イベントレポート
Samsung、コンシューマとデータセンター向けSSD新製品を発表
~3D V-NAND採用の「850 PRO」と「845DC PRO」
(2014/7/4 13:07)
Samsung Electronicsは7月1日(現地時間)、韓国ソウルにおいて、SSDの新製品発表会「2014 Samsung SSD Global Summit」を開催した。Samsung Electronicsは、2012年以降、毎年こうした発表会を行なっており、今回が3回目となる。今回発表された新製品「850 PRO」については、すでにレビュー記事が掲載されているので、そちらを見ていただきたいが、ここでは発表会での講演の様子を紹介する。
データ爆発の時代に突入した
最初に、Samsung Electronicsのメモリブランドマーケティングチームのリーダーであるキム・オンス氏が挨拶をし、今回の発表会のコンセプト「The New Breed of Performance」を紹介した。次に、メモリマーケティング実行チームのジム・エリオット氏が「IT Market Trends」と題する講演を行なった。その講演の要旨は以下の通りだ。
スマートフォンやタブレットなどが普及したことで、世の中の様相は一変した。FacebokやTwitterが急速に広まり、そうしたSNSには毎日膨大な情報が書き込まれる。現在はまさに「データ爆発の時代」である。特にモバイル機器のデータトラフィックは成長を続けており、2018年には100億を超えるデバイスがインターネットに繋がり、そのデータ量は190EB(エクサバイト)にも達すると予想されている。
NANDフラッシュやSSDの需要も今後さらに伸びていき、PC市場でのSSD需要は2018年には2014年の4.7倍の6,000万TB近くになり、データセンター/エンタープライズ市場でのSSD需要は2018年には2014年の8.4倍の3,300万TBになるとの予想だ。そうした中で、Samsungは、NANDフラッシュ市場の34.7%、SSD市場の46.6%のシェアを獲得しており、市場でのリーダーシップを確立している。
しかし、プロセスルールの縮小によるNANDフラッシュの密度向上には限界が来ており、別のアプローチが求められている。そのブレークスルーとなるのが、世界初の3D Vertical NANDフラッシュ「3D V-NAND」である。
3D V-NANDなら1Tbit品も可能になる
次に、フラッシュデザインチームのリーダーであるキョン博士が「3D V-NAND:The Future of FLASH」と題する講演を行なった。その講演の要旨は以下の通りだ。
1999年に120nmでスタートしたNANDフラッシュのプロセスルールは、2013年には1xnmまでシュリンクし、容量も1Gbitから64Gbitに増加した。しかし、プロセスルールが1xnm台に突入したことによって、「セルとセルの間の干渉」と「露光プロセスの光源選びの困難さ」という問題が出てきた。そのため、これ以上プロセスルールをシュリンクすることは困難になりつつある。
そこで登場したのが3D V-NANDである。3D V-NANDは複数のレイヤーを積層しているため、プロセスルールをシュリンクせずに、チップあたりの容量を高めることができる。
NANDフラッシュは、「材料」「構造」「集積」の3点について、破壊的な革新が行なわれてきた。まずは材料の革新として、伝導体から絶縁体へと電荷をチャージする材料が変わり、フローティングゲート型から2D CTF型に移行した。次に、構造の革新として、2D CTF型から3D CTF型へと構造が変わった。そして、集積の革新として、3D V-NANDが誕生した。レイヤーの数は2011年には8層であったが、2013年には24層を達成し、3D V-NAND時代の幕開けとなった。さらに2014年には32層の3D V-NANDの量産を開始した。
3D V-NANDのメリットの1つに、セル同士の干渉がないことが挙げられる、また、より幅の広いプロセスルールを利用できるため、露光の光源で悩む必要がないこともメリットだ。従来の2DプレーナNANDでは、2015年頃に登場する256Gbit品が限界だと考えられているが、3D V-NANDは、NANDフラッシュの容量にブレークスルーをもたらし、2017年には100層を積層して1Tbit品を製造することが可能になる。3D V-NANDは、消費電力も従来の2DプレーナNANDに比べて46%も低いとのことだ。
今後もSSD業界のリーダーシップをとり続けていく
再び講演者が先ほどのジム・エリオット氏に変わり、「Samsung SSD Leadership」と題した講演を行なった。その講演の要旨は次の通りだ。
SSD市場は、今後も成長を続けていき、容量ベースで2018年には2014年の5.7倍になると予測されている。また、その利用分野としては、データセンター向けが増加する。SamsungはこれまでPC市場に世界初のSSD技術を投入し続けてきた。世界初の3bit MLC採用SSDが「840/840EVO」であり、世界初のPCI Express対応SSDが「XP941」、世界初のNVMe対応SSDが「SM951」である。また、Samsungはデータセンター市場にも世界初のSSD技術を投入し続けてきた。世界初の3bit MLC採用SSDが「PM853T/845DC EVO」であり、世界初のPCI Express対応SSDが「XS1715」、世界初の電力最適化NVMe対応SSDが「SM953」である。
SSDのこれ以上の高速化には、インターフェイスの高速化が求められる。SATAからPCI Expressに移行することで帯域は7倍に、レイテンシは3分の1になった。ベンチマーク結果も1.5倍向上した。3D V-NANDの利点は、大容量、高速、高耐久性、高電力効率の4つであり、容量は2倍以上、速度は2倍、耐久性は10倍、電力効率は2倍に向上する。そして、Samsungは今後も、3D V-NAND技術と共にSSDサプライヤーとして世界ナンバー1を獲得し続けていく。
新製品「850 PRO」の出荷日や価格が公表される
休憩を挟んで、アメリカおよびアフリカ地域のセールスブランドプロダクトマーケティングチームのマネージャーであるチョン・ドヨン氏による2つ目のセッション「The New Samsung SSD」が始まった。その要旨は以下の通りだ。
Samsung製SSDは世界53カ国で販売されており、その多くの国でナンバー1のシェアを獲得しており、リテール向けSSD(OEM向けは含まない)だけで年間出荷台数は1,200万台を超えるとのことだ。Samsungはこれまで、SSD市場で技術的なリーダーシップをとり続けており、デザインについてもこだわってきた。さらに、ユーザーの使い勝手を向上させるためのソリューションを提供していることも特徴だ。
欧米のSSDアフターマーケットは年々拡大しているが、それを牽引しているのが、Samsung製SSDの新製品である。今回発表する「850 PRO」は、世界初のコンシューマ向け3D V-NAND採用SSDであり、2012年9月に発表された「840 PRO」の後継となる。そのセールスポイントは、「究極のパフォーマンス」「強化された耐久性と信頼性」「効率的な電力管理機能」の3点であり、840 PROと比べてさらにパフォーマンスが向上しただけでなく、耐久性や信頼性も大きく向上している。PCMark 7でのシミュレーション結果は、840 PROに比べて10%近くスコアが向上したという。
昨年発表されたメインメモリの一部をキャッシュとして利用することで、パフォーマンスを高める「RAPID Mode」についても、新バージョンのRAPID 2.0では、メインメモリの最大25%までのメモリをRAPID用に利用できるようになり、レスポンスが1.8倍に向上したとのことだ。
また、データセンター向けSSDの新製品「845DC EVO」と「845DC PRO」についての解説も行なった。845DC EVOは3bit MLCを採用しており、リードが多いアプリケーションに適し、845DC PROは、24層の3D V-NANDを利用しており、ライトが多いアプリケーションに適する。一口にデータセンター向けといっても、ストレージの使われ方は異なり、Content Delivery Networkなどのリードが多いアプリケーションと、データベースサーバーなどのライトが多いアプリケーションがある。リード重視の845DC EVOとライト重視の845DC PROの2種類のラインナップを用意することで、アプリケーションに応じて最適な製品を選べる。ライト重視の845DC PROは、長期に渡って使い続けた後でも、性能の落ち込みが少ないことも利点である。
845DC PROは、すでに出荷が開始されているが、845DC EVOの出荷開始は7月の予定とのことだ。また、コンシューマ向けの850 PROの出荷日は7月21日であり、店頭価格は、128GBモデルが129.99ドル、256GBモデルが199.99ドル、512GBモデルが399.99ドル、1TBモデルが699.99ドルとのことだ。ちなみに、840 PROの発表時(2012年9月)の店頭価格は、128GBモデルが149.99ドル、256GBモデルが269.99ドル、512GBモデルが599.99ドルであった。また、850 PROはTBWが150TBに倍増し、毎日40GBのデータを書き込んでも10年以上持つため、SSD業界初の10年保証を実現したことも強くアピールしていた。
データセンター向けでは、来年に4TBモデルが登場する
セッション終了後、質疑応答の時間が与えられた。特に興味深い質問と回答を以下にまとめた。
Q.3bitの3D V-NANDはいつ出るのか?
A.今日はまだ言えないが、今後発表する予定だ。
Q.1セルあたり4bitのNANDフラッシュの商用化は可能か?
A.耐久性を維持できるのかが重要である。開発は進めており、また別途発表の機会があるかと思われる。
Q.3D V-NANDは、SSD以外にも使われるのか?
A.クライアントSSD以外にも拡大していきたい。
Q.他社への3D V-NANDへの提供は?
A.今のところ考えていない。
Q.データセンター用なら、より大容量のSSDが必要では?
A.今年(2014年)の末には2TB SSDをデータセンター向けとして出す予定。来年は4TBも可能。ただし、今日発表したのは、リテール用のデータセンター向けSSD製品なので、1TBまで。
Q.データセンター用は何年保証か?
A.データセンター用は5年保証。
Q.何層まで積み重ねられるのか?
A.無限大に可能なのではないか? 毎年新しい世代の3D V-NANDを提供したいと考えている。データセンター向けSSDでも、32層採用製品が来年発売される予定だ。
発表されたばかりの新製品やエンタープライズ向け製品なども展示
講演が行なわれた部屋の隣の部屋では、今回発表された新製品を含む、多くのSamsung製SSDの展示やデモが行なわれていたので、その様子を写真で紹介していきたい。
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