2023年8月9日 12:15
「防ぎうる認知症にならない社会」を目指すNPO法人ほのぼの研究所(千葉県柏市/代表理事・所長:大武美保子 以下、本NPO法人)は、設立15周年を記念し、2023年8月16日(水)に東京大学柏図書館にて「いつから始める?フレイル・認知症予防」講演会を開催します。当日は、フレイル予防研究の第一人者である飯島勝矢先生(東京大学高齢社会総合研究機構 機構長/未来ビジョン研究センター教授)に招待講演、本NPO法人所長である大武美保子(理化学研究所チームリーダー)との対談等を行います。フレイルと認知症予防について、最新の知見と取組を共有すべく、全世代に向けて今からなすべき行動について、また、それを支える未来の技術について講演、議論します。
理研のチームメンバーと脳波測定の様子(左:大武)
■開催背景
現代は、高齢者の4人に1人が認知症または認知症予備軍となっています。(2012年時点。厚生労働省老健局データから)本NPO法人では、市民研究員が中心となって認知症予防のための会話支援ロボット「ぼのちゃん」を使った共想法(きょうそうほう)を実践し、認知機能を向上するなどの効果を上げています。設立15年を迎え、認知症予防と重なることも多いフレイル予防研究の第一人者である飯島勝矢先生をお迎えし、本NPO法人代表で会話による認知症予防の第一人者の大武美保子と共に講演、対談いたします。当NPO法人は市民会員の平均年齢が70代のため、4年ぶりの対面講演およびオンライン開催となります。
■フレイル・認知症予防は、中高年期からが有効
フレイルとは、加齢により心身が衰えた状態を指し、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。フレイル予防は、認知症予防と重なる点が多く、有効な方法を考える上で参考になります。フレイルと認知症の予防は、高齢期において切実ですが、実は、中高年期から始めることが有効です。招待講演、基調講演に続く、両講師による対談「いつから始める?フレイル・認知症予防」では、中高年期から見て未来となる高齢期のありたい姿と、そこから逆算して中高年期から、そしてもちろん、高齢期において、なすべき行動について、また、それを支える未来の技術について議論します。
■内閣府ムーンショットプロジェクト「ありたい未来を共に考え行動を促すAIロボット」
我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進する国の大型研究プログラムであるムーンショットプロジェクト「ありたい未来を共に考え行動を促すAIロボット」について、飯島勝矢先生と本NPO法人所長の大武美保子が共に推進し、「するとよい行動を着実にすること」「行動の動機となる未来の姿を考えること」を支援する技術を開発しております。両講師による講演と対談は、多くの方に役立つ情報であるとともに、ムーンショットプロジェクトを知っていただく活動でもあります。両講師による講演と対談を、ムーンショットプロジェクトのアウトリーチ活動と位置づけ、広く発信します。
【イベント内容】
タイトル:NPO法人ほのぼの研究所設立15周年記念講演会
「いつから始める?フレイル・認知症予防」
日時 :2023年8月16日(水) 13:30~
会場 :東京大学付属柏図書館1F メディアホール
(〒277-8584 千葉県柏市柏の葉5-1-5)
参加方法:会場参加・オンライン参加のハイブリッド形式
※いずれも事前に参加申し込み必用(参加費は無料)
プログラム:
13:30~ 開会挨拶 (メディアホール開場13:00)
13:40~ 招待講演 飯島勝矢先生
「全国展開をしている フレイル予防運動について」
14:10~ 基調講演 大武美保子
「フレイルチェックにヒントを得た認知症予防体験会のデザイン」
14:30~ 対談 飯島勝矢先生・大武美保子
「いつから始める?フレイル・認知症予防」
15:10~ 交流会(会場のみ)
■招待講演講師:飯島勝矢先生
東京大学高齢社会総合研究機構 機構長/未来ビジョン研究センター 教授
1990年東京慈恵会医科大学卒業、千葉大学医学部附属病院循環器内科入局、東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座 助手・同講師、米国スタンフォード大学医学部研究員を経て、2016年より東京大学高齢社会総合研究機構教授、2020年より現職
【専門】老年医学、老年学(ジェロントロジー:総合老年学)、特に健康長寿実現に向けたフレイル予防を軸とした超高齢社会の総合まちづくり研究、在宅医療介護連携推進を軸とする地域包括ケアシステム構築、高齢者の就労、情報システム活用によるスマートシティ等
■基調講演講師:大武(おおたけ)美保子
理化学研究所革新知能統合研究センターチームリーダー
NPO法人ほのぼの研究所 代表理事・所長
東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学研究科修了、博士(工学)。東京大学准教授、千葉大学准教授を経て、2017年4月より現職
【専門】ロボット工学、人工知能、認知症予防
2006年、認知症をもつ祖母との会話をヒントに、「共想法」を考案。高齢者を支援する実用的な技術を高齢者と共に創るため、2007年、研究拠点「ほのぼの研究所」を設立、翌年、NPO法人化。自治体、福祉・介護・医療機関との協働事業を展開。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/365032/LL_img_365032_5.jpg
会話支援AIロボット「ぼのちゃん」と大武
■NPO法人ほのぼの研究所について
超高齢社会の課題である「認知症」を、高齢者を中心に全世代と共に考え、解決方法を提案する新しい学問を創り、「防ぎうる認知症にならない社会」を実現することを目的として2008年に千葉県柏市で発足し、今年設立15周年を迎える。認知症予防のための会話支援ロボット「ぼのちゃん」を使った共想法を実践し、認知機能を向上するなどの効果をあげている。「共想法」実践研究の運営は、平均年齢 70 代の市民研究員で、20代から90代の賛助会員が参加している。
■理化学研究所 革新知能統合研究(AIP)センター
目的指向基盤技術研究グループ 認知行動支援技術チーム
HP: https://aip.riken.jp/labs/goalorient_tech/cogn_behav_assist_tech/?lang=ja