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職場でも自宅でもお勧め。ノートPC+外部液晶で生産性はグッと上がる

~iiyamaディスプレイで働き方改革 その2

 一般的なPCの主流がノート型になって久しい。特殊な用途のもの以外、家庭で使われるPC、企業で使われる汎用PCの多くがそうなりつつある。あらゆるユーザーがモバイルするわけではないが、人間がPCを使う場所に行くというスタイルから、人間がいるところでPCを使うというスタイルに変わったということだ。

外付けディスプレイをつないでデスクトップを複製と拡張

 PCは最初、ブラウン管のディスプレイディスプレイを外付けして使うのが当たり前だった。30年位前は14型、Windowsが出てきたころから17型、20型とサイズが大きくなりつづけ、主流が液晶パネルに交代してからも20~24型がポピュラーだ。

約40年前に発売されたPC-8001

 デスクトップPCにディスプレイを外付けという環境からノートPC環境に移行した場合、可搬性の代償として画面サイズが小さくなってしまった。日本はノートとしては比較的大画面の15.6型ノートがポピュラーだという世界でも珍しい国らしいが、それでも外付けの20型に比べれば小さい。

 その小さな画面に前と同じ情報量を表示しようとすると、必然的に文字、アイコン、図形、画像といった各種情報のサイズも小さくなってしまい、視認性が低下する。ノートPCに代えたのはいいけれど、前より作業効率が落ちたと感じるのはそのあたりに原因がある。

 どうすればいいか。話は簡単だ。PCがノートであっても好きなサイズのディスプレイを外付けすればいいのだ。

このようにノートPCに外付けディスプレイを組み合わせると、生産性が格段に上がる

 Windowsにおける外付けディスプレイの使い方は「複製」と「拡張」がある。「複製」はノートの画面と同じものを外付けディスプレイに表示し、「拡張」はノートの画面に2つめの画面を追加する。使い方としては後者の「拡張」がおすすめだ。せっかく画面が2つあるのだから両方を別の用途に使いたいからだ。

外付けディスプレイをつなげても、「表示画面を複製する」だと、両方に同じ画面が出るだけ
このように「表示画面を拡張する」にすると、デスクトップ画面が2つに増える

Windowsに最適化された23型ディスプレイ

 ノートPCに外付けディスプレイを接続することでデュアルディスプレイの環境が手に入る。ここではマウスコンピューター「iiyama」ブランドの液晶ディスプレイ「ProLite XUB2390HS-4」を使ってデュアルディスプレイの使い勝手を紹介する。

iiyama「ProLite XUB2390HS-4」
本体正面
本体右側面
本体背面
本体左側面

 この製品は、フルHD(1,920×1,080ドット)対応の23型ワイド液晶ディスプレイだ。AH-IPS液晶パネルを採用し、従来のIPSパネルと比較し、色再現性の向上や低消費電力を実現している。昇降可能な多機能スタンドが同梱され、高さの調整はもちろん、画面を回転させて縦長で使うピボット、向きを調整できるスイベル機能も搭載し、ユーザーごとに自分にとって疲労の少ない状態にセッティングできる。

多機能な台座
高さは130mmの範囲で調整可能
角度は下4度/上20度に調整可能
左右90度のピボット回転にも対応
台座を外すと100mm VESAマウントに取りつけられる

 入力系統は、HDMI、DVI-D、D-Subミニ15ピンの3系統入力で、現行で使われているほとんどすべてのノートPCの接続が可能だ。Blue Light Reducer機能を搭載し、目の疲れの原因となる青色光源を低減できるといった機能もある。

ディスプレイ入力端子は、HDMI、DVI-D、ミニD-Sub15ピン
ケーブルも一式付属するので、買い足す必要はない

 電源とステレオスピーカーを内蔵しているという点もうれしい。外付けのACアダプタがいらないのは使い勝手がいいし、ステレオスピーカー内蔵は貧弱になりがちなノートPCのサウンドをリッチなものにしてくれる。

OSD操作用のボタンは右側の下部分
OSDの設定内容

 1,920×1,080ドットは縦横比としては16:9だ。TVと同じである。この23型フルHDというスペックは、Windowsを使う上でめんどうがない。なぜならWindowsが想定する既定のサイズは96dpiで、23型フルHDディスプレイを使ったときに設計通りの表示サイズになるからだ(約99%)。

 それでもまだ小さいと感じるなら多少拡大すればいいわけだ。Windowsにはディスプレイ表示のスケーリング機能が用意されていて、画面ごとにそのサイズに応じて25%刻みで拡大できる。ノート側の画面サイズと外付けディスプレイの画面サイズそれぞれに対して好みの拡大縮小率を設定できるのだ。

解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。23型なので、スケーリングは100%で文字もじゅうぶん読みやすいはずだが、もし小さいと感じるなら25%単位で拡大もできる

 逆に言うと、フルHD環境でWindowsを使うには23型以上が必要で、それ未満のサイズのディスプレイでは、表示される情報の量の点で必ず失うものがあるということだ。

 ちなみに23型を超えてもWindowsでは縮小するという機能が用意されていないので、フルHD解像度であるかぎり、23型超のディスプレイは文字の表示サイズは大きくなり、読みやすくなる。

 23型の手頃なサイズ感は設置スペース等を欲張れないミーティングルームや会議室などでも重宝するだろう。

広がったデスクトップ領域をどう使うか

 デュアルディスプレイ環境では、まず、当たり前のこととして2つ目のデスクトップが手に入るのだから、作業領域が広がる。小さなノートを大きく使えるといったところだろうか。「Windowsの設定」→「システム」→「ディスプレイ」で、ノートPC本体と外付けディスプレイの位置関係を正しく設定して並べた状態にし、マウスやタッチパッドでマウスカーソルを動かすと、片側のディスプレイの端っこをマウスカーソルが通過しもう片側のディスプレイに移動する。

表示画面の複製では、2つの画面を行き来できる

 マウスカーソルが2つ目のディスプレイ間を自在に移動し、ウィンドウの移動やテキスト、画像のコピペなどに伴うドラッグ&ドロップ操作などを画面をまたいでできる。まさにデスクトップの拡張だ。手狭になった住居に離れを増設するような感覚といえる。

 デュアルディスプレイ環境では、複数のウィンドウを使った作業がたやすい。ほとんどの場合、開いているすべてのウィンドウが視野に入る。そのため、たとえば多少スペックの低いPCを使っていても、もたついているときには別のことをやるというような並行処理運用が容易にできるのでストレスが軽減する。

 また、ドラッグ&ドロップによる操作も、仮にドラッグ元とドロップ先の画面が別でも、両方のウィンドウが見えている状態でできるので失敗がない。狭いデスクトップで複数のウィンドウサイズを調整してといった手間がかからない。

 本製品では、ピボット機能を使えば、作業中のアプリに応じて縦表示、横表示を切り替えることができるのも便利だ。たとえば、Wordでの文書作成やブラウザでのウェブ閲覧などは画面が縦長の方が使いやすい場合も多い。まだまだ一般的に使われているA4縦の用紙に印刷することが前提の文書作成なら、縦方向での表示は作業効率が大きく向上するはずだ。

 日常的にiPadなどのタブレットを常用している方も多いと思う。また、スマートフォンなども基本的には縦長で使う。それならPCの画面も縦長で使いたくなるというものだ。作業に応じて縦と横を自在に切り替えることができるピボット機能は、まさにそうしたニーズに応えてくれる。

 もっとも、ノートPC本体と外付けディスプレイの2つの画面があって、いくつものウィンドウが表示されていたとしても、人間が作業に集中できるのは1つのウィンドウだけだ。使い方の感覚としては片方を「集中デスクトップ」、もう片方を「環境デスクトップ」と考えるといい。

 たとえばメールアプリやメッセンジャー/チャットアプリ、Teamsといったグループウェアなど、リアルタイムで内容が更新されるアプリを「環境デスクトップ」に複数表示させておき、文書作成などで直接操作するウィンドウを「集中デスクトップ」として使うのだ。

 アプリの種類によって、ノート、外付け、どちらのディスプレイを「集中デスクトップ」にするか「環境デスクトップ」にするかはユーザー次第だが、より大きくて見やすい外付けディスプレイを集中デスクトップとした方が文字が読みやすく作業もやりやすいのでお勧めだろう。場合によっては「集中デスクトップ」はフルスクリーン運用してもいい。

小さなノートPCには、時々参照するための環境デスクトップ向けアプリを表示しておき、大きな外付けに集中デスクトップ向けアプリを表示して作業するのもお勧めの使い方の1つ
このようにピボット回転を活用して、縦画面と横画面の組み合わせでも使える

外付けディスプレイは圧倒的なコストパフォーマンスの拡張機器

 このようにノートPCに外付けディスプレイを追加するだけで、PCの使い勝手は著しく向上する。夏の東京五輪を目前に、テレワーク関連の話題がホットだが、いつでもどこでも仕事ができるようにしておくのに加えて、働く場所における環境をいかに整備するべきかにも気を遣うべきだ。

 会社貸与のノートPCを自宅で使うような場合、外付けディスプレイがあれば作業効率が高まり、在宅での作業時間の短縮につながる。また、自宅用のノートPCを使う場合も、拡張した広いデスクトップで快適にWeb動画やネットサーフィンが楽しめる。そういう意味では外付けディスプレイの追加は、コストパフォーマンスの点で圧倒的な効果をもたらす。

 今回紹介したProLite XUB2390HS-4の価格は同社の楽天市場で24,400円(2月末時点)となっている。今どきのPCの機能追加に際してこの金額で得られる効果を考えれば、たとえ会社が費用を出してくれなくて、自腹での追加投資になったとしても、決して損はしない買い物だといえる。