2022年3月3日 10:00
カリフォルニア州のくるみ生産農家と加工業者を代表する米国農務省の外郭団体であるカリフォルニア くるみ協会(本部:米国カリフォルニア州フォルサム)は、本日3月3日より、くるみに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸の健康効果への認知・理解を促進するために“The Power of 3”(3のチカラ)キャンペーンをスタートしました。
今年で3年目となる本キャンペーンは、アメリカ本国をはじめ当協会が代表事務所を置く日本、韓国、インド、ドイツ、スペイン、イギリス、トルコ、UAEの計9か国が連携し、世界のレシピを通してくるみに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸=ALA)を日々の食事に取り入れるアイデアを紹介するものです。
そして2022年のテーマは、植物由来の食材を豊富に摂る食事法「プラントベース」。各国の料理研究家やインフルエンサーにより開発されたくるみのプラントベースレシピを、ビデオと協会ホームページの特設ページを中心に、店頭プロモーション、広告など各国様々なコミュニケーションツールで紹介します。また、ソーシャルメディアを通じたフォトコンテスト等、消費者参加型のプログラムを展開してまいります。
くるみは、体内で生成されず食品から摂る必要がある必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸=ALA)をナッツの中で唯一豊富に含み、心臓の健康、認知機能の改善、健康的な加齢に関する様々な健康効果が報告されています。くるみひとつかみ(約30g)あたり、α-リノレン酸(2.7g)、植物性たんぱく質(4.6g)、食物繊維(2g)、マグネシウムの他、免疫機能に寄与するビタミンB6(0.2mg)や銅(0.48mg)、マンガン(0.1mg)が摂取できます。
今年のThe Power of 3キャンペーンでは、世界各国からくるみを使ったプラントベースレシピが集まりました。ぜひこの機会に、ヘルシーなプラントベースレシピにチャレンジしてみてください。
【“The Power of 3”キャンペーン概要】
●期間
3月3日から1か月間
●目的
くるみに含まれる植物由来のオメガ3脂肪酸(ALA=α-リノレン酸、2.7g/30g)を啓蒙し、週に少なくとも3つかみ(ひとつかみ約30g)のくるみを食べ、手軽に栄養改善することを推奨する
●日本の特設ページ
https://www.californiakurumi.jp/powerof3
●日本代表インフルエンサー:ぐっち夫婦
料理研究家/フードクリエイター(夫:Tatsuya)
フードスタイリング 栄養士(妻:SHINO)
Instagramフォロワー約78万人 @gucci_fuufu
雑誌「VERY」「ESSE」「クロワッサン」にて連載を持つ他、雑誌「オレンジページ」、「レタスクラブ」や日本テレビ「ヒルナンデス!」、フジテレビ「セブンルール」などメディア出演多数。著書「ぐっち夫婦のお弁当大作戦(お悩み解決! 毎日作り続けられる)」、「ぐっち夫婦の下味冷凍で毎日すぐできごはん」他。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/300304/LL_img_300304_5.jpg
各国代表のインフルエンサー&レシピ
●Instagramフォトコンテスト
日本では9か国のレシピを4つの地域に分け、3月3日よりInstagramフォトコンテストを開催します。毎週出されるお題に合わせてハッシュタグ #ShareThePowerof3 #オメガ3 #「国の名前」をつけて各国レシピの料理写真を投稿していただいた方の中から、毎週3名にくるみ3kgが、また3名にくるみグッズがプレゼントされます。
https://www.instagram.com/californiakurumi
・3/3-9 :アジアWeek (日本、韓国、インド)
・3/10-16:中東Week (トルコ、UAE)
・3/17-23:ヨーロッパWeek(スペイン、ドイツ、イギリス)
・3/24-30:アメリカWeek
■カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission)とは
1987年設立のカリフォルニア くるみ協会 California Walnut Commission(CWC)は、カリフォルニア州の4,500以上のくるみ生産者と、100社に及ぶ加工・販売業者を代表する機関です。カリフォルニア くるみ協会は、世界の輸出市場の開拓活動に関わり、くるみの健康に関する研究を実施しています。アメリカで生産されるくるみの99%以上は、カリフォルニア州の肥沃な土壌で栽培されており、世界で流通するくるみの3分の2を占めています。
【カリフォルニア くるみ協会ホームページ】
英語 : https://walnuts.org/
日本語: https://www.californiakurumi.jp/
(参考資料)
■プラントベース
今注目のプラントベースとは、植物由来の食材を積極的に摂る食事法のことです。野菜や果物、豆類、穀物、ナッツなどを主に摂取しますが、動物性の食材を一切摂取しないビーガンやベジタリアンと異なり、プラントベースでは厳格な決まりがありません。そのため、植物由来の食材中心にしつつも、魚や肉類も柔軟に摂ることができます。オメガ3脂肪酸やたんぱく質、食物繊維など豊富な栄養を含むくるみは、100%植物由来のプラントベース食材。くるみ特有の歯ごたえはしっかりとした満足感を与えてくれるため、そぼろやハンバーガーなどの代替肉にも最適です。
■植物由来のオメガ3脂肪酸(ALA=α-リノレン酸)の科学
オメガ3脂肪酸はすべて健康に良いため、さまざまな食物源からこれらの優れた脂肪を摂取することが重要です。くるみは植物性オメガ3脂肪酸のALA=α-リノレン酸を豊富に含む唯一のナッツであるため、食事で多くのALAを摂取する最も簡単な方法の1つは、真っ先にくるみを食事に取り入れることです。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2020年版)では、オメガ3脂肪酸の摂取量の目標値を決めており、1日あたり18~29歳の男子で2g以上、女子で1.6g以上としています※1。くるみひとつかみ約30gには2.7gのオメガ3脂肪酸が含まれます。
●ALAと心臓の健康
これまでもEPAとDHAに焦点を当てた研究で見られたことですが、『Advances in Nutrition』誌に掲載されたある研究により、ALAが心臓の健康を改善するのに役立つことがわかりました※2。文献レビューは、脳卒中や心臓発作などの心血管疾患の一次および二次予防において、ALAが潜在的に有益な役割を果たしている可能性を示す証拠を提供しています。研究者たちは現在の有望なデータを考慮し、心血管疾患のリスクに対するALAの影響を明らかにして、心臓の健康のために摂取すべきALAの推奨量を決定するには、適切に管理された臨床試験が必要であることを指摘しました。
●ALAと脳の健康
『Progress in Lipid Research』誌に掲載されたあるレビュー研究では、ALAから形成されたオメガ3 DHAの組織レベルが評価されています※3 。研究者たちは幾つかの重要な発見を報告しています。1つ目は、ALAによってEPAが合成される場合があり、特に脳のDHAレベルに貢献する可能性があるということです。さまざまな研究から得られた証拠により、高濃度のALA(少なくとも1.2g)が摂取される場合、食事性ALAが、体内のDHAに対する人間側の要件を満たすことができる可能性が示唆されています。人間が摂取したALAによるEPA及びDHAの合成を評価するには、血中濃度を測定するしかありません。この研究から導き出された結論は、ALAがその変換プロセスを通じて、脳などの重要な組織のDHAレベルを維持する役割を果たしている可能性があるということです。
しかし、体内におけるこのプロセスの影響を完全に理解するためには、さらなる研究が必要です。
●ALAと全死亡率
地中海食の利点を調べた最大規模の臨床試験のうちの1つが研究され、高い心臓リスクを抱えているスペイン人高齢者(55~80歳)で、魚の多い食生活を食事性ALAで補っている人々は、全死因死亡のリスクが低いことがわかりました※4。具体的には、それぞれの1日のカロリー摂取量の少なくとも0.7%をALAから摂取している被検者は、全死因死亡のリスクが28%低下しました。
※1 日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
オメガ3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、EPA、DPA、DHAに大別されます。
※2 Fleming JA, Kris-Etherton PM. α-リノレン酸が心血管疾患に利点をもたらす証拠:エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸との比較。Adv Nutr. 2014;5(6):863S-76S. doi: 10.3945/an.114.005850.
※3 Barcelo-Coblijn G, Murphy EJ. α-リノレン酸と、α-リノレン酸の長鎖n-3脂肪酸への変換:人間の健康に対する利点、および組織のn-3脂肪酸レベルを維持する役割。Prog Lipid Res. 2009;48(6):355-74. doi: 10.1016/j.plipres.2009.07.002.
※4 Sala-Vila A, Guasch-Ferre M, Hu FB, et al. 食事性α-リノレン酸、海洋ω-3脂肪酸、および魚を大量摂取する人々の死亡率: PREvencion con DIeta MEDiterranea (PREDIMED) studyからの知見。 J Am Heart Assoc. 2016;5(1): e002543. doi: 10.1161/JAHA.