2022年11月10日 15:00
この度、プロテオグリカン素材事務局は、2022年11月9日(水)に、メディア向けセミナー『インナーケア最前線!肌のハリは真皮の細胞から作る時代へ ~内側から美肌成分を生み出す「プロテオグリカン」の可能性~』をオンライン配信にて開催いたしました。
近年、美容において化粧品だけでなくインナーケアの重要性が注目されています。特にマスク生活によって隠れていた部分のしわ・たるみなど、肌のハリが低下していることが気になる人も多いのではないでしょうか。
本セミナーでは、理想的なハリのある肌を維持していくためのカギとなる、真皮に着目したケアの重要性や、その対策として細胞から美肌成分を生み出すことが注目される「プロテオグリカン」の可能性について、インナーケアの視点から各領域の専門家が解説いたしました。
登壇者は、ゲストとして、インナーケアを含めアンチエイジングの様々な美容治療や解説で活躍されている高瀬 聡子先生(ウォブクリニック中目黒 総院長)、皮膚の老化現象の予防、改善に関する基礎研究がご専門の安藤 秀哉先生(岡山理科大学 生命科学部 生物科学科 教授)、弘前大学などとともにプロテオグリカンの研究開発に取り組んでいる一丸ファルコス株式会社よりプロテオグリカンの研究担当者が登壇いたしました。
※高瀬 聡子先生の「高」は正式にははしごだかです。
■講演(1)「肌年齢を決めるのは内側のハリ 細胞に働きかけるインナーケアへの注目」
ウォブクリニック中目黒 総院長 高瀬 聡子先生
高瀬 聡子先生講演(1)
エイジングの最新研究では、ペースオブエイジングと呼ばれる、老化のペースには個人差があり、見た目が若い人は体内も若いという考え方が注目されています。
肌の老化という観点からは、深いシワだったり、ほうれい線、ツヤのなさといった症状が見られます。それらの症状は主に肌のたるみによって引き起こされています。たるみの原因は、肌の内部である真皮層のECM(細胞外マトリクス)が少なくなることで隙間ができ、真皮の弾力が衰えることです。また、加齢によって、ECMを構成する美肌成分のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンの減少に加えて、これらを産生する真皮の線維芽細胞も減少してしまいます。そのため、美肌成分を生み出す力自体も減少してしまいます。
以上のような観点から、エイジングケアには、肌の細胞に働きかけて「肌本来の機能をキープ」する根本からアプローチするという考え方が重要です。
高瀬 聡子先生講演(2)
細胞に働きかけるケアには、肌の外側から肌内部の細胞に刺激を与える方法と、体の内側からのアプローチとして、インナーケアによる細胞活性が注目されています。インナーケアのアプローチにおいて、真皮のECMにも含まれるプロテオグリカンは、美肌成分を生み出す線維芽細胞を増やす作用があり、肌の弾力維持が可能になることが分かってきました。プロテオグリカンの経口摂取は、細胞に働きかけて「肌本来の機能をキープする」、まさに「根本からの解決」として、今後期待したいと考えています。
■講演(2)「美肌成分を生み出す真皮と線維芽細胞」
岡山理科大学 生命科学部 生物科学科 教授 安藤 秀哉先生
安藤 秀哉先生講演(1)
多くの研究から、真皮に存在する「線維芽細胞」は美肌を保つための重要な働きをすると考えられています。美肌を支える成分(コラーゲン線維・エラスチン線維・ヒアルロン酸などの細胞外マトリクス)の産生や、肌の色調に関わる色素細胞のメラニン生成制御、他にも、肌の炎症に関与するなど、肌の健康を維持する重要な役割を多数担っています。
肌のハリという観点では、線維芽細胞は肌の弾力を支えているコラーゲン線維(強靭性)、エラスチン線維(弾力性)、細胞外マトリクス(ヒアルロン酸やプロテオグリカンなど)を産生することで、美肌成分で満たされたハリのある真皮を作っていると言えます。
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安藤 秀哉先生講演(2)
その中でプロテオグリカンは、線維芽細胞の増殖促進作用をもつことが証明されているため、真皮におけるコラーゲンやヒアルロン酸などの美肌成分を増やし、肌弾力維持への貢献ができると考えられます。また、線維芽細胞の生理機能に作用することから、一度に複数の美肌成分を生み出すことができる効率性の点でも期待ができます。
プロテオグリカンの経口摂取で肌弾力の改善効果が明らかにされていることから、そのさらなるメカニズム解明と共に、より多くの健康維持分野への貢献を期待しています。
■講演(3)「美肌成分を細胞から生み出す注目成分『プロテオグリカン』について」
一丸ファルコス株式会社 開発部 開発3課 ワイズ 里沙氏
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ワイズ 里沙氏講演(1)
当社が研究している成分プロテオグリカンは、生体成分として、人間の真皮層にも存在する美肌成分の一種です。スポンジのような高い保水力を持ち、それにより粘性や弾性といった衝撃への耐性を持つクッション成分で、軟骨や皮膚などの組織に豊富に含まれています。
プロテオグリカンは、元々抽出方法が難しく大変高価な素材でしたが、弘前大学と角弘社(青森県)との共同研究により、郷土料理「氷頭なます」の調理法をヒントにし、サケ鼻軟骨から未分解プロテオグリカンを安価に抽出する技術が開発されました。この技術を応用し、当社で工業化に成功しました。
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ワイズ 里沙氏講演(2)
プロテオグリカンの研究状況としては、現在、関節への機能性研究から、美肌作用を中心とした美容分野への研究が進んできています。美容分野における主な研究成果としては、プロテオグリカンの添加によるヒト皮膚細胞(表皮細胞、真皮線維芽細胞)の増殖能促進や、真皮の美肌成分であるI型コラーゲン、ヒアルロン酸の産生促進があります。そして、経口摂取では、しわ・たるみの改善、肌の弾力改善も確認しており、機能性表示食品も受理した成分です。またプロテオグリカンは低摂取量かつ短期間で機能性を確認されています。
以上のように、プロテオグリカンは美容分野において、線維芽細胞に働きかけることで内側から美肌成分を生み出し、肌の弾力改善に貢献できる注目の成分と考えております。ぜひプロテオグリカン入りの食品やサプリメントをお試しください。
■登壇者プロフィール
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高瀬 聡子先生
高瀬 聡子(たかせ あきこ)先生
美容皮膚科医/ウォブクリニック中目黒 総院長
東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学付属病院で皮膚科勤務を経て、2003年にスキンケアブランドを立ち上げ、2007年に美容皮膚科クリニックを開院。シミ、たるみ治療を中心に、個性やライフステージに合った本来の美しさを引き出す美容医療を提案。アンチエイジング領域でのインナーケアの解説には定評があり、雑誌、テレビ出演など様々な分野で活躍中。日本皮膚科学会正会員、日本美容皮膚科学会会員。
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安藤 秀哉先生
安藤 秀哉(あんどう ひでや)先生
岡山理科大学 生命科学部 生物科学科 教授/博士(医学)
名古屋大学農学部畜産学科卒業後、化粧品会社の研究員を経て、博士号(神戸大学・論文博士)を取得。2011年4月より現職。皮膚の老化現象を予防、改善する機能性化粧品開発のための基礎研究に尽力している。
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ワイズ 里沙氏
ワイズ 里沙(りさ)氏
一丸ファルコス株式会社 開発部 開発3課
2020年一丸ファルコス株式会社に入社。現在同社開発部に所属し、プロテオグリカンの機能性研究や機能性表示食品の届出支援、天然素材からの機能性食品素材の製品開発に従事している。