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【懐パーツ】一世を風靡した3Dアクセラレータ「Creative 3D Blaster Voodoo2」

Creative 3D Blaster Voodoo2

 Creativeの「3D Blaster Voodoo2」は、3dfxのVoodoo2を搭載したハイエンド3Dアクセラレータだ。1998年3月に発売され、当時の実売価格は3万7,800円前後だった。

 Voodooは独自API「Glide」を採用し、(当時としては)高速な描画を実現していた3Dグラフィックスアクセラレータである。Voodoo2ではVoodooから動作クロックの高速化とトライアングルセットアップ機能の強化により約3倍となる300万ポリゴン/秒の処理能力を実現した

 また、テクスチャマッピングユニット(TMU)を2基搭載することで、デュアルテクスチャ処理を可能にした。これにより対応ゲームでは、Voodoo初代と比較して性能がさらに向上。さらに、2枚を並列稼働させて描画性能を向上させるSLI(ScanLine Interleave、奇数と偶数ラインの描画を分けて担当)に対応しているのも特徴。このためハイエンドユーザーなら一気に2枚買うという行為が流行した

 今回入手したカードはメモリ12MB版(フレームバッファ4MB+テクスチャバッファ8MB)で、3つそれぞれのチップに8個ずつMAGIC Silicon製EDO RAMのチップ「SM81C256K16CJ-25」を搭載している。このチップは刻印の通り100MHzで駆動。バス幅は64bitだったので、帯域幅は800MB/sだ。

「500-0009-01」と刻印あるのはフレームバッファインターフェイス
「500-0010-01」と刻印があるのはテクスチャマッピングエンジン
メモリはすべてMAGIC Silicon製のEDO RAM

 なお、下位モデルとしてはメモリ8MB版もあり、テクスチャバッファが半減になる。ただ、Voodoo2を買うようなハイエンド志向なユーザーはほとんど12MB版を選択していたのか、中古で8MB版が出回ることは少ない。

カード正面
カード裏面。なお、8MB版はテクスチャユニット(上部)付近の背面のメモリが実装されない

 ちなみに初代およびこのVoodoo2までは2D描画部分がないため、別途ビデオカードを用意し、ミニD-Sub15ピンで接続して、3D描画時のみ出力を切り替えて動作するという点もユニークだ。

 Voodoo2自体がGlide対応ゲームに特化している上、2Dデスクトップ画面やDirect3Dゲームをプレイするなら別のビデオカードを用意したほうが良いという性格から、当時Direct 3Dの描画が高速だったRIVA TNTと組み合わせられることが多かったと思う。その中でも画質やドライバの完成度からカノープスの「SPECTRA 3200」と組み合わせれば最強であったが、合計金額は軽く10万円を超えるあたり、今のハイエンドビデオカード(GeForce RTX 3080辺り?)を買う感覚とあまり変わらないなぁ、などと思う。

インターフェイス。ミニD-Sub15ピン出力だけでなく入力も備えるのがポイント。ケーブルは付属する
RAMDACはICSの“GENDAC”「ICS5342-3」。クロックは135MHzなので、決してハイエンドというわけではない。もっとも、当時主流の3D解像度は800×600ドットで、16bitしかサポートしていないので問題はなかったが……
2枚繋げるSLI動作もサポートしていた。専用のフラットケーブルで接続する
これは当時ゲーマー涎垂の構成だったであろう