ソフトバンクモバイル、デル「Streak」とシャープ「GALAPAGOS」を発売
~GALAPAGOSは裸眼立体視、おサイフケータイ対応

11月4日 発表



 ソフトバンクモバイル株式会社は4日、2010年冬~2011年春向けの携帯電話およびスマートフォンの発表会を開催。この中で同社は、5型液晶を搭載したデル製タブレット「Streak」(ストリーク)および、裸眼立体視に対応するシャープ製スマートフォン「GALAPAGOS」(ガラパゴス)などを発売することを明らかにした。

今回発表の6機種全てが最新のAndroid 2.2搭載

 今回同社は、スマートフォン6機種を発表。全ての機種で最新のAndroid 2.2を搭載する。同OSは、Flash 10.1対応によるUstreamやニコニコ動画(原宿)への対応、アプリケーションの高速化、電話帳などでの読みヨミガナ検索、microSDカードへのアプリ保存、アプリの一括自動更新、PC版Google Mapなどとの連携、Microsoft Exchange連携、Bluetoothでの電話帳データ交換、端末やアプリ設定のクラウドバックアップ機能、画面ロック機能などが新たに追加された。

 この内、本レポートでは、GALAPAGOSおよびStreakについて取り上げる。そのほかの製品については、僚誌ケータイWatchの記事などを参照して欲しい。

●裸眼立体視や電子書籍に対応するGALAPAGOS

 GALAPAGOSは、先だってサービス/端末提供者であるシャープが単独で発表した電子ブックストアサービスの名称。今回ソフトバンクモバイルから、製品としての発表が行なわれ、その製品名もそのままGALAPAGOSがつけられた。

 端末はスレート型の「003SH」と、スライド式キーボード付きの「005SH」の2機種が用意。発売は、前者が12月上旬以降、後者が2011年2月以降。基本的な機能や仕様は共通となる。

003SH003SHは全部で13種類の筐体を用意005SH

 電子書籍については、「ソフトバンク ブックストア」の名称でGALAPAGOSにあわせて12月上旬から提供が開始される。コンテンツの主な提供予定出版社は、角川書店、講談社、集英社、小学館で、そのほか数十社が予定されている。

 コンテンツは、書籍のほかマンガも用意。購入料金は、携帯電話の利用料金と一緒に請求されるので、別途契約したり、クレジットカードを用意する必要がない。また、後述のStreakにも対応予定となっている。

10万点の電子書籍を提供003SHでマンガを表示させたところ

 ハードウェア面の特徴としては、800×480ドット表示の3.8型タッチ液晶を搭載。シャープの発表会では言及がなかったが、今回の端末は裸眼による立体視に対応する。

 ネイティブの3Dコンテンツとしては、3D写真撮影機能を搭載。本製品のカメラ(003SHは960万画素、005SHは800万画素)は1つのレンズしかないが、撮影時にカメラ自体を横方向へパンさせることで、視差の異なる画像を撮影し、立体視用に変換する。

 また、「バイオハザード4」、「魔界村騎士列伝」、「ロックマン」、「モバイル・パワフルプロ野球3D」といった3D対応ゲームが標準インストール。さらに、3D動画にも対応するUstreamアプリケーションを提供するほか、映画の予告編など3D動画コンテンツも順次配信していく。

レンズは1つだが、3D写真を撮影可能具体的には横にパンさせながら撮影する立体視対応ゲームもプリインストール

 GALAPAGOSの名前が示すように、本製品はAndroid機でありながら、いわゆる「ガラケー」で広く採用されている機能も搭載。具体的には、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信に対応。また、絵文字を使う「デコレメール」にも標準で対応する。

 003SHの本体サイズは約62×121×12mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約139g(暫定値)。005SHの本体サイズ/重量はまだ公開されていない。003SHは、標準の赤、黒、白以外に、10個の限定装飾ボディが用意される。

 CPUは1GHzのSnapdragon。通信方式は国内がW-CDMA、海外はW-CDMAとGSM(900/1,800/1,900MHz)。このほか、無線通信機能として、IEEE 802.11b/g無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、GPS、赤外線を搭載。

いわゆるガラケー機能である、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信にも対応

●5型液晶搭載タブレットStreak

 Streakは、今夏より欧米で発売されているデル製タブレット。通常の電話としても利用できるが、ソフトバンクモバイルでは「スマートタブレット」というジャンル名としている。発売は12月上旬以降。

 800×480ドット表示対応で5型という大型の液晶を搭載し、動画のほか電子書籍の閲覧や、Google Mapを使ったナビゲーションなどに好適な製品。本体サイズは約152.9×79.1×9.98mm(同)と、スマートフォンと比べると大きいが、重量は220gと比較的軽量。本体色はチェリーレッドとカーボン(黒)。

Streak。5型の液晶を搭載背面のカバーは赤と黒の2モデル別売のUSBスタンド

 「DELL Stage」と呼ばれる独自のユーザーインターフェイスを搭載。再生頻度の高いコンテンツを優先的に表示したり、ホーム画面にアプリやメニューへのショートカットを自由に配置できる。

 通信方式は国内がW-CDMA、海外はW-CDMAとGSM(850/900/1,800/1,900MHz)。このほか、無線通信機能として、IEEE 802.11b/g無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、GPSを搭載。カメラは500万画素を外側、30万画素を内側に搭載する。液晶面には、傷がつきにくいというGorilla glassを採用する。

 このほか、今回発表のAndroid端末は、Androidマーケットでのアプリ購入代金を、通話料金などと一緒に決済できる。また、これまでiPhoneなどに提供されていた、雑誌/新聞などの配信サービスである「ビューン」にも対応。新たに9媒体が追加され、40の雑誌、新聞、テレビなどが閲覧できる。このほか、「Farmville」、「ラグナロクオンラインMobile Story」、SNSの「FilMeee」などを他社に先駆け提供し、mixiとの連携機能も搭載する。

●iPhoneを除いた残り2割のスマートフォン市場でもこだわり抜いた端末を

 4日に行なわれた発表会では、孫正義社長が登壇。孫氏はまず、現在のスマートフォン市場でiPhoneが8割のシェアを握っているだけでなく、その新規契約者の4割近いユーザーが女性である事を紹介し、iPhoneがすでにライフスタイルとして、生活の中に定着していると語った。

 孫氏は、今後もこのiPhoneそしてiPadの事業は、これまで同様に注力していくが、残りの2割の市場についても、Android 2.2の採用や、独自の機能/サービスなど、こだわり抜いた端末を提供することで、積極的にシェアを取っていくとの意気込みを語った。

 さらに、42Mbpsという高速通信が可能な「DC-HSDPA」を使う次世代通信サービス「ULTRA SPEED」を2011年2月から提供していくことを発表。NTTドコモは、37.5Mbpsの通信が可能なLTEを使った次世代通信サービスをすでに発表しているが、その人口カバー率が2012年3月でも約20%の予定なのに対し、ソフトバンクモバイルでは2011年6月までに約60%を目指すといい、孫氏はその優位性を強調した。ULTRA SPEED対応製品としては、まずはPC用のUSBアダプタとモバイルWi-Fiルーターが予定されている。

孫正義氏iPhoneは国内スマートフォン市場で8割のシェアを持つが、残りの2割でも攻勢をかける
42MbpsのULTRA SPEEDを来春提供開始人口カバー率も早急に拡大する

 このほか、発表会にはCMに登場する女優の上戸彩さんと、俳優の松田翔太氏も登場。GALAPAGOSについて印象を聞かれると、上戸さんは「自分がもらってもうれしいメールを送りたいので、いつも“レインボー"なメールを送っています。なので、スマートフォンでもデコレメが送れるのはとても便利」と答えた。松田氏は「仕事の待ち時間でワンセグを見られるのがうれしい。ネットサーフィンもかなりしているので、Flash 10.1対応なのもありがたい」と語った。

発表会には上戸彩さんと松田翔太氏も登場その場で3D写真の撮影などを行なったさらに3D版予告編がプリインストールされると言うことで、映画シュレックのキャラも登場

(2010年 11月 4日)

[Reported by 若杉 紀彦]