イベントレポート

11型級の底面積を実現した最強の「XPS 13」

新XPS 13(9300)、後ろがシルバー/ブラック、手前がフロスト/ホワイト

 世界最大のデジタル関連展示会となるCES 2020が、1月7日~1月10日(現地時間)の日程で米国ネバダ州ラスベガス市の複数の会場において開催されている。それに先だって1月5日には報道関係者向けのプレビューイベントとなる「CES Unveiled Las Vegas」が、ラスベガス市内のマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターにおいて開催された。

 これにDellも出展しており、1月2日に報道発表した新製品のうちいくつかを展示した。コンシューマ向け製品での目玉は、狭額縁ディスプレイ「インフィニティ・エッジ・ディスプレイ」を採用しているXPS 13の最新モデルとなる「XPS 13(9300)」だ。

16:10の狭額縁ディスプレイと狭額縁のフルサイズキーボードでデザインと使い勝手のバランスを両立

3,840×2,400ドットの16:10の13.4型ディスプレイを採用している。輝度は500cd/平方mで、DCP-I3のカバー率が90%という高輝度、広色域のディスプレイとなっている。実物で確認してみたが、明るく鮮明で見やすかった。

 今回Dellが展示したXPS 13は(9300)は、昨年(2019年)販売された「XPS 13(9380)」から筐体を完全に一新した。最大の特徴は、従来は16:9の一般的なアスペクト比のディスプレイを採用していたのに対して、新XPS 13では16:10の3,840×2,400ドットないしはWUXGA(1,920×,200ドット)の13.4型液晶パネルを採用していることだ。いずれも縦方向の表示面積が6.8%広くなっており、Webブラウザのような縦方向が必要なアプリケーションで広く使える。

左が新モデル、右が旧モデル。旧モデルが3面狭額縁であるのに、新モデルは4面狭額縁になっていることがわかる
左が新モデル、右が旧モデル。新モデルはキーボードも狭額縁になっていることがわかる

 しかも、XPSシリーズのアイコンと言える「インフィニティ・エッジ・ディスプレイ」と呼ばれる狭額縁ディスプレイを採用しており、従来のモデルでは上と左右の3面狭額縁だったのに対して、新モデルでは下部も狭額縁の「4辺狭額縁」になっているため、底面積は従来製品に比べて2%小さい(奥行きはほぼ同じだが、横幅が302mmだったのが295.7mmと約6mmほど縮小)。

 つまり、表示面積は大きくなっているのに、本体のサイズはむしろ小さくなっているのだ。Dellによれば、底面積では11型の狭額縁ではないノートPCとほぼ同等だという。

キーボード
高精度タッチパッド
電源スイッチ 兼 指紋センサー

 また、昨年のモデルで採用された約2.25mmの小型カメラが引き続き採用されているが、昨年のモデルでは赤外線カメラが未搭載だった。新モデルでは赤外線への対応が果たされており、Windows Helloの顔認証に対応できる。キーボードの右上にある電源ボタンには指紋認証センサーが統合されており、顔認証と指紋認証の両方が利用できるようになっている。

 キーボードも狭額縁で、キーボードの左右から縁まではほとんどスペースがない状態になっている。こうしたキーボードは昨年のCOMPUTEX TAIPEIで発表された「XPS 13 2-in-1」でも採用されていたデザインで、従来のXPS 13と比較してキー自体が9%大きくなっている。同時にタッチパッドも大きくなっており、従来製品に比べて面積が17%大きくなっている。

 なお、キーボードのストロークは1mmとなっており、XPS 13 2-in-1やXPS 15で採用されていたマグレブキーボードではなく、通常のキーボードとなっている。

Ice LakeのCore i7、32GBのLPDDR4x-3733、2TBのNVMe SSDという、モバイルPCとしては最強スペックを選択可能

Ice Lakeの第10世代Coreプロセッサ、メモリ32GB、ストレージ2TBという選択が可能に

 CPUはIce Lakeの開発コードネームで知られる10nmで製造される第10世代Coreプロセッサになっている。メモリはLPDDR4x/4-3733で、容量は4GB~32GB。モバイルノートPCでは32GBが選択できる製品はまだまだ少ないので、ハイエンドユーザーにはうれしいだろう。ストレージも最大で2TBを選べるので、現状ではほとんどほかには選択肢がないIce Lake+32GBメモリ+2TBストレージという、モバイルノートPCでは最強スペックを選べるのはメリットだ。

【表1】新XPS 13(9300)のスペック
製品名XPS13(9300)
CPU第10世代Core(ICL)i7-1065G7/i5-1035G1/i3-1005G1
GPUIntel Iris Plus/UHD
メモリ4~32GB(LPDDR4/4x-3733)
ストレージ最大2TB(PCIe x4)
ディスプレイ13.4型3,840×2,400ドット/WUXGA(16:10)
タッチ/ペン3,840×2,400ドットパネルはタッチ/WUXGAはタッチ、ノンタッチ(ペン未対応)
カメラ (Windows Hello対応有無)HD(対応可能)
Thunderbolt 32
カードリーダmicroSD
オーディオオーディオ/マイクコンボ
Wi-FiIEEE 802.11ax
BluetoothBluetooth 5
指紋認証電源ボタンに内蔵
キーボードフルサイズバックライトキーボード(1mmストローク)
ポインティングデバイスPrecision TouchPad
ACアダプタ45W(USB Type-C)
バッテリ52Wh
本体色シルバー/ブラック、フロスト/ホワイト
サイズ(幅×奥行き×高さ)295.7×198.7×14.8mm
重量1.2kg(ノンタッチ)/1.27kg(タッチ)
OSWindows 10 Home/Pro

 また、CPUが第10世代Coreになったことに伴い、Wi-Fiは従来のWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)からWi-Fi 6へと強化されている(Ice Lake世代ではAX1650などのWi-Fi 6対応モジュールが選択できるため)。ただし、従来製品と同じように、セルラーモデムには未対応なことは変わっていない。

Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応のWi-Fiに対応
本体の左側面
本体の右側面
底面
ホワイトモデルではACアダプタも白に

 I/Oポートは、microSDカードスロット、Thunderbolt 3に対応したUSB Type-Cが2つ、そしてオーディオ端子のみとなっている。従来製品ではThunderbolt 3に対応したUSB Type-Cに加えて、USB 3.1に対応したUSB Type-Cが1つとなっていたので、USB Type-Cが1つ減ってしまっている。

 なお、製品はUSB Type-CをUSB Type-Aに変換するアダプタが1つ付属してくる。また、バッテリの容量は従来製品と同じく52Whとなっており、駆動時間は公称19時間となっている。

 本体色はシルバー/ブラックと、フロスト/ホワイトの2色展開。米国、英国などの欧州では1月7日から販売が開催される予定で、米国での価格は999ドルからとなる見通し。なお、それ以外の地域では2月から販売開始が計画されており、日本はそのなかに含まれると考えられるので、近い将来に日本でも新XPS 13の販売開始が期待できるのではないだろうか。

シルバー/ブラック
フロスト/ホワイト