イベントレポート
Intel、HP、Dell、LG、ZTEのUltrabookやタブレットなど
(2013/1/15 00:00)
Intel
今年(2013年)のCESでは、Intelから大きな発表はなかったため、IntelだけでなくそのほかのメーカーでもPC関連の新製品の展示はかなり少なかった。それでも、Intelは例年同様の規模のブースを構え、精力的に展示を行なっていた。
展示内容は、まさにUltrabook一色といった雰囲気で、ほとんどの部分がUltrabook関連の展示で占められていた。また、ブースには多数のUltrabookを使った巨大なオブジェも作られていた。このオブジェは、“大輪の花咲くUltrabook”といった雰囲気で、らせん状に伸びた枝に多数のUltrabookが固定され、液晶画面にはカラフルな映像を表示させるという、非常に凝ったもの。見た目のインパクトもかなり強烈で、来場者の多くが足を止めて見上げるといった光景が終日見られた。
展示されていたUltrabookやタブレットPCは、そのほとんどが発表済みまたは発売済みのもので占められており、目新しさという点ではあまり見所はなかったように思う。ただ、今回のCESに合わせて発表された製品もいくつか存在していた。
また、Atom Z2760搭載タブレットPCの展示コーナーも用意されていた。こちらも、発表済みの製品が中心だったが、富士通の「ARROWS Tab Wi-Fi」やLenovoの「ThinkPad Tablet 2」など、特徴のある製品が展示されており、来場者の注目を集めていた。
UltrabookやタブレットPC以外では、LexingtonプラットフォームのAtomプロセッサ搭載スマートフォンのリファレンスモデルやタッチ操作対応のオールインワンPCなどが展示されていた。ここでは、Intelブースに展示されていた製品を写真で紹介したいと思う。
HP
Hewlett-Packard(HP)は、CES 2013に合わせて開催された併設イベントShowStoppersにおいて、ビジネス向けノートPCの新モデル「HP EliteBook Revolve」を展示していた。この製品は、クラムシェル型ノーとPCとタブレットスタイルとスタイルを変更して利用できる、コンバーチブル型のノートPCだが、最近流行のスライド型や裏面まで液晶を開くスタイルではなく、液晶中央部に水平に180度の回転機構を持つ、従来型の仕様の製品。液晶部の回転はスムーズで、ぐらつきも少なく安定している。また、マグネシウム合金のボディで剛性もしっかりしている。液晶は、1,366×768ドット表示対応の11.6型液晶を採用。
CPUはIvy Bridge世代のCore i5またはi7が搭載され、メインメモリは最大16GBまで、ストレージデバイスは最大256GBのSSDが搭載可能。ただし、詳しい仕様は公表されていない。コンバーチブル型のノートPCでボディもかなり薄いものの、Ultrabook準拠ではないそうだ。発売時期は北米で3月中を予定しており、価格は未定。
また、「ENVY 27 Monitor with Beats」という液晶ディスプレイも展示されていた。こちらは、フルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の27型IPS液晶搭載の液晶ディスプレイで、HPのノートPCでもおなじみのBeats Audioブランドのスピーカーを搭載する点が大きな特徴。液晶下部に搭載されたスピーカーからは、液晶ディスプレイ内蔵スピーカーとは思えない高音質のサウンドが再生されるとしている。入力端子は、HDMI、DisplayPort、ミニD-Sub15ピンなどを用意。タッチパネルは非搭載。北米では2月に499ドルで発売予定となっている。
Dell
Dellは、CES 2013に合わせて「XPS 13 Ultrabook」の新モデルを発表し、CES会場近くのレストランで展示を行なっていた。今回発表された新モデルは、本体デザインや基本的な仕様面は従来モデルを踏襲しているものの、液晶パネルにフルHD表示(1,920×1,080ドット)に対応する13.3型液晶を採用している点が最大の特徴。デジタルカメラの写真やフルHD動画などを高品質に表示できるのはもちろん、ビジネスソフトを利用する場合でも従来より広いデスクトップ領域で快適な作業が行なえる。発売時期は1月末頃で、価格は999ドルからとしている。
LG
LG Electronicsブースにも、コンバーチブル型Ultrabookなどが展示されていた。
まず、Atom Z2760を搭載する「Tab-book H160」。ソニーのVAIO Duo 11を彷彿とさせる、スライド型のコンバーチブルノートPCだ。本体左側面のロックボタンを押すと、バネの力で液晶が自動的に開くというギミックを採用している点が面白い。本体サイズは、286×192×15.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.05kg。コンバーチブル型ノートPCとしてはなかなか軽量だ。液晶は11.6型のIPS液晶で1,366×768ドット表示に対応。タッチパネルは5点マルチタッチに対応。メインメモリは2GB、内蔵ストレージは64GBのフラッシュメモリ。側面には標準サイズのUSB 2.0ポートやHDMI出力、microSDカードスロットなども用意されている。
次に、Tab-Book H160とほぼ同じ形状のコンバーチブルノートPC「Tab-book Ultra Z160」。こちらはCPUにCore i5-3317Uを搭載しており、よりパワフルなノートPCとなっている。液晶は1,366×768ドット表示対応の11.6型IPS液晶で、左側面のボタンで自動的に液晶が開くギミックも同じ。内蔵キーボードの仕様も同じとなっている。メインメモリは8GB、ストレージは180GBのSSDを搭載。デバイスマネージャで確認したところ、このSSDはIntel製の「SSDMCEAC180A3」というものだった。サイズは、286×192×19.4(幅×奥行き×高さ)mm、重量は1.23kg。Tab-Book H160よりも若干厚く重量も重くなっている。外部ポートは、標準サイズのUSB 3.0ポートやHDMI出力、microSDカードスロットなどを用意。
最後に、13.3型液晶を搭載するUltrabook「Ultrabook Z360」だ。高さ13.6mm、重量約1.15kgとなかなかの薄型軽量ボディが実現されている。質感もまずまずで、それほど安っぽい感じもしない。液晶は、フルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の13.3型IPS液晶を採用。発色も鮮やかで、表示品質は十分満足できそう。ただしタッチ操作には非対応。CPUは、Core i3、i5、i7のいずれかが搭載される。メインメモリは4GB、ストレージデバイスは128GBのSSDを搭載。左右側面には、USB 3.0×2やHDMI出力なども用意されている。
これら3機種とも韓国では2013年第1四半期に発売を予定しているそうだが、それ以外の地域については未定だそうだ。
ZTE
ZTEブースでは、5型フルHD液晶搭載のLTE対応スマートフォン「Grand S」を中心とした展示内容となっていたが、片隅にひっそりとタブレットPCも展示されていた。その製品は「ZTE V98」という、Atom Z2760搭載のWindows 8タブレットだ。1,366×768ドット表示対応の10.1型液晶搭載で、5点マルチタッチ対応のタッチパネル搭載、メインメモリは2GB、内蔵ストレージは32GBのフラッシュメモリと仕様的にはAtom Z2760搭載タブレットとして一般的。ただZTE製らしく、LTE/3G対応の通信機能を内蔵している点が大きな特徴。対応する周波数帯域は、LTE 800/1,800/2,600MHz、UMTS 850/900/2,100MHz、GSM 850/900/1,800/1,900MHz。ほかに、無線LAN、Bluetooth 4.0もサポートする。また、7,000mAhのバッテリを内蔵し、長時間の駆動も可能としている。日本での発売は未定だ。