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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第96回:10月18日~10月22日


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10月18日

■■コンパル、19,800円の小型スキャンコンバータ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991018/compal.htm

スキャンコンバータ(scan converter)

 CRTの走査周波数を変換し、異なる仕様のビデオ信号を扱えるようにするデバイス。

 CRTは、電子銃から放出した電子ビームを走査(スキャン)し、スクリーンの蛍光体を次々に発光させて像を描くしくみになっている。そのためのビデオ信号は、画像そのものを構成する信号と、走査のタイミングを知らせる信号とから成る。画面の水平方向のタイミングを示す信号を水平同期信号、垂直方向のタイミングを示す信号を垂直同期信号という。水平同期信号のタイミングで左から右に1ラインずつ走査し、垂直同期信号のタイミングで1画面分の走査を終える仕組みである。

 PCのディスプレイなら垂直同期信号は画面を書きかえる速度--すなわちリフレッシュレートであり、ほとんどの場合70Hz以上に設定されている。水平同期は、縦方向のライン数×垂直同期となるため、画面の解像度が上がれば上がるほど高くなり、1,024×768ドットで55kHz前後、1,600×1,200ドットでは90kHz前後となる。このタイミングで、RGBの各色信号のレベルを変化させ、画像表示を行なっているわけである。

 一般に売られているスキャンコンバータは、このPCのディスプレイ出力を、TVディスプレイ(水平15.7kHz、垂直60Hz)で表示できるようにするダウンスキャンコンバータで、PCから受け取った信号を再構成しTV用のNTSC信号に変換する。逆に、NTSC信号をPCのディスプレイで表示できるようにするためのアップスキャンコンバータや、双方向あるいは、様々な組み合わせの変換に対応した製品なども発売されている。

 液晶の画素とPCの画素が1対1で対応することを前提に設計された液晶ディスプレイの場合には、PC側の解像度を下げると、画面表示そのものが小さくなってしまう。そこで、低い解像度でも画面全体に表示できるように、スキャンコンバータもしくは、それに相当する機能が組み込まれている。


10月19日

■■オリンパス、動画撮影が可能になった「CAMEDIA C-2020ZOOM」など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991019/olympus.htm

TIFF(Tagged Image File Format)
ティフ、ティーアイエフエフ

 Aldus Corporation(※1)が開発し、'86年にリリースした画像データ用のファイルフォーマット。

 ファイルは、データの種類やファイル上の格納場所を示す情報を集めたIFD(Image File Directory)と、それに対応するデータ本体という形で構成されており、様々なデータの格納に対応できる汎用的な仕様になっているのが特徴(※2)

 規格は、TIFFアプリケーションが最低限備える仕様「ベースライン」と、その他の拡張仕様「エクステンション」に別れており、ベースラインでは、RGBのフルカラー、インデックスカラー、グレースケール、白黒2値に対応。PackBits(※3)とMH圧縮(※4)をサポートしており、画像データそのものに関わる各種パラメータのほかに、タイトルやコピーライトなどのテキスト情報も格納できるようになっている。エクステンションでは、CMYKやYCbCr(※5)、L*a*bなどのカラーモデルへの対応、LZW圧縮やJPEG圧縮、MR圧縮(※6)、アルファチャンネルのハンドリングなどが含まれている。

 TIFFは、ひとつのファイルに複数の画像を格納することができ、MHやMR圧縮とあわせて、FAXソフト用のファイルフォーマット(TIFF-FXとも)としても広く採用されており、Internet FAXの標準フォーマットにもなっている。

(※1)DTPソフト「PageMaker」の開発で知られるソフトベンダーで、'94年にAdobe Systemsに買収。TIFFも同社に移管されており、最新版であるリビジョン6('92年リリース)のドキュメントがWebで無料公開されている。

(※2)デジタルカメラの代表的なファイルフォーマットである「Exif」では、JPEGストリームの中に、このTIFFに準じた形式で各種情報を格納している。

(※3)Macintoshで使われている圧縮方法で、連続する同じ符号を「符号と数」という形で表すことによって圧縮する、いわゆるランレングス圧縮。

(※4)MH(Modified Huffman)圧縮は、G3 FAXの基本圧縮に使われている白黒2値画像用のランレングス圧縮。こちらは、連続する白や黒のドットの数に応じて、予め可変長ビットの短い符号を割り当てておき、これを使って符号化していく。

(※5)輝度情報(Y)と2つの色差情報(青-輝度[Cb]、赤-輝度[Cr])を使って色を表現する方法。

(※6)MR(Modified Read)圧縮は、G3 FAXのオプション(G4 FAXでは基本圧縮)として規定されているMH圧縮の拡張規格で、先行する行を参照しその差分を符号化していく機能が加わる。MHを1次元符号化方式、MRを2次元符号化方式とも。

□Adobe Solutions Network
http://partners.adobe.com/asn/main.html
□Technical Notes for Developers(仕様書)
http://partners.adobe.com/asn/developer/technotes.html
□File Format for Internet Fax
http://www.ietf.org/rfc/rfc2301.txt
【参考】
□JEPG(Joint Photographic Experts Group)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980715/key38.htm#JPEG
□LZW(Lempel Ziv Welch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990909/key90.htm#LZW
□グレースケール(gray scale)、インデックスカラー(index color)、
CMYK(Cyan Magenta Yellow blacK)、Lab(Lab color)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991022/key95.htm#gray_scale
□Exif(Exchangeable Image File Format)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971202/key9.htm#exif


10月20日

■■オンキヨー、ライン入力にも対応するパソコン用スーパーウーファー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991020/onkyo.htm

バスレフ(ダクト)方式(bass reflex speaker [またはenclosure])

 代表的なスピーカーボックス(エンクロージャ[enclosure]とも)の1つで、フロントパネルにダクトを取り付けたタイプ。

 バスレフ方式は、スピーカーボックスの前面に開口部(ポート[port])を設け、スピーカーユニットの背面に放射される音を取り出すことによって低域特性の向上を狙ったもので、中小型スピーカーボックスの多くがこの方式を採用している。通常、開口部にはダクトが取り付けられており、開口部の大きさとダクトの長さに応じて一定の周波数に共鳴するようになっている。これを調整し、周波数特性の落ちてきたところにピークを作り、低域特性を改善している。

 ちなみに、ダクトの代わりに、コーン紙(振動板)だけのスピーカーのようなものを取り付けて共振させるタイプをパッシブラジエター(passive radiator)。ダクトではなく、ホーン状の構造にしたものをバックロードホーン(back loaded horn)。開口部を持たないタイプを密閉型という。


10月21日

■■デジタルカメラの時代を変える!? 「スーパーCCDハニカム」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991021/fuji1.htm

スミア(smear)

 汚れという意味で、印刷や画面表示における滲みなどにも使われるが、一般にはデジタルカメラなどで撮影した際に、強い光源の上下に尾を引いたような筋が現れる光スミア現象を指す。

 CCD撮像素子は、光によって電荷を生じるフォトダイオードを網の目のように並べたデバイスで、入射光によって生じた電荷を、電極に順に電圧をかけていくことにより、バケツリレー式に転送。シーケンシャルに取り出していく仕組みになっている(CCD本来の意味はこの転送の仕組みのこと)。通常の使用では、個々のフォトダイオードの電荷が順に転送されていくのだが、強い光が入ると、電荷が溢れ出し転送路に流れ込んでしまうため、直線状のノイズが生じてしまう。これは、一般に使われている撮像部と転送部が一体となった、小型で安価なIT(Interline Transfer)方式のCCDでは避けることのできない問題で、高級な(そして大型の)製品では、このスミア対策のために、撮像部の電荷をいったん転送部に移してから転送を行なうFIT(Frame Interline Transfer)方式のCCDを用いることが多い。

 なお、オーバーフローによって生ずるこのようなノイズは、ブルーミング(blooming)ともいわれ、上下の尾引きは垂直ブルーミングということもある。

【参考】
□CCD(Charge Coupled Device)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980324/key23.htm#CCD

[Text by 鈴木直美]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp