イベントレポート

AMD、"Core Ultra 9に勝る"Ryzen AI 400発表

AMDが発表したRyzen AI 400シリーズ、基本的な構造などはRyzen AI 300と同等(写真提供: AMD)

 AMDのリサ・スー CEOは1月5日(現地時間)、CESの前日基調講演に登壇し、開発コードネーム「Gorgon Point」で知られてきた製品を「Ryzen AI 400シリーズ」として発表した。

AMDが発表したRyzen AI 400シリーズ(出典: LEADING THE AI PC AND GAMING、AMD)

 Ryzen AI 400シリーズの基本的なアーキテクチャは前世代となるRyzen AI 300シリーズ(開発コードネーム: Strix Point/Kraken Point)と共通。いわゆる“リフレッシュ”で性能を引き上げたバージョンに相当する。

 CPUコアはZen 5およびZen 5cで、内蔵GPUはRDNA 3.5、NPUはXDNA2と基本的には従来のStrix Point/Kraken Pointと同じだ。それぞれのアーキテクチャに関しては以下の記事が詳しいのでご参照いただきたい。

従来のRyzen AI 300シリーズ(Strix Point/Kraken Point)と同様の特徴を備えるが、クロック周波数などは引き上げられている(出典: LEADING THE AI PC AND GAMING、AMD)

 Strix Point/Kraken Pointと同じように、CPUはZen 5が4コア、Zen 5cが8コアの最大12コア構成、内蔵GPUのRDNAは最大16CU(Compute Unit)、XDNA2のNPUは最大32タイル構成、L2+L3キャッシュは最大36MBとなる。

 ただし、Ryzen AI 300時代には開発コードネームがStrix Point(Ryzen AI 9 HX 375、Ryzen AI 9 HX 370、Ryzen AI 9 365)と、Kraken Point(Ryzen AI 7 350、Ryzen AI 5 340、Ryzen AI 5 330)に分かれており、発表時期も前者が2024年5月、後者が2025年1月と分かれていたが、Ryzen AI 400シリーズでは上から下まで同時に今回発表され、開発コードネームもGorgon Pointと1つだけになる。

 プロセスノードはStrix Point/Kraken Pointと同じTSMC 4nmだが、最新の最適化されたノードとなるほか、ダイ設計も最適化が進んだことでRyzen AI 300シリーズに比べて性能が向上している。具体的にはCPU/GPU/NPUなどのクロック周波数と、LPDDR5xのデータ転送レートが引き上げられた。

 最上SKUとなるRyzen AI 9 HX 475はブースト時の最大クロックは5.2GHz、GPUのブーストクロックは3.1GHz、LPDDR5x-8533に対応、NPUは60TOPSとなっており、Ryzen AI 300シリーズの最上位SKUとなる「Ryzen AI 9 HX 375」(CPU最大5.1GHz/GPU最大2.9GHz/LPDDR5x-8000/55TOPS)に比べて高い性能を発揮する。

 なお、Ryzen AI 400シリーズには以下のようなSKUが用意されている。

【表】Ryzen AI 400シリーズのSKU(AMDの資料より筆者作製)
モデルナンバーコア/スレッド最大ブーストクロックキャッシュ(L2+L3)メモリ速度NPU性能GPU CU
Ryzen AI 9 HX 47512C/24T5.2 GHz36 MB8533 MT/s60TOPS16
Ryzen AI 9 HX 47012C/24T5.2 GHz36 MB8533 MT/s55TOPS16
Ryzen AI 9 46510C/20T5.0 GHz24 MB8533 MT/s55TOPS12
Ryzen AI 7 4508C/16T4.8 GHz24 MB8533 MT/s55TOPS8
Ryzen AI 7 4456C/12T4.6 GHz14 MB8000 MT/s50TOPS4
Ryzen AI 5 4356C/12T4.5 GHz14 MB8000 MT/s50TOPS4
Ryzen AI 5 4304C/8T4.5 GHz12 MB8000 MT/s50TOPS4
Ryzen AI 9 HX 475(TDP28W)とIntel Core Ultra 9 288V(TDP30W)のベンチマークでの比較(出典: LEADING THE AI PC AND GAMING、AMD)

 こうした強化により、Ryzen AI 9 HX 475(TDP 28W)は競合メーカーの製品(Core Ultra 9 288V/TDP 30W)と比較してマルチスレッドの性能で1.3倍、コンテンツクリエーションで1.7倍、ゲームで1.1倍、NPU TOPSで1.25倍、Cinebenchマルチスレッドで1.7倍などの性能を発揮するという。

第1四半期に搭載製品の提供が開始される(出典: LEADING THE AI PC AND GAMING、AMD)

 Ryzen AI 400シリーズを搭載した製品は第1四半期(2026年1月~3月期)に提供が開始され、Acer、ASUS、Dell、HP、LenovoなどのグローバルOEMメーカーに加えて、日本のNEC PCからも提供される予定だ。