【特別企画】
Webカメラは外付けがイイ? ログオン、ビデオ会議に
ロジクールの高性能Webカメラ「BRIO」の実力を見た!
(2017/03/23)
スマートフォンにインカメラがあるように、今やPCにもユーザーの顔を映す内蔵カメラが当たり前のように搭載されている。ノートPCはもちろんのこと、一体型のデスクトップPCもカメラ内蔵は珍しくない。これらの内蔵カメラは、おそらくビデオチャットに活用している人が多いだろう。
個人用途のビデオチャット程度であれば、PC内蔵カメラに高い性能を求める人は少ない。けれど、それをビジネス用途でさまざまな場面に使おうとすると、不都合が出てきてしまう。通常はユーザー1人だけ映すことを前提としているカメラのため、例えば複数人が参加するビデオ会議に利用する時、画質・使い勝手の面で物足りなさや扱いにくさを感じがちだ。
会議室などに設置するビデオ会議システムがやはり最適なのだろうか。いや、実はもっと手軽に高性能なWebカメラを導入でき、しかも会社の1人ひとりが有効活用できる仕組みがある。それが、ロジクールのビジネス向けWebカメラ「BRIO」だ。一体どんなメリットを兼ね備えたカメラなのか、PC内蔵カメラと比較しつつチェックしてみよう。
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ロジクールのビジネス向け外付けWebカメラ「BRIO」
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同梱物はBRIO本体の他、USBケーブル、クリップ、プライバシーシェード、ポーチ
「Windows Hello」対応で、高速ログオン・高セキュリティを実現
Windows 10は、ログオンの手段として生体認証(顔認証)による機能「Windows Hello」を搭載したのがウリの1つ。パスワード入力が不要になり、指紋認証機能のあるPCなら指紋を読み取るだけで、対応カメラのあるPCなら顔を映すだけで、素早くWindows 10にログオンできる。あらかじめ登録しておいたユーザー固有の生体情報を識別するため、高いセキュリティレベルを実現しているのも特徴だ。
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Windows 10の生体認証によるログオン機能「Windows Hello」を設定
しかし顔認証機能を利用したいと思っても、単にPC内蔵カメラがあれば使えるというものではない。ハードウェアとしてWindows Helloに対応している必要があるのだ。その点BRIOならきっちり対応しており、視界に顔をさっと入れるだけで、通常のカメラレンズとは別に用意された赤外線カメラセンサーによりあっという間にユーザー認証が完了する。
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ログオン画面ではカメラに顔を映すだけ。パスワード入力は不要だ
PC内蔵カメラと比べてセットアップに手間がかかりそうなイメージのある外付けカメラだけれど、BRIOはUSBポートに接続するだけで認識し、数十秒間程度待つだけでドライバが自動インストールされ使い始められる。ビデオチャット用としてだけでなく、普段のPCの使い勝手やセキュリティを向上させるアイテムとしても活躍するため、スタッフ1人に1台ずつ導入するのにぴったりのカメラなのだ。
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BRIOはUSB Type-Cケーブルで接続。PCとつなげるだけで即使えるようになる
明るさ不足を自動補正。どんな時でも顔の細かな表情を読み取れるように
Webカメラをビデオ会議に使う際に最も不満に感じることの代表的な例が、映像の品質だ。品質と言ってもそこにはさまざまな要素がある。特に気になるのが、部屋が暗かったり、逆光だったりして、表情が見にくいという問題だろう。
リアルな会議室内で面と向かって話し合うのとは違って、インターネットを通じたビデオ会議はある意味“仮想的”なもの。だからこそ、相手や自分の考えていることが正確に伝わるようにするには、できるだけ高い画質で、互いの表情の変化がはっきり捉えられるかどうかが重要になる。気心の知れた同僚とのミーティングならともかく、社内外の大切な相手となれば、見にくさからちょっとした誤解が生まれないようにしたいもの。
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ビデオ会議で部屋を暗くして、プロジェクターでスライドを見せることもあるだろう。こんな時、チャットの映像はどうなるだろうか……
BRIOはその“暗さ”の問題を、独自の「RightLight 3」と呼ばれる機能で解決している。これは、カメラやテレビなどで最近話題になっているHDR技術を応用したもの。背景と人物の明暗の差が大きい場合でも、暗い部分は明るく、明るすぎる部分は抑え気味にし、最適な見栄えの映像に自動調整してくれる。
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PC内蔵カメラの映像。暗く、沈んだような印象
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BRIOの映像。全体的に明るくなり、細かな表情も見える
ビデオ会議をする場所が、必ずしも適切にライティングされているわけではないし、背後に強い外光が入り込む窓があって顔が影になっていても、気にせずにビデオ会議を始める人がほとんどかもしれない。BRIOであれば、そういった“悪条件下”でも顔の表情を明るくはっきりと捉え、細かな表情とともに考えていることを伝える助けになるのだ。
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PC内蔵カメラで逆光の状態で撮影してみたところ。窓の外は完全に白飛びしている
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BRIOでは窓の外の風景も見えつつ、手前の顔の表情や洋服の質感までしっかりわかる
最大90度の広視野角で大勢の会議参加者をカバー
とりわけ大勢が参加するビデオ会議では、カメラがどれだけの範囲を視界に収めることができるかも重要なポイントだ。PC内蔵カメラは、PCのすぐ前に座っているユーザーを想定した設計になっていることもあり、視界は狭いものが多い。もちろんその方が顔を大きく映せるが、会議室のように複数人が横に広がって座る場面で使うと、相手には参加者の一部しか見えないなんていう状況にもなりうる。
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1対1のビデオチャットならPC内蔵カメラでも十分な視野角かもしれないが、1対多や多対多となるとそうもいかない
一方BRIOは、最大で左右90度という広視野角での撮影が可能になっており、BRIOのすぐ脇に座っている人から遠くにいる人まで、全体を1画面内に収めやすい。より多くの会議メンバーを映像でしっかり捉えることで、誰がしゃべっているのか常に把握できるし、発言する人が変わるたびにいちいちカメラの向きを調整するような手間も不要になる。
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PC内蔵カメラで会議室を撮影。両端の人が見切れている
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BRIOで撮影。内蔵カメラだと画面外で発言しているような人も、しっかり捉えられる
しかし視野角が広すぎると、今度は1人でビデオチャットする時に背景が目立ってしまう、なんて思うかもしれない。そういう場合は視野角を65度や78度に変えて狭くすることも可能だ。最大5倍のデジタルズーム機能と、ズームした状態で任意の範囲に映像をパン(スクロール)する機能も備えているので、相手に見せたいところを強調する使い方もアリだろう。
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視野角は65度、78度、90度の3種類から選択できる
ところで、Webカメラの位置はディスプレイの上、というのが定番でもあり、BRIOもディスプレイのベゼルに固定する付属のクリップと併用するのが標準的な使い方となる。が、BRIOは外付けカメラなので、当然ながら固定位置はベゼルに限らない。
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折り曲げてディスプレイにフィットさせられる付属クリップ
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底面には三脚穴も設けられている
本体底部にカメラ三脚用のネジ穴が設けられているから、会議室の隅に三脚で立てて全体を見渡すように撮影するのもいいし、持ち歩くことの多いノートPCならデスクに小さな三脚でさりげなく置いておくのもおすすめ。こうした応用の幅があるのも、外付けカメラのBRIOならではだ。
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会議室で三脚から撮影。こうすれば室内全体を捉えられる
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据え置き的に使うなら、このように小型の三脚で置いておくのもいい
4K対応で遠くの人の表情もバッチリ伝わる
さて、ここまでは主に使い勝手に関わる機能について紹介してきたが、実はBRIOはハードウェアとしての基本性能も高い。昨今話題にのぼることの多い4K解像度での撮影に対応し(要USB 3.0接続)、フルHD解像度では秒間60フレームという動きの滑らかな映像が得られる。
高解像度、高フレームレートは、広い会議室で遠くに座っている人物の表情をはっきり見えるようにしたり、物の正確な質感を映像で伝えたい時、あるいは声が聞き取りにくい環境で口の動きからしゃべっている内容を補完するような場合などに役立ってくれる。ビデオチャットで学ぶオンライン英会話でも、口の動きや舌の使い方を相手に見てもらうのに、こうした高い性能が大きなメリットとなるのではないだろうか。
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PC内蔵カメラで会議室の遠くの人物を撮影。少し“のっぺり”したような映像
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BRIOで撮影。これは4Kモニターではないが、それでも表情が立体的に見え、輪郭も鮮明だ
さらに使い方次第で面白くなりそうなのが、背景を好きな画像に差し替える機能(Background Replace)だ。映像内の人物のシルエットを認識し、人物と任意の画像をリアルタイムに合成するもので、あらかじめ用意されている都会の夜景やポップなカラーリングの部屋など8種類の写真、画像のほかに、自分で用意した写真も使うことができる。
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背景が雑然としている場所。あまり見せたくないなと思った時は……
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背景を変えれば一気におしゃれな雰囲気になる!?
ビジネスでは、自宅でのテレワーク(在宅勤務)で緊急的にビデオ会議しなければならない時、背後の部屋の生活感を相手に見せたくない場面で使えそうだ。プライベートな用途では、いつもとは気分を変えたい時、動画のライブ配信でテーマに合った雰囲気にしたい時に便利だろう。
ビジネスシーンで活躍間違いなしのBRIO!
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プライバシーシェードは指先で簡単に開閉可能
その他、PC内蔵カメラにはあまり見られない気の利いた機能もいくつかある。付属の「プライバシーシェード」で一時的に相手に映像を見せないようにカメラレンズを隠すことができるギミックや、オートフォーカスの機能をオフにし、あえてピントをずらしたボケた映像に手動設定することで、同じようにプライバシーを守りながらビデオチャットするテクニックも使える(背景を差し替える機能の1パターンとして、ボケた映像を選ぶこともできる)。
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フォーカスを手動設定すれば、ぼんやりした映像にしてプライバシーを守りながらビデオチャットできる
暗い場所でもきれいに細かな表情まで映せるRightLight 3、最大90度の広視野角、4K解像度にも対応する鮮やかな画質など、外付けカメラならではの高性能と幅広い応用性が、あらゆるビジネスシーンで活躍してくれることは間違いない。イタリア語で「元気」や「快活」を意味するという「BRIO」の名の通り、導入することでビジネス自体が活性化することも期待できる……かもしれない。
なお、BRIOは法人向け製品のため、店舗などでの一般販売はされていない。購入を検討しているなら同社のWebサイトから問い合わせてみてほしい。