イベントレポート

すべてがノーマルに戻った台北で、COMPUTEXが本日より開幕

会場となる南港第1展示ホール

 COMPUTEX 2023(2023台北国際コンピュータ見本市)の主催者TITRA(台湾貿易センター)、今年のCOMPUTEX 2023の開催規模を発表した。それによれば、今年のCOMPUTEXは南港第1展示ホールおよび第2展示ホールで開催され、世界26カ国から1,000社以上の企業が出展し、最後のグローバルなリアルイベントとなった2019年時点での約1,600社からは減った状態で開催されることになる。

 COMPUTEX 2023は本日より展示会が始まり、6月2日まで4日間にわたって開催される。例年に比べて1日短い会期となり、例年は最終日に一般観覧者を受け入れる一般参観日があるが、その一般参観日が削られることになる。

本格的なリアルイベントとして復活したCOMPUTEX

基調講演などが行なわれる南港第2展示ホール

 4年前に最後の通常状態の中で開催された2019年のCOMPUTEXは、会場として南港第1展示ホールおよび第2展示ホールがメインの会場として設定され、サテライト会場として台北世界貿易センター(TWTC)や台北国際会議センター(TICC)などかつてのCOMPUTEXメイン会場として使われてきたエリアで、カンファレンスや記者会見などが行なわれるという形で開催されてきた。

 その後、2020年からCOVID-19によるパンデミックになり、2020年は中止、2021年はバーチャルという形で開催されることになった。台湾だけでなく全世界的に感染状況に落ち着きが見られた昨年(2022年)は、現地での展示とバーチャルというハイブリッド形式で開催されたが、昨年の5月の時点では台湾への外国人の入国は特別なビザを取らなければいけない状態で、実質的に現地でのリアルイベントは、ローカルのイベントとして行なわれるなど、完全復活にはほど遠い状態だった。

 しかし、今年のCOMPUTEX 2023は、台湾への入国はコロナ前と同じ状況になり、日本のように、台湾ではビザ免除制度の対象となる国籍の旅行者は特別な措置がなく入国できるようになっている。また、台北の地下鉄などの公共交通機関における、マスク着用義務もなくなり自主判断に任させるようになるなど、既に通常状態に戻りつつある。

南港第1展示ホールの入り口を入ったところ
午前9時半(日本時間10時半)から会場がオープンになるのを待つ来場者

 そうした中で今年のCOMPUTEX 2023は開催されることになり、規模は従来と同じような状況に戻りつつある。ただし、出展社は2019年の1,600社から1,000社に減っており、規模という意味では従来よりも縮小されている。そうしたことを受けて、会場も南港展示館に集約され、TWTCやTICCなどは使われないようになっている。

 それに伴いCOMPUTEX 2019の期間中には運行されていたTWTCと南港展示館を結ぶ無料バスもなくなっており、企業が従来の展示会場近くでプライベート展示などを行なっている場合には移動がやや大変という状況になっている。というのも、南港展示館の周辺には、TWTCやTICC周辺のような、適度の大きさの宴会場をもったホテルなどもなく、本会場に出展していない企業は、台北市内の南港展示館からやや離れた会場などでプライベートイベントを行なっているような状況だ。

NVIDIA、Qualcommなどが基調講演に登壇するが、IntelやAMDなどは参加せず

前日基調講演に登場したNVIDIAのジェンスン・フアンCEO

 このように従来通りの規模とはいかないものの、2つの展示館で、ASUS、Acer、GIGABYTEなどの本誌でもおなじみの台湾ブランドがさまざまな展示を行なっており、それぞれアピールしたい製品などを展示する。

基調講演のラインアップ

 基調講演には、既に昨日(5月29日)に行なわれたNVIDIAのジェンスン・フアンCEOの講演を皮切りに、本日はQualcomm 上席副社長 兼 モバイルコンピューティング/XR事業部 事業部長 アレックス・カトージアン氏およびQualcomm 上席副社長 兼 コンピュート/ゲーミング事業部 事業部長 ケダル・コンダップ氏によるQualcommの講演が行なわれる予定になっている。また、6月1日にはAcer CEOのシェーソン・チャン氏による基調講演が、さらにはSupermicro CEOのチャールズ・リャン氏の基調講演も行なわれる。

 だが、今年はそのリストの中にIntel、AMDというPC業界の二大CPUメーカーの名前はない。両社ともに既に2023年向けの製品を発表し終わっており、新製品の発表は今年の後半が予定されている。その意味で、このタイミングでは発表するものがないため、両社ともに基調講演などの枠をおさえなかったと考えられる。しかしIntelであれば、Intel Inside ProgramなどのOEMメーカーの製品やPRなどに自社のロゴを掲載してもらうようなプログラムを行なっており、その意味では、両社ともにロゴなどは会場で見かけることになる。

 COMPUTEX 2023は、本日より6月2日までの4日間の予定で行なわれる。通常のCOMPUTEXは開催週の火曜日から土曜日までの5日間にわたって行なわれ、最終日の土曜日は一般観覧者が参加できる一般観覧日として解放されるが、今年はその一般参観日がなく終了することになる。