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「3060ドライバ制限の解除を」。Linus氏がNVIDIAのマイニング対策に苦言

 世界的に有名なテック系YouTuberであるLinus Sebastian氏は、公式YouTubeチャンネルにおいて「NVIDIA pretends to care about gamers.」(NVIDIAはゲーマーをかばうフリをしている)という刺激的なタイトルを題した動画を公開し、自身の考えを顕にしている。

 既報のとおり、海外で25日に発売予定のGeForce RTX 3060では、ソフトウェアドライバでマイニング性能を半分にする制限を課しており、マイナー(マイニングをする人)にとって旨味が薄いカードとしたうえで、NVIDIAはマイニング向けには別途CMP HXと呼ばれる映像出力端子がないGPUカードを用意。2製品ラインで市場を分けることで、GPUを奪い合わないようにしている。

 ただ、Linus氏が動画内で指摘しているように、そもそもGeForceが不足している原因は世界的な半導体不足によるもの。GPUのみならず自動車向けの半導体も逼迫している状態において、こうした政策は抜本的な解決にはならない。さらに言えば、こうしたソフトウェア的な制限は、過去に何度も簡単に突破されており、歯止め効果は薄いと指摘。

 さらに、氏が問題視しているのはマイニング向けのCMP HXだ。これまでマイナーがGeForceを購入してマイニングを行なっても、仮想通貨が暴落すると、一気にカードを手放した経緯がある。ゲーマーはこれらの中古のビデオカードでも、十分需要を満たせた(余談だが、マイナーは電力効率のため電圧やクロックを落としてGPUを動作させているため、製品寿命にはほとんど影響がないともいう)。

 一方でマイニング専用のCMP HXはディスプレイ出力がないうえに、グラフィックス処理に対しても制限を行なっているため(過去のGP106で実績がある)、たとえマイナーが手放したとしても、ゲーマーが再度手にすることはなく、そのまま破棄される運命にある。

 破棄のさいも、貴金属類はリサイクルできるが、PCBといったほとんどの部品はリサイクルできず、資源の無駄になる。エコを語る上での3つの「Re」(Reduce、Reuse、Recycle)のうち2つを無視しているとした。

 Linus氏は「NVIDIAはGeForce RTX 3060におけるドライバの制限を解除すべきだ」とし、ビデオを締めくくっている。