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1,000年かけて1枚の写真を撮影する「ミレニアムカメラ」。アリゾナ大が設置

トゥマモックヒルに設置されたミレニアムカメラ

 アリゾナ大学がアリゾナ州ツーソンのトゥマモックヒルに、1,000年かけて1枚の写真を撮影するカメラ「ミレニアムカメラ」を設置した。同大学芸術学部の研究員で実験哲学者のジョナサン・キーツ氏によって考案されたこのカメラは、2023年から3023年までの撮影を予定している。

 ミレニアムカメラは、同氏のプロジェクト「Deep Time Photography」として設置されたカメラで、さまざまな地域の環境変化を1,000年にわたって写真に記録することを目的としている。

ミレニアムカメラ

 このカメラは伝統的なピンホールカメラに基づいており、24金の薄いシートに開けられた微細な穴を通して光を取り込む。取り込んだ太陽光によりシートにコーティングされたローズマダーという油彩顔料が1,000年をかけてゆっくりと褪色していくことで、ツーソンの風景が徐々に映し出されるという。

 同プロジェクトは、後世の人間が都市開発から気候変動までの環境変化を研究するための資料として活用されることや、現代の人間がカメラを通じて環境に対する長期的な影響を想像し、未来に向けて行動を変えるきっかけとして機能することを目的としている。

 同氏は、Deep Time Photographyを地球全体で未来を考えるためのプロジェクトと位置づけており、ミレニアムカメラを世界各地に設置する計画を立てている。ミレニアムカメラは今後、アリゾナ大学やアマースト大学、ネバダ州レイクタホにも設置されるという。