イベントレポート

Intel、ノートPCをモジュール化する「NUC Compute Element」発表

~各社の第10世代Core搭載ノートPCも参考展示

NUC Compute Element

 米Intelは、COMPUTEX TAIPEIの初日(現地時間5月28日)に行なわれた「COMPUTEX Industry Opening Keynote」にて、第10世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Ice Lake、以下第10世代Core)の生産開始・出荷開始を発表した(別記事参照)。

 翌29日に同社は、COMPUTEX TAIPEI会場の台北世界貿易センター近くで、「Intel Open House」と呼ばれるイベントを開催し、第10世代Core発表関連の展示会を行なった。

ホワイトボックスノートPC向けのNUC Compute Elementを発表

 同イベントで発表されたのは、NUCのホワイトボックスノートPC版「NUC Compute Element」だ。

 これは、ホワイトボックスのPCメーカーなどが容易にノートPCを製造できるように、ノートPCのシステムボードを規格化したもので、Compute Element本体はCPUやメモリなどを備える。

 専用インターフェイスでシステム側の端子やバッテリ、ディスプレイなどど接続するかたちとなり、OEMメーカーは、BTO時に目的のボードに入れ替えるだけで簡単に顧客へカスタム仕様のPCとして販売することが可能になる。

 ノートPCだけでなく、レジやスマートTVといった電化製品などへの展開も想定されている。同社によれば、vProプロセッサを含む多様なプロセッサバリエーションが用意され、採用製品は2020年前半より発売される予定。

こうしたノートPCのシャシーに搭載する
NUC ELEMENTSの基板

Dellから発表済みのXPS 13 2-in-1に加えて、Acer、HP、Lenovoの製品が展示される

Dellが発表した新しいXPS 13 2-in-1(右)、左の旧モデルと比較して新しいモデルでは画面が大きくなり、キーボードが縁まで来ていることがわかる

 第10世代Coreプロセッサ関連では、Gen11 GPUと呼ばれるIntelの最新内蔵GPUのライブデモなどが行なわれた。

 別記事(Intel製Gen11 GPUは、ユニット3割増で1080pゲームも可能に)でも紹介しているとおり、Gen11 GPUには最大で64EUとなるIris Plusと、32EUのUHDの2つのブランドがあるが、今回紹介されていたのはIris PlusのGPUで、cTDP(熱設計の枠を可変できる仕組みの事)で25WにTDPの枠を引き上げた時には、100fpsを超えるフレームレートを実現し、通常の15Wにした時でも70fps程度を実現するというデモが行なわれた。

 これを利用すると、OEMメーカーが熱設計に余裕をもって25Wでも耐えるように設計しておけば、より高いGPU性能を実現できることを意味するだけに、要注目だ。

cTDPで25Wに熱設計の枠をあげると、100fpsを実現する性能を発揮
通常の15Wに下げると70fpsに下がることがわかる

 そうした第10世代Coreを搭載したノートPCとしては、Dellからは新しい「XPS 13 2-in-1」が発表されている。

 今回のOpenHouseでは、それに加えてAcer、HP、Lenovoの第10世代Coreを搭載したPCが展示されていた。展示されていたのはAcerの「Swift 5」、HPの「ENVY 13」、Lenovoの製品名不明のクラムシェル型ノートPCで、いずれも薄型軽量のノートPCとなる。

AcerのSwift 5
HPのENVY 13
Lenovoの製品名不明の第10世代Core搭載製品
第10世代CoreのCore i5用シール

デザインコンセプトの展示も

 また、2018年のIFAでLenovoが、そして今回のCOMPUTEXではASUSが発表したことでトレンドの1つとなりつつある、2画面PCのデザインサンプルをいくつか展示し、注目を集めた。

 LenovoやASUSの製品と同じようなモバイル向けだけでなく、ゲーミング向けの2画面なども展示されていた。

Intelが試作している様々な2画面PC
ASUSの「ZenBook Pro Duo
HPの「OMEN X 2S