2022年11月24日 09:30
工場設備の保全・効率化をサポートする中山水熱工業株式会社(本社:三重県鈴鹿市、代表取締役:中山 慎司)は、Wi-Fi振動センサー「コナンエアー」で、アンダーサンプリング(通常よりもデータ数を減らしたサンプリング)による振動計測で軸受の損傷検知ができることを実証しました。2022年12月1日、2日に大阪で開催される、一般社団法人日本機械学会(以下 日本機械学会) 第20回評価・診断に関するシンポジウムで発表します。
Wi-Fi振動センサー「コナンエアー」の主な利用目的は、人の健康診断で医師が聴診するように、機械や設備のヘルスチェックを行うことです。これまでは主に簡易的な異常か正常かを識別する目的で使われていて、異常要因の調査などの精密診断には高性能で高価な振動センサーが必要でした。今回の新しい技術で、軸受精密診断のほとんどが3万円~(税別)のコナンエアーでカバー出来ることになります。
コナンエアーのすべてのモデルにソフトウェアアップデートでこの技術が使えるようになります。ユーザに無償アップデートの提供を開始しています。
「コナンエアー」は、メンテナンス機器に関する新技術の開発を奨励する日本プラントメンテナンス協会2020年度TPM優秀商品賞を受賞しています。
製品HP: http://www.nsx.co.jp/products/index.html
【軸受の損傷検知】
軸受に傷が発生すると、高い周波数(2~8kHz)の衝撃振動が発生するので包絡線(振幅の変化)を調べてその発生間隔を確認することでベアリングの診断ができます。これは半世紀以上の実績がある確立した技術です。
従来は高い周波数の衝撃振動を測定するため、高価な振動センサーが使われていました。
またサンプリング周波数の低い安価なデジタル出力のセンサーではこの様な振動は測定できない、あるいは高い周波数の衝撃振動が大きな折り返し雑音になり測定を阻害すると考えられてきました。
【アンダーサンプリングを応用した新しい技術】
この度当社は、折り返し雑音から衝撃振動の包絡線を調べることが可能であることを発見・確認いたしました。
この様に折り返し雑音を積極的に利用し、サンプリング周波数が低くても高い周波数の信号を扱えるようにする技術をアンダーサンプリングと言います。この技術は高い周波数の信号を扱わなくてはならない無線通信システムで主に利用されてきました。
アンダーサンプリングが可能な汎用品の振動センサーを使い、ベアリング診断に必要な衝撃振動の間隔を確認することができました。その結果、扱うデータ量が少なくて済むことも相まって非常に安価なベアリング診断機を実現できました。
【日本機械学会のシンポジウムで発表】
12月1日、2日に大阪で開催される、日本機械学会 第20回評価・診断に関するシンポジウムで発表します。(発表No.109)
URL: https://www.jsme.or.jp/event/22-110/
プログラムは下記にあります。
http://diagnosis.dynamics.mech.eng.osaka-cu.ac.jp/modules/pico2/index.php?content_id=36
【Wi-Fi振動センサー「コナンエアー」の主な仕様】
振動センサー :デジタル加速度センサー ADXL345
(ANALOG DEVICES社製)
測定レンジ :3軸 各±16g
応答周波数 :0~1,000Hz (-3dB)
データサンプリング周期:3,200Hz
サイズ :W65×D52×H32 [mm]
重量 :77g
【今後の展開】
多数のコナンエアーが主に簡易診断目的で運用されているので、精密診断に適用を広げてユーザの役に立つ改善を続けます。
外部試験機関によるCEマーキングおよびFCCの適合証明を得られたので海外向けの販売を開始しています。
危険エリアでの利用ニーズに応えて耐圧防爆化開発を進めていて、2023年中のリリースを目指しています。
また、安価な振動センサーが軸受や減速機ほか様々な機械の異常検知のために広く利用されて、DXに貢献することを期待しています。
【会社概要】
商号 : 中山水熱工業株式会社
代表者 : 代表取締役 中山 慎司
所在地 : 〒513-0835 三重県鈴鹿市平野町7686-10
設立 : 1969年11月
事業内容: 機械設備工事業、自社製品開発・製造・販売
資本金 : 1,500万円
URL : http://www.nsx.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
中山水熱工業株式会社
担当 : 中山 慎司
Tel : 090-2189-1398
Tel : 059-375-0330
E-Mail: nakayama@nsx.co.jp