2024年9月19日 09:00
ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ」をコンセプトに掲げ、電話一本で脳の健康状態を把握する「脳の健康チェック」を提供してまいりました。このたび新たに、懐かしのニュースや出来事についておしゃべりをしながら脳の健康状態を確認※1できるAIサービス「おもいでダイヤル powered by 脳の健康チェック」(以下、「おもいでダイヤル」)の無償トライアルを、2024年9月19日より開始します。
1. 背景
高齢化が急速に進むなか、2040年には高齢者の3人に1人が認知症・軽度認知障害(MCI)になると予測※2されており、予防や発症後のケアなどへの意識が高まっています。
NTT Comは認知機能の状態を日常生活の中で手軽に判別可能にすることにより、社会全体の認知症に関する意識を高めるとともに、「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会」をめざし、2024年4月4日より利用者の脳の健康状態を電話で確認できるサービス「脳の健康チェック」の提供を開始しています。
このたび、脳の健康チェックをより身近にし、脳の健康の意識を高めていくための新たな取り組みとして、「おもいでダイヤル」のトライアルを開始します。
2. 「おもいでダイヤル」の概要と特長
「おもいでダイヤル」はフリーダイヤル「0120-468354」へ発信することで、懐かしい新聞記事をもとにAIと過去の思い出を振り返ることができるサービスです。
本サービス内容の検討にあたっては、NTT ComのデザインスタジオKOEL※3が参画し、親しみを持ってご利用いただくための機能のアイディエーションから、高齢者でも利用しやすい音声ガイダンスに至るまで、認知機能の低下に不安を持つ方が自然に楽しくご利用いただける体験設計をしています。
サービスの特長は以下の通りです。
(1)懐かしい新聞記事の配信
「おもいでダイヤル」のAI案内人「テルミ」の誘導に従い、今日の日付と年齢を答えることで、タイムマシンに乗ったかのような体験を得ながら、懐かしい新聞記事を再生します。新聞記事には、高齢者の思い出を促すよう構成されている回想新聞社の記事の要約を採用しており、ミドルシニア層以降であれば誰もがノスタルジーを感じることができるような内容になっています。無償トライアルでは、今日の日付と年齢を考慮せず記事をランダムで配信します。
(2)新聞記事のテーマに合わせて「テルミ」と思い出をおしゃべり
新聞記事の内容に合わせて昔を懐かしみ、振り返るおしゃべりを「テルミ」と行うことができます。認知症予防に関する研究は数多く行われていますが、過去の記憶を呼び起こすことで、脳の活性化を図る方法があります。※4
お話しいただいた思い出話は利用者の興味関心情報として生成AIで分析され、趣味趣向の情報として蓄積することも可能です。
(3)希望者へ脳の健康チェック結果を通知
会話の内容から脳の健康チェックが完了します。脳の健康チェックには日本テクトシステムズ株式会社の認知機能みまもりAI「ONSEI」のアルゴリズム※5を利用しています。脳の健康状態を維持するための気づきを与えるメッセージを案内したのちに脳の健康チェック希望者にはチェック結果を電話口で通知します。
(4)SMSによる次のアクションのご提案
SMSには、チェック結果に加えて趣味趣向情報に合わせた脳の健康を維持するコンテンツをお送りします。トライアルでは脳の健康チェック結果とコンセプトサイトのURLを送付します。
<本サービスの利用イメージ図>
3.「おもいでダイヤル」のコンセプトに共感いただいたパートナー企業(2024年9月19日時点)
2024年9月19日時点で、「おもいでダイヤル」と「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会」にご賛同いただいたパートナー企業は以下の通りです。今後、各社と具体的な共創モデルを検討していきます。
技術パートナー
協業パートナー
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/410581/img_410581_5.png
4.「脳の健康チェック」導入および協業状況について
「おもいでダイヤル」は法人向けサービス「脳の健康チェック」のオプションサービスとしての提供を検討しています。「脳の健康チェック」については複数の自治体でのトライアルなどを実施中です。
概要は以下の通りです。
(1)CogSmart 東京都事業多摩イノベーションエコシステム「リーディングプロジェクト」への参画
「脳の健康状態チェックから認知症早期予防介入までを支援する総合サービスの検証」の代表事業者として選定された株式会社CogSmart(以下 CogSmart)とともに、三鷹市の40歳~74歳の方を対象にした臨床研究を実施します。NTT Comは「脳の健康チェック」を提供し、住民の認知機能の低下に対して気づきを与え、CogSmart提供のサービスに繋げることで早期に生活習慣を変え認知症の社会課題解決に繋げることをめざします。
(2)三井住友海上火災保険、ジョージ・アンド・ショーン、NTT Sports Xとの自治体向け協業連携検討を開始
認知症の予防・早期発見から認知症と診断された方向けのソリューションをワンストップで支援する自治体向けソリューションの検討を、三井住友海上火災保険株式会社、ジョージ・アンド・ショーン株式会社、株式会社NTT Sports Xと開始しました。
4社が連携し、脳の健康チェックにより認知症対策への気づきを与え、浦安D-Rocksやオンラインコミュニティサービスを活用した認知症の予防、認知症を原因とする事故による損害賠償リスクに対する保険を用意することで、自治体における認知症の課題を解決できるソリューションモデル実現をめざします。
NTT Sports Xの運営するラグビーチーム浦安D-Rocksも、この取り組みに賛同し、支援します。
(3)生駒市・六ヶ所村でのトライアル
奈良県生駒市・青森県六ヶ所村の住民に向けて、「脳の健康チェック」サービスのトライアルを実施しています。トライアルでは「脳の健康チェック」を実施することにより認知症予防に関する啓発および、サービスのニーズ調査を実施し、「脳の健康チェック」のサービス改善および自治体の認知症施策の認知度拡大をめざします。
5.今後の展開
「おもいでダイヤル」の機能向上をめざし、Starley株式会社※6が開発する音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」との連携を検討します。
NTT Comは「脳の健康チェック」と「おもいでダイヤル」の提供を通じ、「認知症で不安になる本人・家族・企業が少なくなる社会へ」の実現に挑戦します。
※1:認知機能を確認するものであり、医療行為ではありません。
※2:内閣官房「認知症施策推進関係者会議(第2回)」(令和6年5月8日)を参照しています。
※3:KOELは、NTT Comの事業変革・事業創出を担うため2020年に創設された組織です。「人や企業に愛される社会インフラをデザインする」をビジョンとして掲げ、デザイン業務の支援や実践、組織的なデザイン業務の浸透などを行っています。
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/410581/img_410581_6.png
https://www.ntt.com/lp/koel/
※4:「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターを参照しています。https://www.mhlw.go.jp/content/001100282.pdf
※5:「ONSEI」の精度および技術要素については、下記の論文をご参照ください。
Asano, T., et al. (2024). Actual clinical practice assessment: A rapid and easy-to-use tool for evaluating cognitive decline equivalent to dementia. Cureus, 16(4), e58781. https://doi.org/10.7759/cureus.58781
※6:Starley株式会社は、2023年に設立されたAI関連プロダクトの企画・開発を行う企業です。詳細はURLをご参照ください。https://starley.co.jp/
関連リンク
「脳の健康チェックフリーダイヤル」の無償トライアルを開始(2022年9月21日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2022/0921.html
「脳の健康チェックplus」の有償トライアルを開始(2023年9月21日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0921.html
電話で脳の健康状態を確認できる法人サービス「脳の健康チェック」を提供開始(2024年4月3日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2024/0403.html