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メモリ8GBだともう少ない?16GBと32GBとの差を用途別に徹底比較

検証環境と使用メモリについて

 検証環境は筆者が普段使用しているPC(OSは検証用に入れ直している)だ。どのようなPCかと言うと、ASRock DeskMeet X300をベースに、ベンチマークで出番が減った旧世代のCPUやSSD、メモリで組んでいる。

 古いなりに処理能力もほどほどで、メモリ不足となり仮想メモリにアクセスするようになると顕著に現われるだろう。

 なお、古い環境ではあるが、今回はAIによる画像生成処理を検証に組み込んだので、その検証のためにビデオカードとして「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 8GB SOLO」を使用している。AI処理にはGPUが不可欠だからだ。

ベンチマークでは出番が減ったRyzen 7 PRO 4750Gを(低予算&省スペースPCとして)運用するために購入したASRock「DeskMeet X300」。メモリはDDR4世代だが4スロットあるのでやはりベンチマークで出番が減った8GBメモリを4本挿し32GBとして運用していた
AI(Stable Diffusion)を動かすために用意したZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 8GB SOLO
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 8GB SOLOはDeskMeetに収まるサイズ。標準搭載の電源(定格500Wで8ピン1基)でも問題なく動作した

 そのほか使用パーツは以下の通り。

  • CPU : Ryzen 7 PRO 4750G(8コア16スレッド)
  • ベアボーンPC : ASRock DeskMeet X300(AMD X300)
  • メモリ : DDR4メモリ×4スロット(今回の企画では2スロット使用)
  • ストレージ : Plextor PX-512M8Se(PCI Express 3.0 x4、512GB)
  • ビデオカード : ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 8GB SOLO
  • OS : Windows 11 Home

 また、使用したメモリキットは以下の3種だ。

4GB×2枚キット
Team TED48G3200C22DC01
DDR4-3200 CL22-22-22
8GB×2枚キット
Crucial CT8G4DFRA32A
DDR4-3200 CL22-22-22
16GB×2枚キット
Crucial CT2K16G4DFRA32A
DDR4-3200 CL22-22-22

 動作モードとアクセスタイミングは3製品まったく同じ。そしてモジュール上のチップ枚数も8つで揃えているので、処理速度に明確な差が出たとしたらメモリ容量の差だと思われる。

 なお、今回もっとも入手が難しかったのがDDR4-3200の4GB×2枚キットだ。DDR4-2666までなら4GB×2枚キットがまだ見つかるが、DDR4-3200の4GB×2枚キットは市場を見渡しても数えるほどしか製品がない。しかも価格はDDR4-3200の8GB×2枚とほぼ同額だった。かなり損した気分だ。

検証&キャプチャ条件と映像についての補足

 検証環境を紹介したところで、キャプチャ環境やキャプチャした映像についても補足しておこう。

 今回はメインのモニター上でアプリケーションを動作させ、サブのモニター上ではステータス監視をするといった2画面で検証している。

 そしてこの2画面を「同時に」キャプチャするため、Blackmagic Designの「ATEM Mini Extreme ISO」を利用した。最大8画面に対応するスイッチャーでかつすべての入力映像を同時収録できる製品だ。

 そのため、ここからの映像で各容量別ではわずかなズレが生じたとしても、同じ容量のアプリケーション映像とステータス映像については完全同期されている。

 OSはWindows 11 Homeをクリーンインストールした。導入済みのアプリケーションも必要最低限で、計測ごと再起動と5分間のアイドルをはさみ、CPU、メモリ、ストレージへの負荷が落ち着くのを待った。つまりベストケースに近い。

 アプリケーションの操作にはWindows 11に付属するPower Automateを用いた。1台のPCで3つの環境を検証するためには操作を自動化する必要がある。そのためのPower Automateだ。

 キーボード操作主体の力技のフローだがそこはご了承いただきたい。そしてこの方法はご自身でも試すことができる。Power Automateのフローを1つ組んで、PCハードウェアを更新する前後で実行、スマホ等で録画しておけば比較ができるので興味ある方はお試しいただきたい。

 フローはブラウジング、ビジネス、クリエイティブ、ゲーミング、AIと5つ作成したが簡易なものだ。あくまでそのジャンルのアプリケーションを動作させましたという程度に捉えていただきたい。実際のビジネス、実際のクリエイティブワークではもっと大きなデータを扱っているだろう。

 ただし、今回の軽量なフローでもアプリケーションジャンルごとのある程度の傾向はつかむことができたと思う。今回の映像で16GB必要という結果だったとして、もっと大きなデータを扱う、もっと複数一気に開くというのであればプラスα、32GBを選んでおくといった具合で検討いただきたい。

 最後、今回の映像は都合6画面をフルHDの1画面に収めている。視聴環境によっては小さな文字が読みづらいといったこともあるだろう。可能ならフルスクリーンで、スマホ等では見たい部分をピンチアウトで拡大して確認いただきたい。