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北京冬季オリンピック開幕式の舞台は、10,393平方mの超巨大ディスプレイだった

 2月4日に開幕した北京冬季オリンピック。開幕式の演出は中国を代表する映画監督のチャン・イーモウ氏による監修で大きく話題を呼んでいるのだが、その背後を支えているのがBOE製の超巨大ディスプレイによる技術だった。

 今回の演出は実際の人間によるパフォーマンスと、CG映像技術を組み合わせている。一般的に大面積な舞台でこうした演出を行なう際は、高輝度プロジェクタを使ったプロジェクションマッピングで映像を投影するのが一般的なのだが、今回の舞台はプロジェクタではなく、超巨大なディスプレイで行なっており、人間がその上に立っているのがポイントだ。

 BOEによると、今回の舞台に使われたのは現時点では最大となる8K解像度超ディスプレイを複数枚組み合わせた表示システム。システムの面積は合計1万393平方mに達する。大規模な光学補正演算により、各ディスプレイに対しピクセル単位の光学補正が可能で、10万:1の超高コントラスト比、3,840Hzのリフレッシュレート、および29,900×15,096ドットという解像度を実現しているという。

 また、BOE独自開発のディスプレイコントロール技術と同期システムを用いて、演技者のリアルタイムトラッキングを実現し、画面表示内容と演技者の演技の同期を実現したとしている。さらに、開幕式前の5カ月間のリハーサルや、-30℃という極低温や、雨、雪といった環境下においても安定した駆動を実現したとしている。

 演出の映像制作に実際に関わったのは、Blackbowという会社であり、同社創設者の王志鴎氏もBOEによる技術協力に感謝のコメントを述べている。

 なお、舞台だけでなく、雪の結晶を象った聖火台も、BOEが開発した変形ディスプレイを採用しており、バックアップ系統を含む遠距離無線技術LoRaを用いて、ナノ秒級のレイテンシで、102枚の表裏ディスプレイの内容を書き換えている。