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“ポイ活”でWindows 10を延命できるってどういうこと?無料でESUを使う方法、教えます

 Windows 10のサポートが終了しアップデートは提供されなくなってしまった。だが、Microsoftの提供する「拡張セキュリティ更新(ESU)プログラム」に登録することで、個人ユーザーの場合は2026年10月13日までの約1年間に限り、これまで通りセキュリティ更新を受け取ることができる。

 このESUには3,500円という料金が設定されているが、「実質タダ」で登録する方法もある。今回はその方法について解説したい。

実質タダでESUに登録する2つの方法

 Windows 10向けのESUは、Microsoftにおいてセキュリティ上「緊急」や「重要」に分類されるセキュリティ更新が2026年10月13日まで提供されるオプションプログラムだ。期間は約1年間(法人の場合は最大3年間)で、機能の修正や改善などセキュリティ以外の更新は提供されないものの、Windows 10を一定程度安全に使い続けるための最も合理的な手段といえる。

 ESUは法人ユーザーにおいては基本的に有償となるが、個人ユーザーの場合は有償(3,500円)のほかに、支払いの発生しない「実質タダ」で登録する方法もある。1つは「Windowsバックアップ」を有効にするというもの。もう1つは「Microsoft Rewards」と呼ばれるポイントプログラムで貯めた1,000ポイント分を消費するというものだ。

Windows Updateの画面からESUに登録できる
Windows Updateの画面にある「今すぐ登録」をクリック
「次へ」をクリック
Microsoftアカウントでログイン
ESUの登録にあたって3つの選択肢の中から選ぶ

【方法1】「Windowsバックアップ」でESUをゲット

 ESUに登録するための最も手間のかからない手段は、前者の「Windowsバックアップ」の有効化だ。手順は、Windows 10の設定アプリの「アカウント」→「Windowsバックアップ」で「自分の設定を保存する」のチェックをオンにするだけ。

 その後「Windows Update」の画面で表示されているESUの「今すぐ登録」リンクをクリックして、Microsoftアカウントでログインすれば、「追加料金なし」で登録できる。手間も料金もかからないので、おそらく大半のユーザーにとってこの方法がESUへの一番の近道だろう。

Windowsバックアップをオンにする
「Windowsバックアップ」の設定で「自分の設定を保存する」のチェックをオンに
そうするとESU登録時にほかの選択肢は現れず、そのまま無料で登録できる

【方法2】「Microsoft Rewards」1,000ポイントでESUをゲット

 しかし、個人利用のPCとはいえ、Windowsバックアップをオンにすることで、パスワードをはじめとするPC内のデータがサーバー側に保存されるのはなんとなく不安、という人もいるかもしれない。その場合は2つ目の方法、「Microsoft Rewards」のポイントを消費してESUに登録する方法を選ぶとよい。

 Microsoft RewardsはMicrosoftが提供しているポイントプログラムで、たとえばMicrosoftの検索サービスであるBingでWeb検索するなどして少しずつポイントを貯めていける。これが1,000ポイントあれば、それと引き換えにESUに登録できるというわけだ。

Microsoft Rewardsの公式ページ

 1,000ポイントまで貯めるのには時間がかかりそうに思うかもしれないが、実はハードルはそれほど高くない。通常、BingのWeb検索で1日に30ポイント(検索1回あたり3ポイント)、もしくはそれ以上獲得できるので、検索し続ける「根気」は必要になるものの、毎日繰り返せば少なくとも1カ月余りで1,000ポイントに到達することになる。

ポイントはBing検索で入手可能
BingでWeb検索するとポイントが貯まる
Bing検索画面の右上にはポイント残高も表示されている
Windowsの検索窓からのWeb検索だとさらに効率よくポイントを稼げる

 ほかにも、Microsoft Rewardsへのショートカットをタスクバーにピン留めすることで50ポイント、Microsoft Rewardsのダッシュボードページに掲載されているコンテンツにアクセスすることで数十ポイント、それぞれ獲得できる。さらに友人にMicrosoft Rewardsを紹介することで月最大15,000ポイントゲットできるので、早ければ即日1,000ポイント達成も不可能ではない。

検索以外でもポイントが貯められる
Microsoft Rewardsのショートカットのピン留めで50ポイント
ポイントが貯まるほど(=検索すればするほど)レベルアップし、ポイント獲得の効率は上がっていく

 貯めたMicrosoft Rewardsは当然ながらESU以外の用途にも使える。Amazonギフト券やPayPayポイントなどに交換することも、Microsoft製のノートPCや周辺機器のプレゼント抽選への応募に使うことも可能だ。

 Bingがデフォルトの検索サービスとなっているMicrosoft EdgeをメインのWebブラウザとして使っていれば、自然とポイントがどんどん貯まっていくので、ESUとは関係なしに普段から積極的にポイ活していきたいところだ。

コストゼロで1年間の安心を得られるESUに登録しよう

 今回はMicrosoft Rewardsが2,000ポイント以上貯まっていたので、試しにこれを消費する形でESUに登録してみた。

 といっても、何か特別な画面が表示されたりするわけではない。案内に従ってボタンを押していけば、淡々と処理され、「延長セキュリティ更新プログラムに登録されています」という画面になって完了した(「拡張」ではなく「延長」という表現になっていた)。

Microsoft RewardsでESUに登録してみた
Microsoft Rewards 1,000ポイント分で登録してみる
「引き換える」ボタンをクリック
数秒待つと処理が完了

 念のためWindows Updateで更新を確認してみたが、このESUの登録手続きをした10月末時点で「緊急」や「重要」のセキュリティ更新を受信することはなかった。基本的には次回の定例となる11月中旬に何らかの更新プログラムが配信されるはずだ。

 もしまだWindows 10を使っていてESUに登録していないのであれば、追加コストなしに1年間の「安心」が得られるので、ぜひ手続きしておいてほしい。

いつも通りのWindows Update画面に。「更新プログラムのチェック」をしてみたが、試した時点では特に何も降ってはこなかった