やじうまミニレビュー
ノートPCの容量不足?それならバッファローの極小SSDを挿しっぱなしにしよう
2024年11月14日 06:12
筆者のノートPCとの日々は、常に容量不足との闘いである。仕事では取材のたびに高解像度の画像が大量に取り込まれ、プライベートでは趣味の撮影やゲームのキャプチャにより数十から数百GBの動画データが短期間かつ高頻度で蓄積され、ストレージがすぐにいっぱいになってしまう。
自宅にはデスクトップPCに接続された数TBのバックアップ用ストレージがあるので、単に容量を空けたければそこに棚卸すればいいのだが、作業で使用するデータはなるべく棚卸しせずローカル環境でノートPCに入れておきたい。容量不足は各作業に直接影響するため、並行する作業が多くなる繁忙期などは編集中のデータを使いやすく保存しておく場所の確保が大きな問題となってくる。
ということで試してみたのが、弊誌で何度も取り上げているバッファローの極小ポータブルSSD「SSD-PSTU3-BA」シリーズだ。今回は1TBモデルを使った(型番:SSD-PST1.0U3-BA、実売価格:1万7,500円前後)。
本製品はそのコンパクトさからノートPCに挿しっぱなしにしておける点が大きな特徴であり、作業データを入れるストレージの最適解と考えて同社から貸してもらった。
ちょうど借りた時期がここ数年で最も忙しく、外出先での仕事がほとんどだったこともあり、特にノートPCの容量不足に悩んでいる方は容量や価格帯的に全員これを買えば良いのではないかと思えるくらいには有用性を確認できた。是非使用していただきたいので紹介する。
圧倒的に小さいのに実用的!
SSD-PSTU3-BAシリーズは、バッファロー史上最小かつ最軽量で、挿したままでも気にならないサイズ感が魅力のUSBメモリ型ポータブルSSDだ。本体サイズは14.6×28×8mmと非常に小さく、重量はわずか約4.5gだ。接続時にPCから飛び出す部分も約17mmと1円玉の直径より短い。
このコンパクトさは、実際に使ってみるとその価値を一層実感できる。1TBものストレージ容量を追加しているにもかかわらず、その存在をほとんど意識せずにPCを使えるのは非常に素晴らしい点だ。
また、本製品はリード速度約600MB/s、ライト速度約500MB/sの転送性能を発揮し、特に動画編集の際に読み書き時間を気にせず作業できるのも助かる。MIL-STD-810H 516.8 procedure IV準拠の耐衝撃性を備えるほか点も安心だ。
小型軽量の外付けストレージとなるとmicroSDカードも1つの候補になるかもしれないが、リード/ライト速度と価格帯、耐久性を考慮すると、本製品に軍配が上がるだろう。
“ノートPCだけ”の感覚で使用できるのが最高
SSD-PSTU3-BAシリーズの最大の魅力は、やはりその圧倒的なコンパクトさにある。筆者は本製品を借りた直後に単独での海外取材があったのだが、なるべく荷物を減らして移動する必要がある環境でまったくかさばらず、連日の取材で撮影した大量の画像や動画に十分対応できる容量を持つ本製品は非常に役に立った。
撮影した動画の一時保存や動画編集用途においても、本製品は非常に有用だ。筆者はプライベートでVlogやゲーム実況を行なうYouTubeチャンネルを5年以上運営しているのだが、近年は4K動画を取り扱うことが増え、フルHDで撮影・編集していた頃に比べて、動画データの総サイズが急速に1TB規模に達するようになった。
これまでは、ノートPCの内蔵ストレージがすぐに限界に達してしまい、編集前や編集中の動画素材を自宅のバックアップ用ストレージや外付けHDDに移動せざるを得ず、動画を作成する際に多少の不便さがあった。
しかし、本製品を使うことで、編集中のデータをすべてここに保存し、サイズや重量を感じることなく持ち運べるため、どこでも気軽に快適に編集作業を続けられるようになったのは大きなメリットだ。
また、動画編集はオフラインで行なうこともあり、編集前および編集中の動画素材はクラウドではなくローカルに、かつ動画が完成するまで同じ場所に保存しておきたい。そのため筆者は4K動画を扱う場合、ノートPCの内蔵ストレージ500GBでは不十分であり、最低でも1TBは必要だと感じている。
筆者の環境ではノートPCと本製品を組み合わせることで約1.5TBの容量を確保できるため、動画素材に関してストレージの心配をすることがなくなった。なお、本製品が発熱することで起こるという転送速度の低下については、筆者が動画編集で使用するうえでは気にならなかった。
「PCの内蔵ストレージをもっと大容量のモデルにすれば良いのでは?」と思うかもしれないが、内蔵ストレージはどうしてもデータを溜め込んでしまいがちで、どんなに容量が大きくても外付けストレージが必要になる場面が訪れるだろう。
容量が大きいモデルを選ぶコストや内蔵ストレージの寿命なども考慮すると、ノートPCに接続しているのにノートPCだけで使用しているように思える本製品を導入するのは、非常に実用的でコストパフォーマンスに優れた選択だ。
万が一の紛失/盗難の際も安心
SSD-PSTU3-BAシリーズを使ってみた感じでは、持ち運び時に挿しっぱなしにしていてもポロッと外れることはまずない。しかし、本製品を複数利用して用途にあわせて付け替える場合は紛失のリスクは高まるし、利用場所によっては盗難の可能性も考えられる。そうなると気になるのはセキュリティ面だ。
本製品には、データの安全性を確保するために「SecureLock Mobile2」というセキュリティソフトを用意している。同ソフトを使用することで、暗号化したいデータをパスワード/パターン方式を用いてAES 256bitで暗号化でき、情報漏えいを防止できる。
筆者は、海外取材の際に本製品を業務用として使用しており、その際は盗難のリスクが国内より高かったため、すべてのデータを逐一暗号化していた。現在はプライベートでの動画編集用途に使っているため、同ソフトは使用していない。
暗号化すると多少不便にはなるがノートPC本体よりは紛失/盗難のリスクが高いので、業務で使用する際はこのセキュリティソフトを使用したほうが良いだろう。
全ノートPCユーザーにおすすめしたい逸品
SSD-PSTU3-BAシリーズは、ノートPCの容量不足に悩む方にとって非常に便利な製品である。特に外出先で作業することの多い人には、外付けストレージを持ち運んでいる感覚がないのに数日の作業には充分なストレージを確保できるので、容量不足の悩みから解放され、より快適に作業ができるだろう。
個人的にはノートPCを使用している限り容量の悩みが起きないことはないと思うので、大げさかもしれないがノートPCユーザーは全員これを買ったほうが良いと思う。発売から1年経つものの未だにベストバイな逸品である。
なお、今回はスマホでの使用はしなかった。もちろんexFAT形式にフォーマットしたりUSB Type-C変換アダプタと併用したりすればスマホでも使用できるのだが、本製品の一番の特長は小型軽量であること。アダプタを使うとせっかくのコンパクトさが損なわれてしまうだけでなく、アダプタをかませることで紛失リスクも高まることから、スマホでは使わないことにしたのだ。
もし、スマホでの使用をメインに考えているのであれば、バッファローの新製品であるスティック型ポータブルSSD「SSD-SCHU3A」シリーズも良い選択肢だ。こちらもUSB Type-C変換アダプタを使用する必要があるが、exFAT形式にフォーマット済みでスマホに対応しており、SSD-PSTU3-BAシリーズよりも大きいので紛失リスクも低い。是非こちらも候補に入れてみてほしい。