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富士通の歴代PCが描かれた巨大壁画がFCCL本社に登場

ウォールペインティングは本社の受付フロアの壁に描かれている

 神奈川県新川崎の富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の本社受付フロアに、富士通ブランドの歴代PCが描かれた巨大なウォールペインティングが、2020年4月に完成した。

 FCCLは、2019年11月に本社を移転。JR南武線鹿島田駅およびJR横須賀線新川崎駅からそれぞれ徒歩3分の位置にある新川崎三井ビルディング ウエストタワーの5フロアを使用している。そのうち、31階フロアは、受付/応接フロアとなっており、エントランスエリアの壁の一部を利用して、ウォールペインティングを描いた。

 受付フロアには応接室や会議室が用意されており、外部からの来客も多いエリアだ。横5.5m、縦3mというウォールペインティングは、まさに圧巻だ。

 FMVシリーズのデザインのほか、新本社のオフィスデザインも手掛けたFCCL プロダクトマネジメント本部商品企画統括部チーフデザインプロデューサーの藤田博之氏は、「壁面を利用しようと考えたとき、単に会社の変遷を写真などで紹介するのでなく、過去のヘリテージを尊敬しながら、いまにつながる経緯をウォールペインティングで表現しようと考えた。FM TOWNSをはじめとした往年のマシンをモチーフに、FCCLのメンバーがワクワク、自由闊達に働いている空気感を出したかった」とする。

 ウォールペインティングを描いたのは、AIアシスタント「ふくまろ」のイラストレーターでもある片倉航氏だ。

 片倉氏は、1988年生まれ、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、書籍やキャラクターデザイン、アニメーション等の媒体で活動。柔らかさと哀愁を合わせたテイストを得意としている。

 今回のウォールペインティングについて、片倉氏は、「応接や休憩などで多くの方が行き交う、とても大事な空間の壁に絵を描かせていただけたことを大変光栄に思う」としている。

13機種のエポックメイキングなPC

 ちなみに、ウォールペインティングには、13機種の富士通のエポックメイキングなPCが描かれている。

 完成したウォールペインティングを初めて見たFCCLの齋藤邦彰社長は、描かれた歴代PCを1つ1つ見ながら、当時のエピソードや苦労話を語りはじめたという逸話が聞かれるほど、齋藤社長にとっても思い入れのある作品となっている。

 また、数多くのFCCLの社員や、複数のふくまろが描かれている点も、社員が親近感を持つ作品に仕上がっている理由の1つといえるだろう。

 ぜひ、読者には、以下の機種がどこに描かれているのか、そして、ふくまろは何体描かれているのか、さらに社員は何人描かれているのかを当ててほしい。

歴代PCが描かれたウォールペインティング

描かれている機種

FM-8(1981年)
FM-TOWNS(1989年)
・FM-DESKPOWER(1993年)
FMV-BIBLO(1995年)
Pliche(1997年)
DESKPOWER T90G(2004年)
FloralKiss(2012年)
ARROWS Tab(2016年)
FMV-ESPRIMO FH77(2017年)
CELSIUS W580(2018年)
LIFEBOOK UH-X(2018年)
LIFEBOOK UH95(2019年)
Infini-Brain(2020年)

2020年1月に取材したさいには、絵が描かれた突き当りの壁はまだ黒いままだった
31階の受付フロアの様子。FRANKの部屋の右側の壁を使用して描いた
ウォールペインティングを行なったイラストレーターの片倉航氏
片倉航氏によるウォールペインティングの様子

 じつは、FCCLの新本社は、「オフィス全体を働き方や職場を改善するためのリアルな実験場」と位置づけている。

 現在は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、出社している社員は10%以下となっているが、通常時は、本社スタッフ部門、商品企画部門、開発部門、品質保証部門、調達部門、情報システム部門など、700人強が勤務。基本的には、フリーアドレス制としており、各フロアの中央部には、大きな机を配置して、部門を超えたコミュニケーションや、オープンスペースでのミーティングが行えるようにするなど、新たな働き方に対応したものとなっている。

 そして、ここで得た経験を実際の製品やサービスにも生かそうとしている。そうした意味からも、この新本社オフィスを「リアルな実験場」と表現している。

 「社員の働きやすさを追求したり、働き方改革を促進するだけでなく、社員の実践によってオフィスを進化させ、その成果を、製品やサービス、マーケティングなどにも生かしていくことになる」と、FCCLの藤田氏は語る。

 たとえば、受付エリアには、最新モデルを展示しているが、これも店頭に展示したときに最も訴求力が高い、効果的な本体の展示方法を検討したり、商品やカタログ、POPの置き方、展示台の色や高さなどの検証も行っているという。また、このエリアでは、3台の大型ディスプレイを使って、それぞれ別々の映像を流しているが、5分ごとに3台のディスプレイがリンクした形で映像を流すといった仕掛けも行い、店頭などにおける視覚効果の検証なども行なっている。

 「リアルな実験場」と位置づける新本社から、どんな製品やサービスが生まれるのか、そして、どんなマーケティング手法が誕生するのかも楽しみだ。

31階の受付フロアの入口の様子。緑も取り入れている
31階には応接室や会議室が並ぶ
店頭に展示したときにもっとも訴求力が高い、効果的な本体の展示方法を検討している
2020年1月時点のオフィスの様子。現在の出社率は10%以下だという
新本社の齋藤邦彰社長の部屋の入口

ウォールペイントの答え:ふくまろは12体、社員は87人でした。

ウォールペインティングに描かれたPCの答え