2022年3月8日 13:15
AIサイバーセキュリティのグローバルリーダーであるDarktrace(以下、ダークトレース、本社:英国ケンブリッジ)は、このたびオランダのハーグに本社を置くCybersprint B.V.(以下、サイバースプリント社)の発行済み株式を全株取得することで正式合意したことを2022年2月23日付で発表しました。サイバースプリント社は、アウトサイド・インの観点で継続的かつリアルタイムなインサイトを提供することでサイバー防御の盲点を排除し、リスクを検知するアタックサーフェス管理(ASM)企業です。今回のサイバースプリント社の買収は、「継続的なサイバーAIループ」(Continuous Cyber AI Loop)を提供するというダークトレースのビジョンと一致し、ダークトレース独自の自己学習型AI技術とインサイド・アウトの観点を補完するものです。
ダークトレースは、4,750万ユーロ(約61億7,500万円)でサイバースプリント社を買収し、約75%を現金、25%を株式で支払います。この取引の価値は、サイバースプリント社の年間経常収益(ARR)の約12.5倍です。買収完了予定日は2022年3月1日前後であり、2022年度における今後のダークトレースの業績にサイバースプリント社の業績は影響しない見込みです。
サイバースプリント社のASMデータを取得することで、ダークトレースが提供する既存の検知・遮断製品を外部の脆弱性データとの連携で強化し、プロアクティブなAIサイバーセキュリティなどの新領域への市場参入を加速します。具体的には、この新機能は検知(Detect:Enterprise Immune Systemによる)、調査(Investigate: Cyber AI Analystによる)、遮断(Respond:Darktrace Antigena)の3機能を補完し、継続的なサイバーAIループを完結する一助となる「予防」(Prevent)の価値をもたらす製品群の新たなモジュールとして提供される予定で、サイバースプリント社が提供する組織固有のウェブデータをダークトレースが研究開発を進める攻撃経路モデリング(Attach Path Modeling)技術に応用します。
ダークトレースが予防領域で提供する製品群の概要と攻撃経路モデリングについて詳しくは、こちら https://www.darktrace.com/en/press/2022/398/ (英語)をご覧ください。
継続的なサイバーAIループ(Continuous Cyber AI Loop)
今回の買収により、ダークトレースは欧州において2拠点目となる研究開発センターをオランダのハーグに取得し、英国ケンブリッジに拠点を置く世界レベルの数学者およびソフトウェアエンジニアと協働します。サイバースプリント社の従業員は、インターネットデータを継続的かつリアルタイムにモデル化する手法、およびエシカルハッキングの深い専門知識をもたらします。
ダークトレースのCEO、ポピー・グスタフソンは、「サイバースプリント社のチームをダークトレースに迎えられることを非常に喜ばしく思います。インサイド・アウトとアウトサイド・インの可視性を統合することは極めて重要で、堅牢かつ豊富でリアルタイムな外部のデータセットに対するアクセスと、ダークトレースの自己学習型AI技術を組み合わせることで、お客様がサイバーリスクの全体像と優先順位を即座に認知し、組織における最も脆弱な部分を自律的に強化することを意味します。今回の買収により、サイバースプリント社の7年間にわたる研究開発の成果を活用して予防領域の製品群の開発を加速することができ、最終的にはサイバー攻撃者によるミッション成功をさらに困難なものにします」と述べています。
サイバースプリント社のCEO、ピーター・ヤンセン(Pieter Jansen)氏は、「弊社の歴史におけるこの素晴らしいステップにとても興奮しています。私たちは外部からの視点でサイバーセキュリティにおける手作業のタスクを自動化することに情熱を注いでいます。攻撃者は決して眠らず、スコープを決めずに活動しています。ダークトレースと会話を始めたとき、私たちはビジョン、文化、技術の面ですぐに親和性を感じました。ダークトレースに参画し、組織をよりサイバーセキュアにするための最先端のイノベーションを加速することを楽しみにしています」と述べています。
■ダークトレースについて
ダークトレース(ロンドン証券取引所上場、ティッカーシンボル:DARK)は、AIサイバーセキュリティのグローバルリーダーで、クラウドおよびSaaS環境における最も進化した攻撃やランサムウェアなどあらゆるサイバー脅威から世界各国で6,500社以上の顧客を保護する世界で唯一の技術を提供しています。ダークトレース独自の自己学習型AIは組織のビジネス全体を理解し続けることで脅威を自律的に検知・調査・遮断します。従業員数は1,700名を超え、本社は英国ケンブリッジにあり、世界に30以上の拠点を置いています。ダークトレースはTIME誌の2021年版「世界で最も影響力のある100社」に選出されました。
■サイバースプリント社について
サイバースプリント(Cybersprint)は、攻撃対象領域(アタックサーフェス)をマッピングする企業で、組織やブランドのデジタル資産を継続的かつ自動的に完全な形で可視化し続けます。ゼロスコープのAIドリブンなアプローチにより、アウトサイド・インの観点でインサイトを提供し、セキュリティの死角をなくすことで、セキュリティチームは脆弱性の緩和を優先でき、データ漏えいやランサムウェアによる侵害などのサイバー脅威を検知・予防できます。サイバースプリントのアタックサーフェス管理(ASM)プラットフォームにより、組織はカスタマイズ可能なフィルタとアラートを駆使してリスク管理と監視を自動化し、既存のプロセスに統合します。
英フィナンシャル・タイムズ紙は欧州における最速成長企業ランキングであるFT1000において、サイバースプリントを欧州最速で成長するサイバーセキュリティ企業の1社に選定しました。また、独立系調査機関のフォレスター社はサイバースプリントを含むASMベンダーを評価することを推奨しています。