2022年7月20日 10:00
デンマーク、ドイツやアメリカより世界のリーディングブランドの聴覚検査機器を輸入・販売するダイアテックカンパニー(プレジデント:木下 聡、本社:神奈川県川崎市)は、より柔軟な小児向け遊戯聴力検査を実施できる視覚強化聴力検査用の視覚報酬呈示装置「VRAスクリーン」を2022年7月20日(水)に発売いたします。視覚強化聴力検査(VRA)は、新しいCORとして実施できる柔軟性の高い検査法です。「VRAスクリーン」では自由に視覚報酬としてのデジタル映像(画像・動画)をカスタマイズでき、豊富な視覚報酬を提供します。単純な構成ながら、検査の内容や目的に応じて幅広く活用いただける製品です。
製品ページ: https://www.diatec-diagnostics.jp/VRA-Screen
小児難聴の診断は大変重要ですが、小児では一定年齢にならないと純音聴力検査を実施できないため、一般的に行動観察による聴力検査、BOAやCORなどを行い、ABRやASSRなど他覚的な聴力検査と組み合わせて難聴を評価・診断しています。行動観察による聴力検査法として1960年代より日本における小児難聴診断には音場における両耳下気導純音聴力検査法として条件詮索反応聴力検査(COR)が日本では一般的に使われてきました。近年では、さらに柔軟に検査を行うことやさまざまな報酬を与えられることが現場で求められてきています。海外では1969年にスウェーデンのLidenとKankkonenがCORと追加研究を基に、簡単で改良された検査方法として視覚強化聴力検査(VRA)を発表しました。
現在では、VRAは小児聴力検査法としてイギリスオーディオロジー学会(BSA)などにおいて国際的に用いられています。CORもVRAも同じ原理の検査法で、定頸後の子どもを対象とし、視覚刺激で音に対する振り向き反応を強化して条件反応を利用して聴力検査を行います。VRAスクリーンは、CORの原理を基に、より簡単に被検児の好みや年齢層に合わせて検査を行える、時代に合わせた視覚強化聴力検査用装置です。
VRAスクリーンは視覚刺激の種類として映像(画像・動画)を使用でき、その映像もカスタマイズできます。また、VRAスクリーンは単体で稼働し、オージオメータと組み合わせて使用します。トランスデューサーの選択肢も豊富で音場用スピーカー以外にも、インサートイヤホン、ヘッドホン、骨導レシーバーから検査の目的や状況に合わせてお選びいただけます。これらのトランスデューサーをお使いいただくことにより左右個別に検査を実施できるため、より正確な閾値を評価することができます。
●VRAスクリーンの主な特長
1. 単純構成で簡単操作
・小型のVRA専用PCにモニター画面を接続するだけの単純構成です。
・視覚報酬を呈示するモニター画面は最大3画面までお使いいただけます。
・視覚報酬の呈示はマウスで行い、クリック音のないサイレント操作です。
2. カスタマイズ可能な視覚報酬
・標準搭載またはカスタマイズしたデジタル映像(画像・動画)を視覚報酬として呈示できます。
・映像(画像・動画)を自由にカスタマイズできます。
・被検児の好みや興味に応じた視覚刺激を呈示することができるため、幅広い年齢層に応用して活用できます。
3. 豊富な検査条件による検査法
・スピーカー角度は±45°または±90°で設置します。±90°の場合は、音への振り向きを顕著に観察しやすくなります。
・音場スピーカー以外に、インサートイヤホン、ヘッドホン、骨導レシーバーなど、さまざまなトランスデューサーを使用できるため、左右個別に閾値を測定できます。
・インサートイヤホンでは、チューブ先端に補聴器のイヤモールドを取り付けることができます。補聴器を既に装用している被検児では、使い慣れたイヤモールドを使用するためスムーズに検査を進められます。
4. その他の特長
・省スペース化にも対応可能です。
・VRA単体でも購入いただけます。
・VRA遊戯ボックスも提供しています。
●ダイアテックカンパニーのプレジデント 木下 聡 コメント:
『日本で開発されたCORが海外へ広まり、その後CORをベースとした「VRA」が誕生し、海外では小児聴力検査法としてイギリスオーディオロジー学会(BSA)をはじめとして、幅広く使われています。国際的に使用される聴覚検査装置を提供するデマントグループの一員として、今回は「VRA」を日本の市場にお届けできることを大変嬉しく思います。CORをより使いやすくしたVRAをぜひ使っていただき、小児難聴の診断において少しでもお役に立てることを願っています。』
●製品概要
販売名 :VRAスクリーン
販売価格:600,000円(税別)
製品構成の詳細についてはお問い合わせください。
寸法 :18.3×17.9×3.45cm
重量 :1.32Kg
●ダイアテックカンパニーについて
ダイアテックカンパニーはデンマークのデマント社の傘下にあり、世界で唯一の慈善財団が所有する補聴器会社であるオーティコン社日本法人の医用機器事業部門として2013年に設立されました。インターアコースティクス社(デンマーク)、メイコ社(ドイツ)およびメドレックス社(アメリカ)の聴覚検査装置および補聴器関連機器の輸入販売および保守サービスの提供を行っています( https://www.diatec-diagnostics.jp/ )。
『学術研究への貢献』、『医療現場への貢献』、『聴覚補償への貢献』という三つの理念の基、聴覚検査装置および補聴器関連機器を通じて『耳』、『聞こえ』に関わるさまざまな方々へ世界の先端学術研究の知見を基に、欧米の国際規格に準じた製品をいち早く日本のお客様にご紹介し、最適なソリューションを提供することを使命としています。
●デマントグループについて
デマントは、118年前にデンマークのオーデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器、人工内耳事業へと参入していきました。現在、聴覚ヘルスケアにおけるすべての分野をカバーする世界唯一の企業として、世界130か国以上でビジネスを展開しています。ビジネス領域ごとの売り上げ比率では、補聴器事業(卸売りと小売り合計)が81%を占めており、その他、人工内耳事業が3%、診断機器事業が10%、コミュニケーション事業が6%を占めています。中核となる補聴器事業ではオーティコン、フィリップス、バーナフォン、ソニックなど複数のブランドを展開しています。また、デマントはウィリアム・デマント財団が所有し、世界で唯一の慈善財団が所有する聴覚ヘルスケア企業です。
全デマントグループ18,000人強の従業員とともに、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発を行っています。