イベントレポート

HP、4辺狭額縁で90%の画面筐体比を実現した「HP Spectre x360 15」

~DisplayHDR 600対応の31.5型4Kディスプレイ一体型も

HP Spectre x360 15。左側が2019年モデル、右側が2020年モデルで、明らかに2020年モデルの奥行きが小さくなっていることがわかる

 HPは1月7日~1月10日(現地時間)に米国ネバダ州ラスベガス市で開催されている世界最大のデジタル関連展示会「CES 2020」に合わせて報道発表を行ない、「HP Elite Dragonfly」の最新版や「HP Spectre x360 15」、「HP ENVY AiO 32」などを発表した。

2.2mmの新開発IRカメラによる画面筐体比90%を実現しているHP Spectre x360 15

新しい2.2mmのIRカメラの開発により4辺狭額縁を実現している、左側の昨年モデルと比較すると、その差がよくわかる

 HPが発表したHP Spectre x360 15(2020モデル)は、DisplayHDR 400に対応した15.6型4K OLEDを選択可能な2in1で、360度回転型ヒンジを利用して、クラムシェル、テントモード、ビューモード、タブレットモードの4つのモードで利用できる。

 ディスプレイは15.6型の4K OLEDないしは液晶ディスプレイから選択できる。DisplayHDR 400に対応しているほか、標準的なsRGBなどに比べて30%ほど広色域のDCI-P3に対応している。OLEDを選択した場合には、色域の設定をソフトウェア的に変更でき、OLEDネイティブ、Adobe RGB、DCI-P3などに設定できる。

ディスプレイの解像度は4K
設定ツールで熱設定や色域の設定などができる

 ディスプレイの上部には、新設計の2.2mm幅のIRカメラが実装されており、Webカメラとしても、Windows Helloの顔認証としても利用できる。この新しいカメラにより4辺狭額縁が実現されており、いわゆる画面筐体比は90%と、今回のCESでDellから発表されたXPS 13(モデル9300)(11型級の底面積を実現した最強の「XPS 13」参照)と同レベルの画面筐体比を実現している。

 4辺狭額縁になったことにより、同じ15.6型ディスプレイを採用している従来モデルに比べて24mmほど奥行きが小さくなっており、ブリーフケースなどに入れやすいサイズになった。

 また、CTOモデルでは注文時に反射低減ガラスを選択することができる。これにより、反射を少なくして外光下や光源が多いところなどで見やすくしたりすることができる。

 CPUは第10世代Coreプロセッサ(14nm、Comet Lake)が採用されており、どのモデルかは明らかにされていないが単体GPUとしてGeForceが採用されている。メモリは最大16GB、ストレージは最大2TBとなっている。なお、展示されいて個体ではCore i7-10510U、メモリは16GB、ストレージは256GBとなっていた。バッテリ駆動時間は公称値で17時間。

 筐体はアルミニウムCNCで、HP Spectre x360の特徴となっている、奥側の左右がカットされているうち右側の角はUSB Type-Cポートになっており、そこにUSB Type-CのUSB PDアダプタを接続して利用することができる。

 HP Spectre x360 15(2020モデル)は3月から販売開始する予定で、価格は1,599.99ドルからだ。

反射低減ガラス(左)と通常のガラス(右)
CPUはCore i7-10510U、メモリは16GB
本体の左側面
本体の右側面
右側面にはWebカメラをオフにするボタンが用意されている

DisplayHDR 600に対応した31.5型4Kディスプレイが綺麗なHP ENVY AiO 32

HP ENVY AiO 32

 画面一体型PCとしては「HP ENVY AiO 32」を投入。最大の特徴は、DisplayHDR 600に対応した31.5型4K UHDディスプレイを搭載していることだ。解像度は3,840×2,160ドットで、輝度は600cd/平方m、 DCI-P3が98%という広色域に対応している。3辺狭額縁に対応しており、Webカメラはポップアップするタイプになっている。

 実際に展示された実機では、非常に明るく、広色域ということが確認でき、リビングなどに置いても映えそうなディスプレイになっていた。

 下部にはスピーカーが入っており、HPのPCで最近よく採用されているBang & Olufsenのスピーカーになっている。HPによれば、AIOとしては世界最大の音量を実現しているとのことだった。

 キーボードにはスマートフォンやタブレットなどを置くスタンドが用意されており、本体のスタンド部にはQi規格の無線充電器が統合されており、Qiに対応しているスマートフォンなどを置くだけで充電できる。

解像度は4K
HDRに対応
キーボードにはスタンドが
Qi充電器

 CPUは第9世代Coreプロセッサ(Coffee Lake)のSシリーズとなっており、つまりデスクトップ用のCPUが採用されている。最上位モデルではCore i7-9700が設定されており、8コアでベースクロック周波数3GHz、ターボ時最大4.7GHzというスペックになっている。また、AIOとしては世界ではじめてGeForce RTXを採用しており、最上位モデルではGeForce RTX 2060(6GB GDDR6)となっている。

 しかし、こうしたスペックになっているためCPUとGPUの消費電力、さらにはディスプレイに関しても消費電力が小さくないため、ACアダプタの出力は330Wになっており、IntelのNUCなどの超小型デスクトップPCよりも大きめだ。よって、ACアダプタをうまく隠すような設置方法を考えたいところだ。

 HP ENVY AiO 32はすでに販売が開始されており、価格は1599.99ドルから。

CPUはCore i7-9700
出力330WのACアダプタ
背面のポート
左側面にはSDカードスロット