2023年8月1日 11:00
現在、運転手を必要としないレベル5の完全自動運転車の実用化に向け、各社の取り組みが進んでいますが、「ひと」と「クルマ」、双方の安全性の確保については最も考慮しなければならない課題のひとつです。その課題を解決する技術として車載カメラがあります。いずれ来る完全自動運転社会に貢献する技術のひとつとして、車載カメラへの期待が高まっています。
京セラは、この車載カメラを20年以上に渡り開発・製造してきました。当社の持つ光学・回路・ソフトウェア設計技術や映像設計技術を生かし、現在、世界各国の交通社会の安全に貢献しています。
■京セラ製車載カメラの詳細:https://www.kyocera.co.jp/prdct/camera/index.html
車載カメラ搭載イメージ
京セラ製車載カメラ
■車載カメラの役割とは
一般的に車載カメラは、交通安全や証拠保全、ドライバーの安全意識向上に大きく貢献する重要なデバイスです。たとえば、衝突警報システム、車線逸脱警報システムや、車両の後退時にはバックカメラによる後部死角を軽減するなどドライバーへの警告や支援機能を提供するために使用されます。
さらに、安全性向上だけでなく事故発生時には、カメラが撮影した映像が衝突原因や状況を明らかにし、トラブル解決にも役立ちます。また、車載カメラは盗難防止の面でも有用です。カメラが車の周囲を監視し、不正侵入や窃盗などの犯罪行為を記録することで、被害の証拠となり、犯罪防止にも寄与するなど、今や車には欠かせないものです。
アメリカでは、2018年5月より販売する新車の100%がこの車載カメラを使用したバックモニターを搭載するよう義務付けられました。欧州、日本でもバック時の安全性確保のため、カメラなどで車両後部の視認性確保が法規化されています。
実は、世界各国の自動車の安全性や運転支援に重要な役割を担っている車載カメラ。そのキーデバイスを京セラは開発・製造しています。
■京セラ製車載カメラの特長
京セラの車載カメラは、当社の光学・回路・ソフトウェア・機構などの幅広い設計技術をベースに開発されました。特に、車載カメラに搭載されている最も重要な部品のひとつであるレンズユニットを民生カメラで培った光学技術を生かして自社で内製することが可能です。また、電子回路も自社にて設計しており、最適な部品選定や設計技術、熱・応力解析、ノイズや電磁場解析などの解析技術も活かし製品を開発することで車載品質を実現しています。
≪映像設計技術≫
映像設計技術に関して、民生カメラの開発経験から蓄積したノウハウも当社の強みのひとつです。車両を走行していくと、昼の太陽光下などの明るい場所、夜間の街灯下や駐車場の暗い場所などさまざまなシーンが存在します。利用シーンが変わると光の当たり方も異なりますが、映像の色、明るさ、解像感、ノイズのバランスを取り、高精細な映像を映し出すことで安全な運転を支援します。
バックモニター画像比較
上:他社製 下:京セラ製
≪ソフトウェア設計技術≫
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/363534/img_363534_5.png
単に映像を映し出すだけでなく、白線や歩行者の検知、ドライバーの監視まで、カメラモジュールに求められる機能は日々拡大しています。ガイド線や警告表示の重畳といった基本的な設定だけでなく、人や車の認識機能の研究開発を行い、提供価値向上を推し進めます。
今後も京セラは、運転中の問題点を把握し、安全かつ責任ある運転に繋がる製品を開発・提供することで、来る完全自動運転社会でも安心・安全な交通社会の実現へ貢献します。
■本製品に関わる京セラの社員より
京セラ独自のカスタム対応力で高性能・高品質な車載カメラモジュールを目指す
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/363534/img_363534_6.png
私は、開発として車載カメラモジュールの映像設計を主に担当しています。具体的には、車載カメラにて、駐車時の死角を映し出し、安全な運転を支援するビューカメラ映像を設計しています。車載カメラは自動車の目でもあり、安全性に大きく貢献するデバイスですので、いかに視認性のよい映像を設計するかが重要です。
私たちは、京セラがこれまで培ってきた開発知見を生かし、お客さまの求める製品を提供できるように日々開発を進めています。品質の高さに加え、このカスタム対応力を評価いただき、多くの採用に繋がっていると感じています。
今後も高性能・高品質な車載カメラを提供することで、世界中で事故のない交通社会を実現する、品質、コスト、納期のすべてに優れた製品を開発していきたいです。
異なる文化や環境でも安定して自動車部品を供給するために
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/363534/img_363534_7.png
現在、私はタイの首都バンコクにて、インド、台湾、オセアニア、東南アジアの自動車部品の営業を担当しています。
車載カメラをはじめ、自動車に使用される部品には高品質・高信頼性が求められます。また、車のコスト競争力を高めるために部品の価格にも厳しい要求があります。そして、お客さまへ遅延なく車を届けるためには、車両の生産を止めないように安定した部品の供給が求められます。
特に海外では、低価格を売りにした競合メーカーも複数存在し、これらの競合との競争に勝ち抜かなければなりません。私たちは常に、お客さまの困りごとは何か、その国特有の課題はあるか、また車両に固有の要求事項はあるのかなどを把握し対応することでそれらの課題解決に努めています。
タイやインド、東南アジア各国ではまだ、車社会における安全に関する交通マナーや意識、ルールが完全に浸透していないように感じています。このようなルールが整備されていない環境でも、京セラの技術を通じて、事故のない世界、人々が安心して生活できる世界を実現したいと考えています。