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米麻薬取締局、Appleの忘れ物防止タグ「AirTag」で薬物を追跡

AirTag

 米麻薬取締局(DEA)が、薬物捜査にAppleの忘れ物防止タグ「AirTag」を使用したという。

 同局は昨年5月、上海から届いた2つの荷物を国境警備隊から受け取った。荷物の片方には、粉末を錠剤に圧縮するための機械であるピルプレスが入っており、同局は違法な麻薬製造業者宛てと考え、ピルプレス内にAirTagを入れて荷物を追跡できるようにしたという。

 Forbesの報道によると、連邦政府機関がAppleの位置追跡デバイスを監視に利用したのは今回が初であるという。

 同誌の取材に応じたアリゾナ州検事総長室の元刑事であるBrady Wilkins氏は、DEAがAirTagを利用したのは警察が現在利用できるGPSデバイスが故障してしまい代替品とした可能性があると述べたほか、AirTagがほかのデバイスより簡単に隠すことができ、容疑者に発見されにくいと語っている。

 Appleは以前より、ユーザーがAirTagを監視用途などに利用できないよう、保護機能を導入している。たとえば、Bluetoothを介して未知の追跡デバイスが検出された際にiPhoneに警告の通知が表示されるほか、AirTagに所有者が長時間近くにいない際にビープ音が鳴るようになっている。

 なお、ピルプレスの受取人は、連邦裁判所では起訴されていないが州から起訴されているという。