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荷物がシンドイのでPC向け「キャリーケース」をガチで選ぶ。コスパと使い勝手極まるおすすめ品を見つけたり

今回候補として用意した3種類のキャリーケース

 PCやタブレット、スマホ、音楽プレイヤー、モバイルバッテリなど、現在では携帯するデジタルデバイスの数が増えている。筆者の場合は、これに取材用カメラなどが加わるので、仕事に出かけるとなるとちょっとした大荷物となる。若いころは大きめのショルダーバッグに詰め込んで難なく持ち運んでいたのだが、年を取ってくると、これがなかなかの苦行だ。

  そこでノートPCといったデジタルデバイスを手軽に運べる「キャリーケース」を探して購入することにした。 なお、ここで言うキャリーケースはスーツケースを小型化したもので、キャリーバッグとも呼ばれるものだ。書類などを仕分けして持ち運べるよう工夫されているものが多く、そういったものはビジネスキャリーケースとも呼ばれている。

 筆者と同様の理由でノートPC対応のキャリーケースを探している人は意外と多いようなので、本稿では筆者がキャリーケースを実際に購入するにあたって、どのようなポイントに注目ながら製品を選択したのかを紹介したい。みなさんの製品選びの参考になれば幸いだ。

コスパや使い勝手を考えて「エース」の3製品を検討

 筆者がキャリーケースに求める要件は下にまとめた通りだ。

  1. ノートPCの収納に対応している
  2. ポケットが多く、デジタルデバイスが収納しやすい
  3. 1~2泊の宿泊を想定した衣料を収納できる
  4. ノートPCやタブレットをさっと取り出せるフロントポケットがある
  5. ジッパーの動きがスムーズ
  6. 作りがしっかりしており耐久性が高い
  7. 車輪が滑らかに動き、走行音が静か
  8. 予算は5万円以内

 デジタルデバイスや1~2日分の着替え衣料の収納に対応していることは最低条件。特に重視したいのは、ノートPCをさっと取り出すことができるフロントポケットの有無だ。普段の移動で使うのでこの点だけは妥協できない。

 作りの良さや耐久性も見過ごせないポイントだが、この点に関しては信頼でき、実績のあるメーカーの製品を選ぶ必要がある。そのため、予算は5万円までとした。

予算5万円以内で、品質、使い勝手が良い製品を選んだ結果、国内の老舗かばんメーカーであるエースの3製品が最終候補として残った

 国内外のメーカーの製品から上記要件で絞り込みんだところ、国内の老舗かばんメーカーであるエースの3種類が最終候補として残った。

 ちなみに、今回は筆者が候補に選んだ3製品をエースからレビュー用に借りることができた。そして、この中で“コレ”と決めたものを実際に購入している。それぞれ平等にレビューしたので、その詳細を紹介していこう。

収納力に優れ、使い勝手の良い26リットルモデル
「ジェットエクセル スーツケース」

ジェットエクセル スーツケース(26リットル ヨコ型 06853)
直販価格:4万4,000円●素材:ポリカーボネイト●容量:26リットル●重量:3.2kg
横幅は43cm、縦幅は40cm
奥行は22cm

 フロントポケットに14型ノートPCを収納できるキャリーケース。本製品を選んだポイントは、細部までしっかりと作りこまれている上、スマホなどのデジタルガジェットや名刺入れといったビジネス小物を収納できるポケットを多数装備されている点。

 書類の仕分け用内装仕切りを取り外せば、普通のスーツケースのようになり、小旅行用としても使える点も気に入った。詳細は以下の通りだ。

ジェットエクセル スーツケースの特徴
フロントポケットのPC収納スペースは、14型サイズクラス(幅33cn×奥行24cm×高さ2.5cm)のノートPCに対応している
フロントポケットにはデジタルガジェットなどの収納に便利なポケットも装備されている。移動中に手軽に物を取り出せるのは非常に便利だ
A4サイズの書類などの仕分けに便利な内装仕切りを装備しているので、ビジネスで利用したい人にも適している
内装仕切りは取り外すことが可能。通常のスーツケースのような使い方もできる
内装仕切りを取り付けたままでも、奥の収納スペースに2~3泊分の着替えを余裕で収納可能だ
フロントポケットとメイン収納部の両方をTSロックで施錠できるので、空港などで荷物を預けるときにも安心
静音双輪キャスターを4つ装備している
身長やシーンに応じて段階調節可能なプルドライブハンドルを装備している
身長168cmの筆者が持ったところ。4輪キャスターの作りが良いので、荷物を詰め込んでもスムーズに動く。動作音も静かだ

軽量かつ収納力に優れる28リットル収納モデル
「コンビクルーザー TR スーツケース」

コンビクルーザー TR スーツケース(28リットル ヨコ型 05151)
直販価格:4万2,900円●素材:ポリカーボネイト/EVA樹脂●容量:28リットル●重量:3.0kg
横幅は43cm、縦幅は40cm
奥行は25cm

 フロントポケットに13.3型ノートPCを収納できるキャリーケース。前述の製品と同様、細部までしっかりと作りこまれている上、スマホなどのデジタルガジェットや名刺入れといったビジネス小物を収納できるポケットを多数装備する。

 注目したポイントは、前述の製品と比較すると収納容量が28リットルと多いにも関わらず、重量が3.0kgと0.2kgも軽い点。荷物が多い筆者としては少しでも軽いほうが有難い。その点も含め、実際の使い勝手をチェックした。詳細は以下の通りだ。

コンビクルーザー TR スーツケースの特徴
フロントポケットのPC収納スペースは、13.3型ノートPC対応とされているが、14型のものでも比較的小型なものであれば収納できる。実際、写真の通り、実寸で32.3cm(幅)×21.5cm(奥行)×1.5cm(高さ)の14型ノートPC(ThinkPad X1 Carbon 2017)は収納できた
フロントポケットを全開にしたところ。PC収納スペースの対面側にデジタルガジェットの収納に便利なポケットや書類などの収納に便利なジップ式ポケットを装備している
A4書類などの仕分けに便利な内装仕切りが装備されているので、ビジネス用途にも適している
内装仕切りは取り外し可能。通常のスーツケースのような使い方もできる
内装仕切りを取り外さなくとも、奥の収納部に2~3泊分の着替えを余裕で収納できる
フロントポケットとメイン収納部の両方を施錠可能。TSロックに対応しており施錠したまま空港で荷物を預けることができる
旋回性に優れるという双輪キャスターを4基装備している
身長やシーンに応じて段階調節可能なプルドライブハンドルを装備する
身長168cmの筆者が持ったところ。荷物を詰め込んでもキャスターがスムーズに動くため取り回しに関してはストレスはまったく感じない。動作音は比較的静かだ

収納力抜群の31/36Lエキスバンドモデル
「フレックスルーフ2 ビジネストローリー」

フレックスルーフ2 ビジネストローリー(機内持ち込みサイズ 1-2泊 67572)
直販価格:4万9,500円●素材:ポリエステル1000dnツイル/PU加工●容量:31/36リットル●重量:3.5kg
マチ幅を拡張していない標準状態の横幅は40cm、縦幅は45cm
奥行は25/29cm

 15.6型のノートPCの収納に対応した31リットルの大容量キャリーケース。マチ幅を拡張できるエキスパンダブル機能を利用した場合は収納容量は36リットルに拡大する。B4ファイルにも対応するなど、小型のキャリーケースとしてはとにかく収納力が高い点が魅力。

 普段使いに加え、小旅行や出張にも活躍するキャリーケースが欲しい人は要注目。詳細は以下の通りだ。

フレックスルーフ2 ビジネストローリーの特徴
前面のポケットには、スマホやメモ帳、筆記用具などを収納できるポケットを装備する。最前面にはメモ帳や書類などを収納できるジップポケットが装備されている
前面収納部には15.6型サイズ(参考収納寸法:幅38.5cn×奥行26.5cm×高さ2.7cm)までのノートPCを収納できる
前面収納部にはジップ式ポケットも2つ装備されている
収納部は大きく、B4書類ファイルなども余裕で収納できる
後ろの収納部は広く、大型の荷物や着替えなどを収納するのに便利
後ろの収納部は、荷物の量に応じてマチ幅を広げ容量を拡張できる「エキスパンタブル」機能に対応。ジップを開くと5L分収納力がアップする
ジップを閉じた場合でも2~3泊分の着替えは余裕で収納可能。加えて、多くの荷物を収納できる
TSダイヤル南京錠が1個付属するので、貴重品などを入れた収納部を施錠することができる
走行性能の高い大型のキャスターを2基装備、反対側にはストッパーが装備されている
身長やシーンに応じて段階調節可能なプルドライブハンドルを装備
身長168cmの筆者が持ったところ。大型2輪キャスターは動きがよく荷物を詰め込んでもスムーズに動くが、4輪と比べると細かくは取り廻せない。ただし、2輪の場合はストッパーが装備されているので、不意に動いたりしないというメリットがある
付属のショルダーストラップが使用すればショルダーバッグのように担ぐこともできる。階段を上り下りする際などに重宝しそうだ

筆者が最終的に選んだのは……

 筆者は最終的に「ジェットエクセル(26リットル)」を選択した。決め手となったのは以下のような点だ。

  1. 収納部のポケットの構成などが用途に合っている
  2. ハンドル部分がしっかりしている
  3. 動きがなめらかで走行音が静か
  4. 3製品の中では一番薄い

 収納力が高いという点ではフレックスルーフ2 ビジネストローリーが一番。2~3泊の出張が多いという人には最適だ。しかし、筆者の場合、宿泊を要する取材があったとしてもせいぜい1泊。そうするとちょっと大きすぎるのでまず選択肢から外した。

 ジェットエクセル(26リットル)とコンビクルーザー TR スーツケース(28リットル)は似たような作りで、どちらともPCやスマホ、モバイルバッテリなどのデジタルデバイスをうまく整理して収納できる上、普段使いのキャリーケースとしては収納力も十分。まさに筆者のニーズを満たしており、非常に選択に迷った。

 最終的にジェットエクセルを選ぶポイントとなったのは、ハンドル部分がしっかりしている点。コンビクルーザー TR スーツケースのほうは軽量化のためか、ハンドル部分が少し華奢な作りとなっている。

 筆者はスーツケースのハンドル部分に体重をかけてよりかかる癖があるので、その点に少し不安を感じてしまった。

 そのほか、車輪もジェットエクセルのほうがしっかりしており、走行音が静かである点、奥行(幅)のサイズが若干ながら小さい点なども決め手となった。

 なお、軽さを求めるのであれば、コンビクルーザー TR スーツケースのほうがおすすめだ。筆者のようによりかかる癖がなければハンドル部分の強度はまったく問題ない。重量は200gしか変わらないのだが、実際に使用するとその違いは結構大きく感じられた。

ジェットエクセルは、前面ポケットの構成が、PC、音楽プレイヤー、スマホなどを収納したい筆者の用途にピッタリ
ジェットエクセル(左)とコンビクルーザー TR スーツケース(右)を比較すると、奥行は前者のほうが3cmほど薄い。電車で着席時に目の前に置くことを考えると、少しでも薄いほうが良い判断した
ハンドル部分の作りはジェットエクセルのほうがしっかりした作りで、少々体重をかけても問題ない感じだ
走行のスムーズさ、走行音の静かさではジェットエクセルがのほうが勝っていた印象だ

 ジェットエクセル 26リットルを購入してから、ちょっと荷物が多くても全く苦にならなくなった。ちなみに、筆者は前面ポケットにパソコン、スマホ、音楽プレイヤー、財布、家の鍵などの手回り品を入れ、メイン収納部に必要書類を入れ、さらにタブレット、充電器、各種ケーブル、ボイスレコーダーなどをバッグインバッグにまとめて入れている。うれしい誤算だったのは、写真のようにB4ファイルも収納可能であったことだ

B4ファイルまで収納できるのは素直にうれしい
内装仕切りを取り外せば、スーツケースのような使い方ができる点も重宝している。1~2日分の着替えなら余裕で収納可能だ