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スマホの処分方法はこれが正解。買取も含めて不要なスマホの捨て方をまとめてみた
2023年12月19日 06:31
先日、PCの処分方法について紹介したが、こうした処分のニーズとしては、PCよりもむしろスマホのほうが多いだろう。スマホは日常的に持ち歩いて使うだけに、落下などが原因で使えなくなるケースは、PCより多くても不思議ではない。ちょっとした不注意で動かなくなってしまったスマホをあきらめきれず、手元に残している人も多くいるはずだ。
今回は、そんな不要になったスマホの処分方法について、スマホがきちんと動作する場合と、破損などによって動作しない場合に分け、適した方法を紹介していく。
動作しないスマホの処分方法。粉砕サービスも存在
まず大原則として、きちんと動作をするスマホについては、どれだけ古い機種であっても、買い取りに出してみるのをおすすめする。外装などによほどのダメージがあったり、非正規業者でディスプレイやバッテリを交換しているようならば別だが、直近10年以内に発売された製品であれば、雀の涙程度であってもたいていは値段はつく。
これら中古スマホの買取手順は後述するとして、現段階でユーザーのお困り事となっているのは、故障・破損などによって動作しないスマホではないだろうか。これらは事業者が買い取ってくれることはほぼなく、またバッテリを内蔵しているためにおいそれと不燃ゴミに出すわけにもいかず、自治体からも回収を断られるケースがほとんどだ。
実際のところ、こうした故障・破損したスマホを手元に残している理由は、処分方法がよく分からないためだと答える人は多いはず。しかし動作しないスマホを捨てずに持っておくのは問題の先送りにしかならないし、長期的に見ると、バッテリが膨張して発火するなどのリスクもある。
ではどうするかというと、1つはドコモ・au・ソフトバンクなどキャリアが行なっているスマホの回収サービスを利用することだ。これらのサービスでは、動作しないスマホであっても無料で回収してくれる。キャリアを問わないので、他社のスマホやSIMフリーのスマホを持ち込むことも可能だ。
またドコモに関しては、データを取り出せないように目の前で破砕してくれるサービスも行なっている。バッテリを内蔵しない機種に限定されるとのことで、事実上スマホではなく携帯電話向けのサービスだが、故障して動かなくなった本体内にデータが残っている場合は積極的に利用したい。
今回は試しに、落下による衝撃で電源が入らなくなったSIMフリーのAndroidスマホ(Pixel 5a)をドコモショップに持ち込んでみた。ドコモではない別のキャリアで運用していた個体だが、問題なく受け付けてくれた。というよりも電源自体が入らないので、ドコモ側としても、どのキャリアで使われていたか確認できないだろう。
手続きとしては、店員にスマホを渡し、本体に書かれた製造番号を控えられたのち、書類にサインをすれば完了。住所や電話番号の記入は不要、身分証明書などを提示する必要もない。実際の手続きに要したのはほんの10分程度。書類の控えをもらってそのままお開きとなった。
なお念のため、前述の破砕サービスが受けられないかを尋ねてみたが、予想通りバッテリを内蔵していることからNGで、回収した端末はそのままの形で提携業者に引き渡すとのことだった。このあたり、別料金でも構わないので、何らかのプランがほしいところだ。
ちなみにキャリアの無料回収以外では、PCの無料回収記事で紹介した「リネットジャパン」に回収してもらう手もある。こちらはスマホのバッテリを取り外した上で業務用専用機で粉砕する「おまかせ安全データ消去サービス(1台あたり3,498円)」が用意されているので、動作しないスマホのデータ消去にこだわるならば、有力な選択肢だろう。
正常に動作するスマホの買取で注意すべき点とは
続いて正常に動作するスマホについて、買い取りを依頼する場合の手順と注意事項を見ていこう。なお機種変更にあたってのデータ移行などは、事前に完了している前提でお読みいただきたい。
スマホの買い取りを行なっている事業者は多種多様で、たとえ近所に店舗がなかった場合も通信買取を行なっている事業者を利用すればよいので、査定してもらう先が見つからずに困るケースは、よほどのことがない限りはないはずだ。
買取にあたって事前にユーザーが確認すべきことは概ね共通で、パスコードロックが解除できているか、ネットワーク利用制限がかかっていないか、おサイフケータイなどの残高が残っていないかなど、これまでの利用者(=自分)の痕跡が残っているせいで、ほかのユーザーが使えない状態になっていないかを中心にチェックすればよい。
また最近では、物理的なSIMカードではなく、eSIMを採用している製品も増えてきているので、それらの消去ミスがないかもチェックしたいところ。もっとも、機種変更に伴って不要になったスマホであれば、その時点でSIMカードを移しているはずなので、トラブルになるケースは少ないだろう。以上のチェックが終われば、あとはそのまま事業者に買取を申し込めばよい。
ちなみに査定額に大きな影響を与えるのが本体の傷や汚れだが、これらについては査定に出す段階で、ユーザー側としてはすでに対処しようがない場合がほとんどだろう。この段階で少しでもリカバリできることがあるとすれば、それは「付属品の有無」だ。
専門店の場合、付属品が欠けていることによって、大きな減額となることがよくある。機種が古く査定額そのものが高くない場合、差し引きで本体がゼロ円近くになってしまうこともある。
ケーブルなどは、製品に付属していた純正品でなくても、同等品を添付しておけば見逃してもらえるケースもあるので(事業者による)、ダメモトで用意だけはしておきたいところだ。
なお一部の下取りサービスでは、回収対象はスマホ本体だけで、箱やケーブル類の同梱が不要な場合がある。たとえばGoogleが「Pixel」シリーズで行なっている、PCSワイヤレスジャパン社による下取りサービスもその1つだ。
この仕組みをうまく使えば、箱やケーブルが残っていないユーザーにとって、有利な条件で買い取ってもらえる。たとえ一般的な中古買取店より下取り価格が安くても、減額がないぶん最終的に高値となる可能性もあるので、選択肢として覚えておきたい(事業者の交代などにより、将来的にこれらの仕組みが変わる可能性もあるので念のため)。
なお買取は店頭持ち込みのほか、宅配便を用いた通信買取に対応した事業者もあるが、可能な限り店頭に持ち込むことをおすすめする。というのも通信買取で申し込み時の内容と違うなどのトラブルがあった場合、品物が着払いで返送されてくることになり、思わぬ出費につながるからだ。
スマホではない例で恐縮だが、先日筆者がとある周辺機器を買い取りに出したところ、完動品と思っていたのが実際には動作せず、着払いで返却されたことで千円前後の追加出費が発生した。事前に確認しなかった筆者が悪いのだが、買取自体が成立しなかったことに加えて、千円前後の着払いのコストが発生するというのは、弱り目に祟り目である。
その点、店頭持ち込みであれば異常が発覚してもその場で引き取って持ち帰ればいいだけなので、ダメージも最小限で済む。通信買取しか利用できない環境であれば仕方ないが、そうでなければ持ち込みのほうがよいというのが、個人的な意見だ。あとは査定に要する待ち時間を天秤にかけ、どこまで許容できるかだろうか。
以上、不要になったスマートフォンの処分方法についてお届けした。中古のスマホについては国が先日発表した「日々の生活をより豊かにするためのモバイル市場競争促進プラン」の中で流通の促進が明言されており、今後は買取の機会もより増えるはず。冒頭で紹介した動作しないスマホの買取方法ともに、本稿が参考になれば幸いだ。