中判・大型カメラが、このレンズシャッター方式を採用している。

 一方のフォーカルプレーンシャッターは、ほとんどの一眼レフカメラに採用されているタイプで、フィルムやCCDの直前に置かれた縦あるいは横にスライドする2枚の幕(※1)でシャッターが構成されている。シャッターを切ると、1枚目の幕がスライドして光を通過させ、それを追うように2枚目の幕がスライドして光を遮断する仕組みになっており、2枚の幕の時間差で露光時間が決まる。レンズシャッター方式よりも高速なシャッタースピードを実現することができ(※2)、レンズ側に複雑なシャッター機構を備える必要が無いというのが、この方式の大きなメリットだが、露光面のサイズに応じたメカニズムを組み込まなければならないため、小型化が難しい。

 銀塩カメラでは、シャッター機構を電子制御しているタイプを電子シャッター方式、機械的な仕組みだけで動いているタイプをメカニカルシャッター方式という。これに対しデジタルカメラでは、このような機械的なシャッター機構そのものをメカニカルシャッター方式と呼び(※3)、光電変換によるチャージ時間(電荷を空にしてから、次に読み出すまでの時間)で露光時間が決まるという、CCD撮像素子ならではの性質を利用したタイプを電子シャッター方式と呼んでいる。デジタルカメラでは、通常はこの電子シャッターが主役であり、機械的なシャッター機構は、主に電荷の転送中にかぶる光を遮るという、補助的な(しかしノイズを防ぐためには重要な)目的で併用されている。フォーカルプレーンシャッターを採用した製品も同様で、一般にシャッター速度を上げても、メカニカルなシャッターの速度は、撮像面を開放するのに十分な時間以下にはならない。フォーカルプレーンが意味するところは、レンズ交換が可能であるという点で、多くの場合、一眼レフのボディがそのまま流用されている。

※1 1枚目のシャッターを開く幕を「先幕」、2枚目の閉じる幕を「後幕」という。カメラによっては、フラッシュ撮影の際に、フラッシュを発光させるタイミングを設定できるものがあり、開いた直後に発光するタイプを「先幕シンクロ」、閉じる直前に発光させるタイプを「後幕シンクロ」と呼んでいる(通常は先幕シンクロ)。

※2 幕が完全に移動し終えるのに、縦走行で1/250秒程度かかるため、シャッター速度が速くなると完全な開放状態にはならず、露光面をスリットが移動するような形になる。このため、動きの速い被写体が歪む可能性がある。

※3 銀塩カメラでいう電子シャッターは、デジタルカメラでは電子制御(方式の)メカニカルシャッターなどと呼んでいる。

【参考】
□CCD(Charge Coupled Device)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980324/key23.htm#CCD
□色々なCCDの方式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000217/key108.htm#FT
□CMOSセンサ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/key104.htm#CMOS
□スミア
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991028/key96.htm#smear


■■ 東芝、新開発棟完成記念技術展を開催
   ~プラッタ30GB以上の2.5インチ「垂直記録HDD」を展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0130/toshiba2.htm

●垂直記録方式(perpendicular magnetic recording)
 すいちょくきろくほうしき

 磁気記録方式の1つで、メディアの面に対して垂直方向に磁化して記録する方式。

 磁気記録メディアの表面には、磁性体の薄い膜が形成されている。磁性体は、内部に小さな磁石をたくさん持っているような物質で、この小さな磁石を一定の方向に向けて整列させると磁性体は磁化された状態になり、その状態を保持し続けてくれる。ドライブの記録ヘッドは微細な電磁石になっており、この電磁石を制御して磁性体の整列する方向を変化させ、データを磁気の変化のパターンとして記録している。

 整列のさせ方には、記録面に対して水平方向と垂直方向があり、前者を水平記録方式(あるいは面内記録方式、長手記録方式)、後者を垂直記録方式と呼んでいる。水平方向は、U字形の電磁石を磁性面に近づけ、電流を変化させて極性を変えて行くという単純な方法で実現でき、耐久性の高いメディアやヘッドが生産できることから、これまでは、こちらの方式が主流となっていた。一方の垂直記録は、水平記録よりも少ない面積でビットパターンが記録できるため高密度化に適している。メディアの大容量化が急激に進む近年は、特にこの垂直記録方式が注目されており、各社で盛んに研究開発が進められている。

【参考】
□MR(Magneto-Resistive)、GMR(Giant MR)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#gmr

[Text by 鈴木直美]

(2002年2月8日)


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