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10月14日に迫るWindows 10サポート終了を前にMicrosoftが説明。ユーザーには3つの対処方法
2025年10月9日 06:12
10月14日に、Windows 10はEoS(End of Support、サポート終了)を迎えることになる。2015年の7月に一般リリースされたWindows 10だが、2021年にリリースされたWindows 11に主役の座を譲ったことで、すでに年次アップグレードも行なわれなくなっており、ついに来週にEoSを迎えることになる。
そのEoSに先だってMicrosoftは記者説明会を行ない、Windows 10 EoSに向けた現状や同社の取り組みなどについて、Microsoft グローバル パートナー ソリューションズ部門 デバイス パートナー セールス担当 バイスプレジデントのマーク・リントン氏が説明した。
どこかに穴があるという宿命から逃れられないソフトウェア、最善の対策は常にパッチを当て続けること
Windows OSに限らず、ソフトウェアにはサポート期限がある。なぜかと言えば、ソフトウェアというのはその性質上、脆弱性が存在する可能性があり、そこをマルウェアやランサムウェアに突かれるとシステムへの侵入を許してデータを失ったり、勝手に暗号化されて身代金を要求されるなどの事態が発生してしまう。
そうした脆弱性をできるだけ少なくすることは可能だが、ゼロにすることは不可能だ。1つの脆弱性をつぶしても、ほかの脆弱性が出てきてしまうということを回避できないからだ。誰が作ったソフトウェアであろうが、脆弱性がゼロだというソフトウェアはこの世に存在し得ず、ただ脆弱性がまだ見つかっていないだけ、というのが正しい考え方になる。
そのため、重要なことはそのソフトウェアを開発した開発元が絶え間なくアップデートを行ない、脆弱性が見つかれば対処し、その脆弱性を塞ぐためのパッチを提供することが大事だ。
しかし、ソフトウェアの会社も慈善事業としてソフトウェアビジネスを行なっている訳ではないので、新しいバージョンのソフトウェアが出て、多くのユーザーがそちらに乗り換えるという状況が発生すると、古いソフトウェアへのパッチの提供はコスト的にも難しくなる。そうなると、パッチ提供を終了してそのソフトウェアには引退をしてもらうことになる。どこのソフトウェアベンダーでも行なっていることで、それがEoSだ。
言うまでもなく、MicrosoftのWindowsはビジネスにも利用されるOSで、社会的影響力も小さくない。そこで、計画的にユーザーが新しいバージョンなどに移行できるように、そのサポート期間はあらかじめ公表されている。Windows 10に関しても、事前にそれが2025年10月14日だと発表されており、ついに来週その時を迎えるということになる。
ハードウェアセキュリティが必要となったWindows 11。10年前とは状況が大きく変化
来週14日に迫るWindows 10 EoSに先だって、日本の記者との質疑応答に臨んだリントン氏は次のように述べた。
「我々は、OSのサポートポリシーに関しては以前より10年間というポリシーをもってそれを適用してきた。Windows 10に関しても同様で、10月14日をもってWindows 10の標準サポート期間は終了し、パッチなどの提供はされなくなる。
Microsoftにとってセキュリティは非常に重要で、この10年でセキュリティの実現に必要な要素は大きく変わっている。特に10年前にはあまり重視されていなかったハードウェアを活用したセキュリティの実現が重要になっており、お客さまのリスクを低減するという意味でそれが重要だと考えて、Windows 11にそうしたハードウェアを活用したセキュリティの機能を搭載している。
すでにお客さまがWindows 11のハードウェア要件に互換するハードウェアをお持ちであれば、無償でWindows 10からWindows 11へのアップグレードができる。Windows Updateからアップデートをするだけととてもシンプルだ。
それに対して古いハードウェアしかお持ちでないお客さまに対しては2つの選択肢がある。1つは新しいモダンなハードウェアを持つPCへ買い換えていただくことだ。今、日本市場ではそれが急速に起こっており、OEMメーカー、小売店、流通などの皆さまのご協力を得て多くの買い換えが進んでいる。
そしてもう1つの選択肢は、ESU(Extended Security Update)をご契約いただくことだ。Windows Updateの画面からそれをご契約いただくことで、古いハードウェアであっても引き続きWindows 10をご利用いただくことができる。その契約期間の間に新しいハードウェアに買い換えていただくために、猶予期間を提供するのが狙いになる。
MicrosoftとしてはWindows 11は史上最強のWindowsだと考えており、ハードウェアを利用した最強のセキュリティを実現し、Windows 10とのアプリケーションの互換性も実現しており、ぜひとも日本のお客さまにもWindows 11への移行をおすすめしたい」。
Windows 10のユーザーにはPCの買い換え、アップグレード、ESUへの申し込みの3つの選択肢
現在Windows 10のPCを利用しているユーザーで、来週のEoS以降もしっかりと脆弱性対策などをしながらPCを使うには、リントン氏が説明している通り、以下の3つの選択肢があると考えられる。
- Windows 11を搭載した新しいPCに買い換える
- Windows 11にアップグレードする(ただしハードウェアがWindows 11要件を満たしている必要あり)
- Windows 10 ESUを契約する
一番快適に利用できるのは、Windows 11をプリインストールした新しいPCを購入することだ。新しいPCはCPUやGPUも最新世代になり、NPUも標準で搭載されているものが多くなっている。また、メモリも従来の8GBがベースライン、ハイエンドが16GBから、今は16GBがベースライン、32GBがハイエンドというように同じ価格帯でも性能やメモリ容量が増えている。その意味でも快適に利用するためには、新しいPCを購入するのがベストだ。ただし、言うまでもなくこれにはコストがかかるため、家庭用のPCでそこまでコストをかけられないという場合には以下の2つを検討してみるといいだろう。
まったくコストをかけずに移行したいのなら、2.のWindows 11にアップグレードすることがおすすめだ。ただし、Windows 11ではWindows 10よりもハードウェア要件が上がっており、対応するCPUの搭載(メーカーにより異なるが、Intelならおおむね第8世代Core以降など)、TPM 2.0への対応、BIOSがUEFIでセキュアブートに対応などを満たしている必要がある。逆にそれらが対応していないPCはWindows 11にアップグレードすることは基本できない(例外はあるが、ざっくり言うと2017年以前に販売が開始されたPCは非対応な場合が多い)。
なお、Windows 10からWindows 11にアップグレードできるかどうかはMicrosoftが配布している「PC正常性チェックアプリ」を利用してチェックできる(多くの場合はすでに導入済みになっている)。その後Windows Updateにアップグレードが表示されたり、表示されなくても「Windows 11インストールアシスタント」を実行することでWindows 11へのアップグレードが可能になる。
自作PCなどの場合、ハードウェアの要件が満たされていても、TPM 2.0(CPUの機能で実現されているfTPM)やセキュアブートなどがBIOS設定でオフになっていることがあるので、それらを有効にする必要がある。
現時点でもWindows 10からWindows 11への無償アップグレードは可能になっており、ハードウェアが要件を満たしていれば、Windows 11へのアップグレードが可能だ。リントン氏によれば、現時点ではこの無償アップグレードの提供を今後も継続する計画で、今のところは期限などは特に決められていないという。そのため、10月14日以降であっても、ハードウェアの要件を満たしていれば、引き続きWindows 11へアップグレードすることが可能だ。
Windows 10のまま使い続けたい場合にはESUも。一般消費者向けは1年、法人向けは3年まで
ハードウェアが対応していないためWindows 11へのアップグレードができない場合には、(3)のWindows 10 ESU(Extended Security Update)も検討したい。Windows 10 ESUは、Windows 10を引き続き使いたいと考えているユーザーに提供される拡張プログラムで、法人向けは61ドル(翌年以降は2倍)で最大3年間、一般消費者向けは30ドルで1年間利用することができる。ただし一般消費者向けに関しては、
- PC設定を同期している場合
- 1,000Microsoft Rewardsポイントと交換
のいずれかを満たせば追加コストなく1年間利用することができる。「PC設定を同期」は、Windows 10 HomeないしはWindows 10 ProなどをMicrosoftアカウントで利用していれば、デフォルトでオンになっているので、基本的には実質的に1年間はESUを無償で利用できるといってよい。
リントン氏によれば現時点では、一般消費者向けは最大1年、それ以外の一般法人向けなどでは最大3年(1年契約の年次更新)までとなっており、その間に新しいWindows 11対応のハードウェアへの対応を進めるためのプログラムになるので、未来永劫ESUが提供されるわけではないことは注意しておくべきだろう。



















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