2022年2月15日 09:30
東京海上日動火災保険株式会社(取締役社長:広瀬 伸一、以下「当社」)は、契約管理システムの中核としてSAPの“SAP for Insurance”を国内保険会社として初めて導入します。また、Snowflake、Ab Initio等のクラウドでの最新データ処理技術を活用し、契約管理システムをはじめとする基幹システムをDX・データ活用を支えるシステムへと刷新いたします。
1. 背景
当社はこれまでも業務革新プロジェクトによる商品・事務・システムの一体的な抜本改革(2008年~)、よりわかりやすいご説明をお客様にお届けするためのタブレット端末の導入(2012年~)等、デジタル技術の活用によるお客様サービスの高度化や社内事務の削減を実現してきました。
足元ではお客様のニーズや行動様式が大きく変化しており、社会課題の解決を通じた新たなマーケットの創造やデータ・デジタル技術の活用による新しい価値創造等を進めております。
この度、これらの取組みの実現を強力に推進すべく、契約管理システムをパッケージを活用して刷新し、またクラウドサービスに移行することといたしました。
2. 取組みの概要
(1)“SAP for Insurance”を用いた契約管理システムの刷新
様々な環境変化に迅速に対応するための「システムの柔軟性」を確保するべく、新たな契約管理システムの中核として、“SAP for Insurance”(※1)を国内保険会社として初めて導入します。パッケージを最大限に活用するアプローチ“Fit to Standard”(※2)の採用、“SAP HANA(R) Enterprise Cloud”(※3)の利用、グローバルで蓄積されたSAPのベストプラクティスの活用により、短期間・低コストでの導入が可能となりました。
新たな契約管理システムでは、データを徹底的に活用することで、変化するお客様のニーズに的確に対応し、お客様ひとりひとりやマーケットの特性に合わせた商品・サービスを提供いたします。お客様や社会にさらなる安心・安全をお届けしていくとともに、多様なパートナーとの連携により当社の競争力を強化してまいります。
2023年度下期以降、まずは当社の中小企業向け商品である「超ビジネス保険」から順次レベルアップを行う予定です。
(※1)開発・提供スピードの向上に加え、データ分析結果をリアルタイムで反映した商品・サービスの提供、パッケージに標準実装されたAPIの活用によるプラットフォーマー等のシステムとの素早い連携などが可能となります。
(※2)業務に合わせパッケージをカスタマイズするのではなく、パッケージを教科書として必要最小限のカスタマイズを加えていく開発手法。ベストプラクティスによる短期間・低コスト導入を可能にし、システムの開発・導入スピードの向上により変化に素早く対応できます。
(※3)SAPの製品に最適なシステムリソース一式を運用サービス込みで提供するPaaS(Platform as a Service)型マネージドクラウドサービスです。
(2)データ活用を加速するクラウドサービス・最新技術の徹底活用
当社が構築してきた保険契約の計上業務、決算業務、各種データ提供等の仕組みをシンプル化することに加え、Ab Initio(※4)、Snowflake(※5)等が提供する最新技術をクラウドサービス上で用いることで、システム規模の拡大に伴って増加し続けているメンテナンス等に費やす時間を低減し、創出した時間でお客様への新たな価値を提供する取組みを加速させていきます。
さらに協創型次世代データ分析基盤(※6)と連携することで、社内外の様々なデータを利用した高度な分析を行い、得られた知見を商品・サービス・戦略立案等あらゆる場面で迅速に活用していくことが可能となります。
(※4)データの収集・変換・集約に加え複雑な処理を伴うデータ処理・分析を高速に実行できるAb Initioの提供する高速データ処理基盤のこと。旧式のテクノロジーからの自動変換機能も持ち、メンテナンスが困難になりつつあるレガシー資源を可視化・シンプル化することも可能です。
(※5)Snowflakeは、データへの安全かつ管理されたアクセス、理論上無制限の性能と拡張性、複数組織間におけるライブデータ共有を特徴とする“Snowflakeデータクラウド”を提供しており、基幹系システムとも連携した柔軟かつ迅速なデータ利活用を推進できます。
(※6)21年6月17日ニュースリリース:東京海上グループのデータ活用を支えるインフラの強化 ~セキュアな「協創型次世代データ分析基盤」への発展~
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210617_01.pdf