イベントレポート
Lenovo、超高解像度のYoga 2 ProやThinkPad YogaなどマルチモードPCを拡充
~デュアルモードで低価格のFlexも発表
(2013/9/6 17:42)
Lenovoは、IFAの開幕前日の5日(現地時間)に記者会見を開催。昨年(2012年)発売した、液晶が360度回転する「Yoga」(ヨガ)シリーズの後継となる「Yoga 2 Pro」や、「ThinkPad」シリーズで同様の液晶回転機構を備えた「ThinkPad Yoga」を発表した。
同社では、こうした複数の形状に変形できる機能を「マルチモード」と呼んでおり、エンドユーザーに対して複数のシーンで思ったように使える点をアピールしていきたい意向だ。
また、Lenovoは変形機構を2つに絞った低価格版Yogaとして「Flex 14/15」を投入。14型のローエンドモデルを499ユーロで発売することを明らかにしたほか、1月のCESで発表したファミリー向けのタッチ対応液晶一体型PC「Horizon」の小型版として、「Flex 20」を発表した。
3,200×1,800ドットの高解像度ディスプレイとHaswellを搭載したYoga 2 Pro
IFA会場に設営されたLenovoブースで行なわれた記者会見で、Lenovo ビジネス事業部上級部長のニック・レイノルド氏は、昨年発売したYogaシリーズの最新製品としてYoga 2 ProをWindows 8.1の正式出荷以後に発売することを明らかにした。
Yogaシリーズはいわゆる2-in-1デバイスと呼ばれる変形機構を備えるノートPCで、日本では「Yoga 13」、「Yoga 11S」という2製品が既に発売されている。Yoga 13、Yoga 11Sは、いずれも第3世代Coreプロセッサ(Ivy Bridge)を搭載している。
今回発表されたYoga 2 Proは、13.3型の液晶ディスプレイを搭載しており、サイズを考えると、Yoga 13の後継製品と考えることができる。最大の特徴は、液晶の解像度がQHD+(3,200×1,800ドット)という高解像度になっていることだ。従来のYoga 13はフルHD(1,920×1,080ドット)であったので、かなり大きな進化だと言える。レイノルド氏は「ピクセル数が4倍近くになっただけでなく、1.4mm薄くなって15.5mmに、さらに重量も10%ほど減って1.39kgになった」とアピールした。
これ以外のスペックとしては、第4世代Core Uプロセッサ、メモリ8GB、SSD 128/256/512GB、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0、720p Webカメラ、Dolby Home Theaterに対応したオーディオなどを搭載している。本体サイズは、330×220×15.5mm(幅×奥行き×高さ)。
レイノルド氏によれば、Yoga 2 Proは、10月出荷、1,099ドルの価格が予定されているとのことだった。日本での発売などに関しては特にアナウンスはなかった。
ThinkPadシリーズとしては初めてのYogaタイプとなるThinkPad Yoga
引き続いてレイノルド氏は、同社のビジネス向けノートPCであるThinkPadブランドのマルチモードPCとなるThinkPad Yogaを発表した。
Yogaシリーズが、同社のコンシューマ向け製品であるのに対して、ThinkPadシリーズは、ビジネスユーザーに向けたノートPCとなる。ThinkPadではこれまで、Yogaのような液晶回転機構を持つ製品はリリースされていなかったが、ThinkPad Yogaは、Yogaと同じようにマルチモードで利用できる。
ビジネスユーザーのニーズを満たすため、従来のThinkPadと同等の耐久性や保証制度などを持っているほか、Yogaシリーズにはない特徴として、タブレットモード時にはキートップが筐体内部に格納される機構を持っている。
液晶はHD(1,366×768ドット)とフルHDの2モデルが用意されており、CPUは第4世代Core Uプロセッサを採用。標準のサイズは316×221×18.8mm(同)で、重量は1.58kgとなる(サイズと重量はモデルによって異なる)。バッテリ容量は47Whで、Core i3を選択すると8.3時間のバッテリ駆動が可能になるとLenovoでは説明している。
価格は949ドルが予定されており、11月に米国などで販売が開始される予定だ。日本での発売予定、価格などは現時点では特にアナウンスはなかった。
クラムシェルとスタンドモードに絞ることで低価格を実現したFlex 14/15
Yoga 2 Proや、ThinkPad Yogaが液晶部分が360度回転し、4つのモードで利用できるのに対し、Flex 14/15はクラムシェルとスタンドモードの2つだけをサポートし、コストを削減したローエンドモデルとなる。
Yogaシリーズで採用されているような360度回転するヒンジのデザインは複雑で、どうしてもコスト高になってしまうため、同じようなクラスのクラムシェルノートPCに比べて価格を高くせざるをえないのだ。
そこで、Flex 14/15では液晶部分の回転を360度ではなく、スタンドモードとして利用できる程度にまでと限定したことで、安価に提供できるようにした。レイノルド氏は「Flexシリーズは10月以降のホリデーシーズンに499ユーロからで発売する」と述べ、マルチモードを、より買い求めやすい価格帯にももたらすことが狙いだと説明した。
Flex 14/15はCPUには第4世代Core Uプロセッサ、メモリ最大8GB、タッチ対応HD液晶、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0というスペックになっており、14型液晶を搭載しているFlex 14が2kg、15型液晶を搭載しているFlex 15が2.3kgの重量となる。
Horizonの20型版となるFlex 20
LenovoはCESで、Horizonと呼ばれるファミリー向けのタッチ対応液晶一体型PCを発表、グローバル市場で販売しているが、IFAにおいては、その20型版となるFlex 20を発表した。
Flex 20は底面にスタンドを備えており、大型のタブレットPCとして利用できるほか、スタンドをしまい机と水平にするとテーブルトップで利用することが可能になる。
スペックは第4世代Coreプロセッサ、HD+(1,600×900ドット)解像度の19.5型液晶、メモリ最大8GB、500GB HDDないしはSSDキャッシュ内蔵500GB HDD、Dolby Home Theater v4オーディオ、IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0、内蔵バッテリで3時間駆動。サイズは509.3×311.7×20.5 mm(同)、重量は3.5kgとなる。
このほか、Lenovoは「Vibe X」というスマートフォン、「S5000」というタブレットを発表した。Vibe Xは5型フルHD液晶を搭載したスマートフォンで、SoCにはMediaTek 6589Tというクアッドコアプロセッサを搭載。CESで発表された「K900」がAtom Z2580を搭載したハイエンド向けであるのに対して、普及価格帯向けの製品となる。S5000も同様で、MediaTek 6589Tを搭載しており、米国での価格が199ドルとなる予定で、やはり普及価格帯を狙った製品となる。