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CPUで液体金属を使うと返品保証を拒否される可能性

 Intelの第13世代/第14世代Coreの不安定動作問題などで、返品保証が適用され、さらには保証期間が延長されていたりするのだが、CPUクーラー装着の際にいわゆる通常のサーマルグリスではなく熱伝導性が高い液体金属を使用しているユーザーは要注意だ。

 香港のテックメディアHKEPCの読者投稿による“実体験談”によれば、不安定動作を引き起こした第13世代CPUをIntelの返品保証(RMA)に出したところ、拒否されたのだという。そしてHKEPCが販売代理店に問い合わせたところ、返品保証を拒否した理由は、液体金属の使用により表面のロット番号が識別できなくなったためだとしている。

 Intelが公開している返品保証規定では、CPUに物理的なダメージがある場合は製品が出荷時から変更されていることを意味し、改ざんにあたる可能性があるため、保証規定違反として保証が適用されなくなる。

 通常の使用において、マザーボードのリテンション機構などで傷が付いた場合は該当しないとのことだが、具体的な例として挙げられているのは、部品の欠損やヒートスプレッダの深い傷、角欠け、マーキングの削り落とし、熱損傷(焦げ跡)、認定された洗浄溶液で除去できないランドパッド上の異物などが含まれる。

 そしてこの具体例の最後に挙げられているのが「液体金属の使用」で、プロセッサ上のマーキングを消す可能性があるためだとしている。Intelが公開している別ページにおいても、保証が無効になる可能性があると明言されている。

 液体金属は、通常のサーマルグリスなどと比較すると格段に高い熱伝導性を有しているため、CPUの温度を下げる意味で高い効果を持つが、導電性もあるため、取り扱いに細心の注意を払う必要がある。加えて、メーカーの保証を切らすリスクがあることも加味した上で選択されたい。