今からはじめる快適テレワーク
「疲れるテレワーク」とはサヨナラ、選ぶべきパソコンと周辺機器はこう考える!
~差がつくパソコン、サブディスプレイ、ヘッドセット+αはこれだ!
- 提供:
- テックウインド株式会社
2020年6月15日 06:55
「テレワークは“意識の高い人がやること”。そう考えていた時代がありました……」。多くのビジネスパーソンがこの春から急にテレワークを「やるしかない」状況になっている。
「とりあえずテレワーク」であれば、パソコン+メール+電話で仕事になるが、実際には「仕事が捗らずストレスを感じる」という声も多いようだ。
しかし、正しい知識と環境があれば、オフィスより効率のいい業務環境も実現可能。
どうせやるならこのレベルを実現し、この機会に「できるビジネスパーソン」を目指したい。
フリーランスライターである筆者は、もともと在宅業務の時間が長いのだが、オンライン発表会などにあわせて更なる快適さを追求してみた。
今回はそのノウハウを交えて、快適なテレワーク環境の構築について解説する。
テレワークで重要な「4つの要素」
そのポイントを知っていますか?
テレワークに必要なものとしては、パソコン(PC)、通信環境、セキュリティツール、(会社によっては)VPNが挙げられる。PCに関しては次の章で詳しく解説するので、まずはほかの3つについて触れておこう。
通信環境は光回線またはケーブルTVが理想
スマートフォンのテザリングで通信している方もいるが、テレワークでひんぱんにオンライン会議を行なうのであれば、通信量に制限のない固定インターネット回線を選んだほうが安心感は高い。
ただし、現在インターネット回線の需要の急速な高まりによって、すぐに設置工事ができない場合もあるようだ。そのようなときは、データ通信量に制限のない「モバイルWi-Fiルーター」を暫定的に使おう。
セキュリティソフトについては必須ではない、が……
Windows 10には標準で「Windowsセキュリティ」という機能が用意されており、ウイルスからの保護、アカウントの保護、ファイアウォールとネットワークの保護、アプリとブラウザの保護が利用できるからだ。しかしサードパーティー製セキュリティソフトには独自機能や細かな設定項目が用意されている。それらの機能が必要であれば導入を検討してみよう。
VPNは会社による
VPNは「Virtual Private Network」の略で、インターネット上に仮想の専用線を設定する仕組みのこと。企業であれば、社内ネットワークにアクセスするためにこのVPN機能を利用することがある。VPN機能自体はWindows 10やmacOSにも標準で搭載されている。もし利用する場合には、自分の会社のシステム管理部門に問い合わせて、サーバー名、ユーザー名、パスワードなどの情報を入手してほしい。
ちなみにOSについても触れておくと、Windows 10は2015年の登場以来ひんぱんにバージョンアップが繰り返されており、最新バージョンは「バージョン2004」となっている。ただテレワーク……というより業務に使うPCでは、基本的に動作が安定した1つ前のバージョンを利用することを推奨したい。最新バージョンには未知の不具合が存在する可能性があるからだ。
業務で使用するPCには安定性がなによりも重要。アップデート機能「Windows Update」は有効にしておくべきだが、OSのバージョンアップ自体は強制実行されるまで放置したほうが無難だ。
おまけ : オフィスアプリも検討しよう
なお、テレワークのためにPCを購入するのなら、「Office Home & Business 2019」がプリインストールされたモデルがおすすめだ。
業務でのWordやExcelの利用はほぼ必須だからだ。Officeをサブスクリプション契約(月ごと、年ごとの支払い形態)で利用できる「Microsoft 365(旧Office 365)」も存在するが、プリインストールモデルなら買い切りで利用できるので追加の費用が発生しない。
ただしMicrosoft 365には、オンラインストレージ「OneDrive for Business」やコミュニケーションツール「Skype for Business」などのサービスも含まれる。これらのサービスを利用したいのならOffice非搭載モデルを購入し、Microsoft 365を契約しよう(参考記事 : なぜ日本のMicrosoft 365 Personalは高いのか? 個人/法人で買うべきOfficeをアドバイス)。
ポイント1 : パソコンを見直す
隠れた狙い目の「超小型PC」、疲労も少なくなるこんな仕事スタイル………
現在数多くのPCが販売されているが、エントリーモデルとハイエンドモデルでは処理性能に大きな差がある。
もちろん高価な製品ほど性能は高いが、テレワーク目的であればハイエンドモデルは必要ない。一般的な事務作業とビデオ会議の同時利用をストレスなくこなすPCの目安としては、CPUはCore iシリーズ以上、メモリは8GB以上、ストレージはHDDではなくSSDと考えておけば間違いない。
エントリーPCのなかにはCPUに「Atom」や「Celeron」を搭載しているモデルが多いが、Officeなどの事務作業ならなんとかこなせるが、同時にビデオ会議アプリも動作させるのはさすがに厳しい。また、メモリが4GBだとアプリを切り替えるさいなどにメモリの内容をストレージに書き出す「メモリスワップ」が多く発生する。現代のOS、アプリを快適に動作させるなら8GB以上が推奨容量だ。
SSDにはSATA接続と、より高速なNVMe接続の2種類があるが、テレワーク用であればSATA接続でもかまわない。ひんぱんにストレージの読み書きが発生するクリエイティブ系アプリを使うならNVMe接続SSDのほうがよいが、一般的な事務作業とビデオ会議の同時利用であればSATA接続SSDでも体感的に大きな差はない。
テレワーク用PCとして本記事でまずおすすめしたいのが、小型デスクトップPCの「NUC(Next Unit of Computing)」だ。NUCはIntelが推進しているフットプリントが約10×10cmのコンピュータ。最低限のスペースに設置可能で、既存のディスプレイやTVなどに接続すればリビングなどで急ごしらえの低コストテレワーク用PC環境を構築できる。
もう1つはノートPCだが、こちらの場合は14~15.6型ディスプレイ搭載モデルをおすすめしたい。
7~8型のUMPC(Ultra Mobile PC)や、10~11型のほうが設置スペースはコンパクトで済み、外出時に携帯するのにも適しているが、長時間テレワークするならディスプレイがある程度大きいほうが断然疲労が少ないからだ。
今回、IntelのNUC「NUC10i7FNHJA」を借用してみたが、スペックは相当充実している。CPUは第10世代(Comet Lake)の「Core i7-10710U」(6コア12スレッド)、メモリは8GB搭載されており、2つのSO-DIMMスロット(DDR4-2666)に最大で64GBまで増設可能だ。ストレージは速度と大容量を両立したハイブリッドドライブ構成(16GB Intel Optane Memory+1TB HDD)で搭載されている。
CPUはパワフルな6コア12スレッドで、メモリ、ストレージも増設が可能。将来的にもっと多くのアプリケーションを同時実行したい、大容量データを扱いたい、または高速で大容量なストレージに換装したいと考えたときにアップグレードできる点も本製品の大きなメリット。スティックPCやUMPCとは比べものにならないほど長期間活躍してくれる超小型デスクトップPCと言える。書斎やリビングなど作業場所が決まっているならもってこいのマシンだ。
どこにでも置ける小ささ、増設のしやすさ、性能の高さが魅力のNUC「NUC10i7FNHJA」だが、キーボード、マウス、ディスプレイ、Webカメラなどが別途必要だ。またACアダプタは同梱されているが、それに接続するための電源ケーブルはオプションとなっている。純正品またはサードパーティー製の電源ケーブルを忘れずに購入しよう。利用できるのは3ピンソケット(メス)~2ピンプラグ(オス)タイプのケーブルだ。
「NUC10i7FNHJA」をリビングのTVに接続するさいのセットアップは簡単だ。HDMIケーブルで接続し、TVの入力を切り替えればWindowsのデスクトップ画面が表示される。
1つだけ注意点を挙げるとすれば、ワイヤレスキーボードとマウスを用意しよう。たとえば50型クラスのTVに接続した場合、1~2mぐらい離れた位置でなければ画面が見づらいし、無理して近くで作業すれば目がすぐに疲れてしまう。大画面から離れた場所にキーボードとマウスを置けるよう、ワイヤレスタイプを用意しよう。
リビングのTVをNUCの画面にした場合、ディスプレイを新たに購入する必要がないというメリット以外にも、家族と共有してYouTubeを視聴したり、Minecraftなどのゲームで遊べるという利点がある。チャンネル争いならぬ画面争いが熾烈になる可能性もあるが、ぜひ同じコンテンツを一緒に鑑賞して団らんをお楽しみいただきたい。
ポイント2 : 周辺機器を見直す
狭い卓上でも作業スペースを広く! 騒がしい状況でも話しやすく!
さて今度はすでにPC環境を持っている方に向けて、テレワークに役立つ各種周辺機器を紹介していこう。
モバイルディスプレイでどこでもデュアルディスプレイ
デュアルディスプレイはPCにこだわりがある人が使うもの、と考えている方がまだ多いかもしれないが、じつは近年急速に市民権を得ている。もしやったことがなければ一度試してみたほうが良い。
画面の使用領域が広くなるので、複数アプリをウィンドウを重ねずに表示できるし、テレワークでは必須のビデオ会議アプリにおいて、ミーティングやプレゼンをしながら、一方の画面に資料などを表示したりすることができ、一画面で慌ただしく作業するよりもはるかに効率が上がる。
そうしたデュアルディスプレイ環境を構築するにあたって、おすすめしたいのが「モバイルディスプレイ」だ。据え置き型の一般的なディスプレイを導入してデュアルディスプレイ環境にするのも悪くないが、かさばりがちな電源アダプタや電源コードが不要で持ち運びしやすいモバイルディスプレイを使えば、家のなかのさまざまな場所に置けるだけでなく、必要のないときは簡単にしまえて場所を取らない。
たとえば住まいの制限上、家族が集まりがちな居間で仕事をしなければならないといった場合、据え置き型ディスプレイの設置について家族から理解を得るのは難しいと思われるが、モバイルディスプレイであればすぐに設置・撤去ができるため非常にスマートだ。肩身の狭い思いをせずに、仕事を捗らせることができる。
そんな便利なモバイルディスプレイの1つとして、ASUSの15.6型フルHDモバイルディスプレイ「ZenScreen MB16AMT」を推したい。本製品はPCに映像出力と給電に対応したUSB Type-C端子が備わっていれば、USB Type-Cケーブル1本で接続できる。Micro HDMI端⼦も⽤意されているので、HDMI端⼦から映像出⼒するノートPCも利⽤可能だ
また、7,800mAhのバッテリを内蔵しているので最大4時間まで電源供給なしで利用可能で、10点マルチタッチにも対応している。ノートPCで手軽にデュアルディスプレイ環境を構築したいという方に自信を持ってすすめられる1台だ。
ヘッドセットでビデオ会議が聞き取りやすくなる
ビデオ会議で重要なのはじつは映像よりも音。音声で多くの情報をやりとりするため、聞きづらいと非常にやりにくい。取引先に「今、なんて言いました?」などとたびたび聞きたくはないだろう。
この音の品質を大きく向上させてくれるのが、ヘッドフォンとマイクが一体になったヘッドセットの導入。ノートPCのスピーカー、マイクやWebカメラのマイクよりも高品質な音声再生と入力が可能になる。ここではASUSの「ROG Strix Go 2.4」を紹介する。
本製品はWindows PC、Mac、Nintendo Switch、PlayStation 4と互換性があるUSB Type-Cアダプタでのワイヤレス接続、または3.5mmケーブルで有線接続可能なゲーミングヘッドセット。AI駆動のノイズキャンセリングマイクが採用されており、環境ノイズ、キーボードのタイピング音、背後の音声などを除去して高音質で聞き取りやすい音声を届けられる。
また独自の気密チャンバー設計により高い遮音性を実現。子どもが遊んでいたり、家族が家事をしていても、それらの音を低減してビデオ会議の音声をはっきり聞き取れる。ノートPCのマイク&スピーカーとは比べものにならないほど、ビデオ会議に集中できること間違いなしだ。
Webカメラでビデオ会議の映像を高品質化
ビデオ会議の映像品質を向上させたいのなら、別途品質に優れたWebカメラを導入するのも手だ。一般的なノートPCのカメラはそれほど画質が良くない。また、単体のWebカメラも価格により画質はかなり違う。ここで紹介するASUSの「ROG Eye」は、フルHD(1080p)/60fpsに対応したWebカメラ。HD(720p)/30fpsのWebカメラを内蔵したノートPCに接続すれば、着実に解像度と滑らかさを向上できる。
たとえば、商品をプレゼンするようなビデオ会議で高品質な映像は効果を発揮してくれるはずだ。オジサンの顔を綺麗に映すだけだと意味がないという意見もあるだろうが、ネットワーク中心のコミュニケーションではWebカメラからの映像が、相手が持つあなたのイメージを決めることになる。それだけにバカにできない要素だ。
ポイント3 : 通信環境を見直す
回線だけじゃない! 無線LANルーターは最新のものを。Wi-Fi 6がカギ
テレワークのために最後にチェックしておきたい周辺機器が無線LANルーター。もし長期間、同じ無線LANルーターを使い続けているのならスペックをすぐに確認してみてほしい。
無線LANの規格がIEEE 802.11a/b/g/nどまり、LANポートが1Gbpsにしか対応していなければ、10Gbpsの光回線を導入したとしても無線LANルーターがボトルネックとなって本来の性能を発揮できない。
また、最近のインターネット接続回線は、従来のPPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)という接続方式から、より高速な次世代方式のIPoE(IP over Ethernet)という接続方式に移り変わっている。
少し詳しい話になるが、IPoEはIPアドレスの指定に一般的なIPv4ではなく、IPv6を使っているが、現在のところIPv6に対応していないWebサイトはまだ多く、IPV4 over IPv6という技術を使って、自動的にIPv4接続に変換する仕組みが使われている。大雑把に言えば、IPoEを使えばネット回線を100Mbps→1Gbpsなどと乗り換えることなく、ある程度の高速化を望めるわけだ。
インターネットサービス業者が用意しているいわゆる“v6プラス”などと呼ばれるサービスは、このIPoE/IPV4 over IPv6といった技術を提供するもの。これを利用するためには、対応するルーターが必要だ。念のためスペックを確認しておくことをすすめるが、最新のルーターであればおおむねv6プラスに対応している。ちなみに非対応のルーターでは、インターネット回線が混雑している時間帯で通信速度が大幅に低下するといった障害が起きやすい。
ここまではネット回線とルーターの話だが、ルーターとPCのネットワークには別の問題がひそんでいる。1Gbpsや10Gbpsといった高速なネット回線を導入しても、ルーターが古いとPCが高速にアクセスできない可能性があるのだ。これはとくに規格の進歩が速い無線LAN(Wi-Fi)接続時にありがちな話。
近年のPCは無線LANを飛躍的に高速化できる「Wi-Fi 6」規格に対応した機種が増えているが、ルーター側がこれに対応していないことが1つの原因。もし古い無線LANルーターを使い続けていて通信速度に不満を感じているなら、これを機にWi-Fi 6に対応するASUS製無線LANルーター「RT-AX92U」などの導⼊を検討してみよう。
ちなみに、インターネットサービスの事業者によっては、光回線と直結するような専用ルーターを提供している場合があるが、そういった事業者提供のルーターはWi-Fi 6をサポートしていない場合もあり、別途Wi-Fi 6対応のルーターをアクセスポイントモードで事業者提供のルーターにつないで使用したほうが良い場合もある。
今回実際にWi-Fi 6対応のノートPC「ZenBook Duo」で、「RTAX92U」の実効スループットを計測してみたが、782Mbpsという好成績を記録。一方で、Wi-Fi 5対応ルーター(AirMac Time Capsule)も比較用に測定してみたが、504Mbpsと大きな差が出ていることがわかる。
大元の回線やサーバーが混雑していなければ、さまざまなWebサービスを爆速で利用できるはずだ。近年はスマートフォンも高速無線LANに対応しているため、本機を導入すれば自分や家族が自宅でスマートフォンを利用するさいの快適さもアップすることも見逃せない。
ポイント4 : 便利な小物を導入する
少ない投資であなたの疲労とストレスが激減するアイテム達
このほかにも、テレワークに役立つ便利なアイテムを紹介したい。
SilverStone製のUSB Type-C変換ケーブル「SST-EP11」はMini DisplayPort、HDMI、VGAと異なるケーブルを利用するディスプレイと接続するために、USB Type-Cハブ「SST-EP14C」は端子の数、種類がかぎられているノートPCに周辺機器を接続するさいに重宝する。皆さんの利用スタイルに合わせて導入を検討してみてほしい。
コロナ禍が収束してもテレワークという就業スタイルは定着する
新型コロナウイルスが早く収束することを望んでやまないが、その後も新しい働き方の1つとして、テレワークという就業スタイル自体が定着することは間違いない。テレワークには良し悪しもがあるが、在宅業務環境を整備すれば仕事の効率が向上し、ストレスを大幅に低減できるはずだ。今回紹介した製品のなかから、皆さんの仕事と暮らしを効率化するアイテムが見つかれば幸いだ。