イベントレポート

早速Adobe MAX会場に展示された「Surface Book」の実機をチェック

〜タブレットにはヘッドフォン端子のみ、ペンはN-Trig、GT2内蔵のCore i5を搭載

 Microsoftは、「Surface」のブランドでAdobe MAX 2015のダイアモンドスポンサー(最上位スポンサー、つまりはメインスポンサー)になっており、その展示会場であるCommunity Pavilionの入り口近くという絶好の場所にブースを構えている。初日となる現地時間5日には「Surface Pro 3」にAdobe Creative Cloudをインストールした状態で、ペンやタッチを利用したPhotoshop CCやIllustrator CCでのコンテンツクリエーションをアピールしていた。Adobeも5日に行われた基調講演でタッチとペンの機能拡張をアピールしたこともあり、多くのクリエイターがペンソリューションに興味津々という状況だ。

 そのMicrosoftは別記事の通り、6日の朝にニューヨークで行なった発表会で、「Surface Book」と「Surface Pro 4」を発表した。それを受けて、Adobe MAXの展示も6日の午前11時半よりSurface BookとSurface Pro 4に切り替えられた。

 本記事では、そのうちSurface Bookの実機をチェックして分かった事実や、実際の製品の写真レポートをお届けしてきたい。

展示されていたのはすべてGT2ベースのSkylakeとなるCore i5-6300U搭載SKUのみ

 今回Microsoftが米国で発表したSurface Bookには、別記事で紹介している通りで以下の5つのSKUが用意されている。

  1. Core i5/メモリ8GB/SSD 128GB(1,499ドル)
  2. Core i5/メモリ8GB/SSD 256GB(1,699ドル)
  3. Core i5/メモリ8GB/SSD 256GB/GPU付き(1,899ドル)
  4. Core i7/メモリ8GB/SSD 256GB/GPU付き(2,099ドル)
  5. Core i7/メモリ16GB/SSD 512GB/GPU付き(2,699ドル)

 だが、今回展示されていたのは、CPUがCore i5、メモリ8GB、SSDは512GBで、GPUはついていないという、どのパターンにも当てはまらないモデルとなっていた。

 展示機のCPUはCore i5-6300Uという、ベースクロックが2.4GHzで、Intel HD Graphics 520(開発コードネームでGT2)という24EUのGPUが内蔵されているものだ。SSDは、PCI Express接続のNVM ExpressのSSDが採用されていた。ただし、既に述べたとおり、Core i5/8GBメモリ/512GB SSDという組み合わせのSKUは用意されていないので、製品版でもこのSSDが採用されるのか、128GBと256GBもNVM Expressになるのかは現時点では明確ではない。

 今回の展示には、NVIDIAのGPUを搭載した個体は用意されていなかった。このため、現状では、このNVIDIAのGeForceの型番が何であるのかは依然として不明のままだ。ただ、会場に、日本でSurfaceシリーズの発表会がある度に来日しているMicrosoft Surface & Windows Hardwareセールス&マーケティング事業部事業部長ブライアン・ホール氏がいたので、キーボードと本体の間のインターフェイスについて聞いてたところ、PCI Express、USB 3.0、ディスプレイ出力を独自仕様のコネクタで通しており、Thunderbolt 3ではないことが確認できた。

 この接続部分には3つの端子があるが、中央部分は、外寸に関してはSurface Pro 4と共通になっているSurfaceコネクタと同じになっており、ドッキングステーションは、Surface Pro 4、Surface Bookが共通で利用することができるとのことだった(PCI Expressのレーン数に関しては不明)。

Adobe MAXの展示会におけるMicrosoftのブース、今日からSurface Bookと、Surface Pro 4を展示開始
CPUはCore i5-6300Uが搭載されていた。残念ながら今回展示されていた製品にはGPUは内蔵されていなかった
タブレット部分を分離するには、キーボードにある脱着ボタンを押して、写真のReady to Detachが表示されないと物理的に分離できないようになっている。謝って分離しないようになっているのは安心だが、いきなり引っこ抜きたい時にはちょっとまどろっこしい
クラムシェルモードの時には、どこからどうみてもクラムシェル型ノートPCにしか見えない
本体を取り外して裏側を見た状態。裏側のロゴはSurface 3と同じWindowsロゴマーク、右上に背面カメラがある
背面カメラ部分

バッテリの総容量は69Wh、N-Trigのデジタイザ採用、打鍵感が改善されたキーボード

 キーボード側にはバッテリ、GPU(GPU搭載モデル)、USB 3.0ポート×2、DisplayPortが内蔵されているが、Powercfgコマンドで確認してみたところ、2つあるバッテリは1つが18Wh、もう1つが51Whとなっていたので、おそらく本体側が18Wh、キーボード側が51Whだろう。

 Surface Bookのタブレット本体側に関しては、キーボードドック用のコネクタ以外には、音声入出力を除いてUSBもDisplayPortも一切のポートが用意されてない。おそらく極限まで薄くするためのデザイン上の工夫だと思われるが、PCとして使う時にはキーボードドックに接続して利用することになるので特に問題はないだろう。

 ペンに関しては、Microsoft独自の新チップを採用したものという説明があったが、筆者が持っていたVAIO用のペン(N-Trig製デジタイザ用)を試しに利用してみたところ、問題なく使えたので、Microsoftが買収したN-Trigのデジタイザを改良し使っている可能性が高い。Microsoftではこのデジタイザの筆圧の階調を1,024段階と説明しているが、それが他のN-Trigベースの製品と同じように、ハードウェアは256段階のものをソフトウェア的には1,024段階としているのか、ハードウェアで1,024段階に強化されているのかは現時点では不明だ。なお、従来のSurface 3/Pro 3世代と同じように、筆圧カーブに調整を加えられるツールがバンドルされている。

 従来のSurface 3/Pro 3では、ペンはキーボードの裏面にマジックテープで留める型式のホルダーに格納することになっているが、Surface Bookでは、本体の左側面にマグネットが入っており、それにより本体の左側面にくっつけられる形となっている。収納しやすくはなったが、カバンなどにいれた時には、分離してしまう可能性がある。

 キーボードに関してだが、キーボード側にもバッテリや基板が入っていることで、かなりがっしりしており、従来のタイプカバーキーボードのように、入力していてぐらぐらするという感じはなくなっている。普通のクラムシェル型PCとして使えることが最大の特徴と言っていいだろう。キーのストロークは最近の薄型PCとしてはしっかりいている方で、Ultrabookなどの薄型ノートPCになれているユーザーなら違和感なく入力できるだろう。

テントモードにするときには一度ロックを解除して再度取り付け直す、なおドッキングの解除はタスクトレイにあるアイコンからでもできるので、テントモードのようにキーボードにアクセスしにくくても問題ない
キーボードとタッチパッド部分。パッドも大きめで操作性は良好
キーボードは、バッテリが入っていることで、本体がしっかりしており従来のSurfaceシリーズのようにたわむ感じがしないので入力時の快適度は全然違う。ストロークも薄型ノートPCとしては十分なストロークが確保されている。またキーボードバックライトも用意されている
電源コネクタは、従来のSurface Proシリーズの意匠を継いだデザインになっている
タブレット本体のコネクタに直接挿すことも可能になっている
電源コネクタはSurface Pro 4と共通
キーボードドック側のドッキング部分
キーボードドック側のドッキングコネクタ
本体側の底面にあるドッキングコネクタ、ここにPCI Express、USB、DisplayPortなどが通っている
本体の左側面、ヘッドフォン端子が用意されている
本体の上面、電源スイッチと音量ボタン
本体の右側面、特に何も端子がない。このように、タブレット側にはヘッドフォン端子以外は何も用意されていない
本体の付属しているペン、新しく上部に消しゴムボタンがついた
本体とマグネットで接地させる部分
ペンの筆圧調整ソフトウェア
VAIO用のN-Trigデジタイザペンがそのまま利用できた。つまりデジタイザはMicrosoftが買収したN-Trigの技術がベースになっている
キーボードドックの左側面にはUSB端子×2とSDカードスロット
デバイスマネージャーの表示、Wi-FiはMarvell製、CPUはIntel Core i5-6300U
液晶の解像度は3,000×2,000ドット
SSDはNVM Expressの512GBが搭載されていた
バッテリは18Whと51Whの2つのバッテリが搭載されている。前者がタブレットに内蔵され、後者がキーボードドックに搭載されていると考えられる
液晶が開く様子。機構は独自設計だが、ヒンジ自体は一般的なクラムシェル型ノートPCと同じ1軸

(笠原 一輝)