イベントレポート
2024年、いよいよ5Gigabit Ethernetが本格普及か
2024年6月7日 09:21
台湾にて開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2024にて、5Gigabit EthernetのソリューションについてRealtekのブースで展示されている。
近年マザーボードでも採用が増えてきた5Gigabit Ethernetについて、仕掛け元であるRealtekに聞いてみた。
今回Realtekが準備している5Gigabit Ethernetソリューションは以下の3つ
- RTL8126:PCI Express 3.0 x1→5Gigabit Ethernet
- RTL8157:USB 3.1→5Gigabit Ethernet
- RTL8252B:PHY(物理層)のみ
なお、これらは2022年に発表されているものとなるが、デモボードの状態からようやく製品に搭載されてきた形となる。
まず、執筆時点の市場見る限り、2.5Gigabit Ethernetが普及してきており、アドオンカードで10Gigabit Ethernetもしくはそれ以上……という状態だ。
ここで5Gigabit Ethernetが間に入っても、結局性能を引き出すには市場にある10Gbpsの機器が必要になってきてしまうため、それなら10Gbpsで良いじゃない! というのが筆者の認識だ。
Cat.5eのケーブルのままで良い
しかし5Gigabit Ethernetの最初のメリットとしては、LANケーブルを交換せず速度をアップグレードできる点が挙げられる。
10Gigabit Ethernetの場合は少なくともCat.6のLANケーブルが必要になるが、Realtekの担当者によれば5Gigabit EthernetまではCat.5eで対応できるとのこと。そのため、ケーブル交換に伴うコスト削減が期待できる。
小規模なネットワークであればケーブルを数本変えるだけのため、大したコスト削減にはならないのだが、壁の中にLANの配線がされているといった場合、確かに効果はあるだろう。
また、これらの市場のユーザーは「速度を速くしたいが、変更は望んでいない」とのことだ(ギクっとなった筆者)。
Wi-Fiアクセスポイントなど5Gbps対応製品も増えてきている
Realtekによれば、昨年(2023年)まではデモボードの状態だったが、今年(2024年)は対応製品がパートナーメーカーからリリースされているとのことだ。
Realtekのブースにはマザーボードのほかに、近日発売となるTP-Link製のWi-Fiルーター「Archer GE650」とRUIO製のインドアCPE(日本で言うSoftBank Airのようなもの)が展示されていた。とはいえ対応機種はまだまだこれからということに変わりはないだろう。
QFNパッケージを採用で安い
Realtekの5Gigabit Ethernetコントローラは、8×8mmのQFN(Quad Flat No-lead)パッケージを採用しているため、BGAと比べてチップのパッケージコストや実装コストが安い点も見逃せない。また、消費電力も1.7W以下に抑えられているそうだ。