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買い替え時に回収から漏れたTV、どうやって処分する?「家電リサイクル券」を試してみたら、ちょっと面倒だった……
2025年8月14日 06:00
家電製品の中でも、TV/エアコン/冷蔵庫/洗濯機の4つは、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に基づく処分が義務付けられている。これらは不燃ごみや粗大ごみに出すのはNGで、独自のルールに則り、リサイクルを前提とした処分を行なわなくてはならない。
もっとも、これらのうちエアコン/冷蔵庫/洗濯機の3つは、故障による買い替えが多くを占めると考えられ、新しい品を購入する時点で家電量販店に引き取りを依頼すれば、処分はスムーズに行なえる。リサイクルのフローをまったく意識しないまま完了していたという場合も多いだろう。
しかしTVに関しては、画面サイズの大きい製品に買い替えるにあたり、以前の品もまだ使えるからという理由でそのまま手元に残し、何年か経ってから故障し、単体での処分を強いられるパターンも、少なからずあるだろう。今回筆者が陥ったのがまさにこのパターンで、実家に放置されていた古いTVを処分しようにも購入元の情報もなく、引取の依頼すら困難な状況だった。
そこで今回は、買い替えを伴わず、かつ購入元が分からなくともスムーズな処分が可能な、家電リサイクル券の「料金郵便局振込方式」による処分を試してみた。以下、具体的な手順と、実際に使ってみた感想をまとめたので、実際に処分するに当たって参考にしてほしい。
なお筆者がこれらの手順を試したのは1年前(2024年7月)で、手順や料金は現在も大きな変更はないはずだが、Webサイトの表記など細部が変更になっている可能性はあるので、その点はご了承いただきたい。また一般家庭からの排出であることを前提としている。
「料金郵便局振込方式」による処分とは
今回筆者が試した「料金郵便局振込方式」は、郵便局に備え付けられている家電リサイクル券を用いて、リサイクル料金の振込を実施。そのあと家電リサイクル券を対象家電(TV)に貼り、指定の引取場所に持ち込むというのがおおまかな流れだ。
つまり「リサイクル料金を調べて振り込む」と「製品を持ち込む」という2つのプロセスがあるわけで、手間自体は少々かかる。ただしフローは自治体を問わず全国共通、かつリサイクル料金の振込は全国の郵便局で行なえるなど間口が広いほか、購入店などに電話で問い合わせたり日時を予約するなどの手間を原則掛けず、自分のペースで進められるのが利点だ。
では、まず料金振込のプロセスから見ていこう。最初に行なうべきなのは家電リサイクル券の入手だ。最寄りの郵便局に赴き、窓口でその旨と必要枚数を告げれば、払込書付きの家電リサイクル券をすぐに入手できる。なお製品1つにつき1枚が必要なので、処分対象の製品が複数あるのならば、それに応じた枚数を入手する必要がある。
続いて、対象製品のリサイクル料金が具体的にいくらなのかを調べる。調べ方は、一般財団法人家電製品協会の専用ページで検索するか、あるいは郵便局に備え付けられている冊子(リサイクル料金一覧表)で調べるかの二択だ。
後者であれば、前述の家電リサイクル券をもらうタイミングでその旨を告げることで、窓口で冊子を借りて調べられるが、その時点ではメーカー名などの情報を控えていない場合もあるだろう。今回は検索性なども考慮して前者、専用ページで調べることにした。
検索にあたっては型番まで詳細に入力しなくとも、TVであればメーカー名に加えて画面サイズが分かればよい。一般財団法人家電製品協会が用意している専用ページにアクセスし、品目を「液晶/有機EL/プラズマテレビ」、メーカー「シャープ」で検索すると、小(サイズ15V以下)大(サイズ16V以上)の2種類の料金が表示される。今回処分する「LC-22GD3」は22型なので料金は後者、税込2,970円ということになる。
料金のリンクをクリックすると、家電リサイクル券に綴じ込まれている払込取扱票への記入例が表示されるので、これに沿って記入を行なう。この記入例は料金はもちろんメーカー名もきちんとカスタマイズされているので、丸写しすれば済む。冊子で調べた場合はここまではできないので、記入ミスを減らしたければ、料金検索は専用ページでの検索一択だろう。
記入を終えたら改めて郵便局に足を運び、料金を支払う。これによって、領収印が押された振替払込受付証明書を入手できる。ここまでが前半のプロセスだ。ちなみに「ゆうちょ通帳アプリ」での支払はできず、郵便局窓口または郵便局/ゆうちょ銀行のATMで行なう必要があるが、それはここで受領する振替払込受付証明書が、後半のプロセスで必要になるためだ。
料金振込後に指定引取場所に持ち込めば完了
残る作業は、指定引取場所への製品の持ち込みだ。製品は梱包する必要はないが、家電リサイクル券の綴りの後ろにある「⑤現品貼付用」と書かれた1枚を取り外し、製品(今回の例ではTV)に貼り付けなくてはならない。貼り付け位置もおおまかにではあるが指定されているので、NGとされる位置に貼らないよう気をつけたい。
またこれだけでは、指定引取場所に持ち込んだ時に、リサイクル料金が支払済であることを証明できないので、郵便局で払込を行なった時に受領した「振替払込受付証明書」を、家電リサイクル券の綴りの「①指定引取場所控」に貼り付けて持参する。これを忘れると引き取ってもらえないので注意したい。
なお持ち込み先については、一般財団法人家電製品協会が検索ページを用意しており、都道府県名や住所、郵便番号から検索できる。持ち込み先ごとの営業日もここから確認できるので、持参したものの休業日で持ち帰らざるを得なかったという失敗をしないよう、きちんと確認しておこう。
理想はあくまでも「買い替え時の同時引き取り」
以上ざっと試してみたが、率直に言って「面倒」だ。制度を作る側からするとこれだけのフローを構築するには相当な労力が必要だっただろうが、一般ユーザーが家電リサイクル法の対象となる4カテゴリの製品を処分する機会は、あって数年に一度といったところだろう。そのたびにこれらの手順を確認し直し、それを自力で行なうとなると、ユーザー視点では面倒に感じられて当然だ。
特に車を所有していない場合、持ち込みは相当な労力となる。以前紹介した、一般社団法人パソコン3R推進協会によるPCリサイクルマーク付きのPCの回収では、輸送のための伝票が用意されており、梱包方法などもきちんと示されていたが、TVをはじめ家電リサイクル法が適用される4品目は、宅配便で送るのはサイズ的にも困難だ。そのため持ち込みという方法を取らざるを得ないのだろう。
となるとユーザー側でできることは、今回紹介した「料金郵便局振込方式」はあくまで最後の手段にとどめ、なるべくは新品への買い替え時に、家電量販店に同時に引き取ってもらうのが望ましい。実際のところ、家電量販店による引き取りは、今回の家電リサイクル券を用いたシステムを「料金販売店回収方式」で行なっているもので、つまり今回紹介した手続きの多くを代行してくれている形になる。これを利用しない手はない。
また同様に、自治体が家電リサイクル対象4品目の処分方法を案内している場合も、フロー自体は家電リサイクル券のシステムそのものだ(こちらは自治体専用の家電リサイクル券を用いる)。車を所有しておらず持込方法が確保できない場合は、郵便局でリサイクル料金の振込を行なう前に自治体が案内している受付窓口にコンタクトを取り、指定された方法で費用を支払うとともに、引き取りも併せて依頼することをおすすめする。
なお自治体ごとの処分方法をまとめたページは、一般財団法人家電製品協会のページで検索できる。原則は買い替え時の家電量販店での引取、次に上記ページでの自治体ごとの処分方法の確認、そして最後に今回紹介した郵便局払いでの処分といった順に対応するのがベターというのが、本稿の結論だ。





























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